011 農業研修の記録
2021.09.15
今日は、いつもの研修はお休みをいただいて、熊本県有機農業研究会さん(以下、熊有研さん)の研修に参加してきました。
熊有研さんも農業研修をされている機関で、今回のようにどんな方でも参加できる"公開講座"を月一くらいで開催されています。
今日の内容は、「熊本県山都町で、有機農業をしている方の圃場見学・実践談」で、3軒の農家さんのところへ行きました。
まずは、『うのこえん』の大隈 徹さん、美佐子さんのところへ🚗
大隈さんご夫婦は、県外ご出身。1999年に移住・就農され、もう22年有機農業をされています。
就農された当時は現在のような研修・給付金制度のない時代だったのですが、今まで借金も赤字もなく農業をされてきたそうです。また、お子さんが4人もいらっしゃるなかで、夫婦2人でやってこられたというお話を聞いて、本当にすごいなと思いました。
栽培品目は、米、ミョウガ、玉ねぎ、レタス、里芋、人参をメインに、計20種類以上。
いろんな野菜を作ると、災害等で1つの野菜がダメになっても他の野菜でカバーできるのでリスク分散になる、ということを教えていただきました。
また、お子さんがいらっしゃる中での農業のやり方(特に子供が休みの場合)が気になったのでご質問すると、「子どもと楽しむやり方(ex. 子どもも一緒にできるパック詰め作業をする)を考える。農業は自分たちのペースでできる仕事なので、"自由さがある"という価値を見出だすと良い。」と教えてくださいました。
▲大隈さんの田んぼから見える景色
▲大隈さんの稲
(ご自分で作られた苗は、5月の大雨で土砂が崩れてダメになってしまったそうなんですが、周りの人たちから分けてもらってお米を作っているそうです。立派に育っている稲を見ると、なんだか地域の方々との素晴らしいつながりを感じました。)
最後にいただいた、奥さん手作りのミョウガが大変美味しかったです🤤
昼食をとって、次は原田幸二さん、菊江さんのところへ🚗
就農して48年、有機農業を始めて40年、の大ベテランです!
5名の従業員の方もいらっしゃいます。
栽培品目は、米、里芋、ニンニク、ジャガイモ、ナス、キュウリ、椎茸、ミニ白菜、赤かぶ、と多品目。
その理由は、大隈さんと同様リスク分散のためだそうです。
原田さんのところでは、まず作業場に入らせていただいたのですが、道具がとてもきれいに整理整頓されていてびっくり。
ハサミや包丁は番号を振って、壁に貼った磁石に付けて収納。刈払機は、壁に吊るして収納。物を無くさない、限られた場所を有効に活用する、という工夫がされていました。
とても真似させていただきたい部分です。
お話のなかでは、農地を借りるときに気を付けることや、段取りよく仕事をする工夫をすることが大事であることなどを教えてくださったり、大変参考になりました。
▲玉ねぎを育苗中。黒いネットは、雨で土の表面が叩かれないようにするためだそうです。
▲綺麗に植えられたナスたち。根本はがっしりと支柱で固定され、倒れにくい工夫がされています。
圃場見学中には、"きつく縛ることができるのに、人が引っ張ると簡単にほどける"ひもの結び方を教えてくださり、参加者みんながわ~と驚く場面もありました。その結び方については、動画を撮って上げたいなと思います!(ちょっとコツが必要です)
そして最後は、『なのこころ農園』の出口信武さんのところへ🚗
出口さんは、千葉県ご出身。9年前に、先程の原田さんのところで1年間研修をし、就農されました。
奥さんと2人で農業をされています。
栽培品目は、レタスをメインに、他数種類のお野菜を作られています。
レタスは、数年前に原田さんが作付けをやめられることになり、それじゃあ自分が作ろう、と栽培することになったそうです。あまり生産者がいない品目を選ぶ、という工夫をされています。
最近、家に近いところの畑を借りられることになったそうで、6枚で合計130aの畑が一か所にまとまっていました。中山間地域でこの広さと立地の畑は大変羨ましいです!
こんな好条件の場所が見つかったのも、出口さんが就農後、地域の方々との信頼関係を築いてこられたからなんだろうなと思いました。
▲綺麗に植えられているレタスたち。間の黒いマルチは、通路用のマルチだそうで、小さな穴が開いていました。雨が降っても溜まらず、穴から下の土に染み込んでいくそうです。
最後に、本日見学させていただいた3軒の農家さんの出荷先の一つ「(株)肥後やまと」の紹介をさせてください🌱
(株)肥後やまとは、2016年に設立(2013年に「肥後やまと会」として発足)。原田さんが代表をされています。
立ち上げの目的は、有機農業の普及と新規就農者の育成・売り先の確保。
特に、新規就農者をサポートすることが一番の目的で、「有機農家になりたいと思った人が研修を受けて新規就農しても、売り先がなくて生活していけない、となってしまうんじゃ研修をした意味がない。有機農家が増えていかない。」と12名の方たちによって設立されたそうです。
有機農業の課題の一つとして、売り先の確保が難しいというのが挙げられますが、このように地域の人たちによって作られた販売の仕組みがあるのは素晴らしいなと思いました。
今日のまとめです!
今日は、私個人的には「山都町の知らないところ大発見!」な1日でした。
地元なのに、今日行ったところは初めての地区ばかりで、
場所によってこんなに景色が違うんだとか、畑のつくりも広さも違うんだとか、山都町のいろんな農地が見れて、とてもよかったです。
今日学んだことを、今後に生かしていきたいと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?