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『海賊八幡船』(1960)公式配信

 期間限定公開だがリンクは貼っておこう。本作に関しては特撮監督・矢島信男氏が著書でこう語っている。

「松竹から東映に移籍して京都の撮影所に行くことになった。向こうは大物のスタッフ揃いで物凄く恐縮してたら、現場の重鎮みたいな人まで僕に頭を下げてきた。どうやら会社が『大川社長の肝いりだから』とイメージを語ってたようで、ならばやってやろうと腹を据えた。
 (撮影機材や特撮プールといった)設備投資も『僕の希望だ』と言えば通った。そんな無茶が通ったのは、会社が『特撮に何が必要か』を知らなかったからだし、大川社長も僕にそれほどの権限を与えてくれたから。まだ30過ぎたばかりの若造にそこまで信頼を置くなんて、本当に大胆な人だった。それだけ特撮に期するものがあったのでしょう」

『矢島信男伝』より抜粋

 ひと目で金かかってると分かるほどの大作時代劇だが、本当にさりげなく、しかも違和感なしに特撮カットを差し込んでくるから油断ならない。
 撮影中は本作主演の大川橋蔵を始め、市川右太衛門や片岡千恵蔵といった超大物俳優までセットの見学に来て感心していたそうな。それも納得の出来である。その大スケール感と共にじっくり堪能するとしよう。

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