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企業が掲げる「価値観」は、答えではなく問いをくれるもの

どうも、ナンバーナインCOOのあらけんです。
前回の記事で、組織が大きくなると生じる問題について論じました。

本文中でカルチャーマッチ問題への対応策として価値観の活用を提案しました。

今回の記事では、具体的に価値観をどうやって活用したらいいのかについて書き進めます。

カルチャーマッチしない ≒「決める」ときの基準が揃わない

さて、カルチャーマッチと言っても粒度は様々です。

仕事へのスタンス、仕事の進め方、チャットでの文体、挙げればきりがありません。

ただ、その中でも一番問題になるのは何かを「決める」ときです。

・LPのデザインでGOを出すのか出さないのか
・コミティアに企業出展するときのブースの規模
・大きなお金をかけた販促の施策をやるのかやらないのか
・クライアントにどういうテンションで提案をするのか
などなど

大体において、何かを「決める」ときに意見が食い違うと仕事が進みません。

もちろん、最終的な決済者が決めた場合、そのまま進めれば問題はないはずです。

ただ、決める側のカルチャー通りに進めようとすると、決めるべき範囲を超えて細かく口を出したくなってしまいます。

一方で、箸の上げ下ろしまでいちいち決めることは現実的ではありません。

では、どうしたらよいのか?

僕は、その課題を解決するためのツールが「価値観」だと思っています。以下は、ナンバーナインにおけるMission / Vision / Valueです。

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細かく決めすぎるのも問題

往々にして、新人に任せた仕事があがってきたときには意見の食い違いが発生します。

上長としては、「この仕事のやり方は画面越しの笑顔につながらない。」「遊び心が一切感じられず無味乾燥になっている。」と感じてしまった場合、「この人とカルチャーが少しずれているのかな」と頭に浮かぶかもしれません。

そういったときに、新人を受け入れる側がやってしまいがちなのは、「ベタベスでないからこうして欲しい」と具体的に指示を出しすぎることです。

たとえば、「このデザインはここのフォントを◯◯にして、配置は左揃えで、色味は#XXXXにするようにデザイナーに修正依頼して欲しい」といった具合です。

もちろん、勤怠管理や稟議、経費精算など明確なルールについてはルールを守ってもらう必要はあると思うので、「こうして欲しい」と具体的に指示した方がよいと思います。

ただ、「こうして欲しい」と細かく決めすぎた結果、「自分で考えられない」部下が育ってしまいます。

そして、そういった人はカルチャーマッチしていないよねと言われることになってしまいます。

適切な手順を踏めばカルチャーマッチする可能性があった人が、カルチャーマッチしない人になってしまうのは双方にとって不幸です

もちろん、そもそもカルチャーマッチする余地がない場合は採用の失敗です。しかし、多くの場合は受け入れる側の対応次第で本当にカルチャーマッチするかどうかが決まってしまいます。

そういったことを防ぐために、「価値観」をツールとしてうまく使うことが重要です。

「価値観」の正しい活用方法

多くの人は「価値観」をある種の「答え」として使っています。

しかし、「これはベタベスでないからこうして欲しい」と細かく決めた瞬間に、指示を受けた側は自分なりのベタベスを持つことなく、上司の指示に従うようになってしまいます。

「これってベタベスだと思う?」「◯◯さん的に画面越しの笑顔になっている?」など質問の形で価値観をベースに質問することで、聞かれた本人は必ず考えます。ただ、考えたものが基準に達していない、何か違う場合は、前提条件の欠如、もしくは本人のスキルの欠如を疑うしかなく別の問題です。

前提条件は伝えることで解決できますが、根本的なスキルの欠如は教えるのに時間がかかります。

人から言われた価値観は、あくまで他人の価値観です。しかし、自分の中からでた価値観はその人の価値観に大きく影響を与えますし、質問→思考→アウトプットを繰り返すことで、ゆっくりと人は組織にカルチャーマッチしていくと思います。

「決める」よりもまず、「問う」

カルチャーマッチを意思決定の問題に置き換えつつ、具体的な解決策について論じてきました。

最後に言いたいのは、どんな組織であっても自分なりの価値観を押し付けるのではなく、問いかけることで相手に気がついてもらうのが一番効率が良いということです。

人間は、人から指示されるのが嫌いです。だからこそ、相手から言葉や考えを引き出すコミュニケーションこそが最もハッピーなはずです。強い組織には、「価値観をベースに問う」、そんな文化が根付いているのではないかと思います。

募集は下記の通りです!(下記にない募集もございますので詳しくはWantedlyの募集をご確認ください!)






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