なぜ丁寧に時間をかける人ほど、仕事ができないのか
なぜhogehogeほどfugafugaなのか、みたいなタイトルを付けるとクリック率が上がるっていう噂を聞きました。嫌いな人も多そう。私は嫌いです。
どうも私です。
例によってだいたい導入部分だけで言いたいことを言い切ってるのであとはおまけです。
導入
さて、この手の、「時間をかけても仕事のクオリティは上がらない」という話はよく聞く話です。例えば先日小迫さんも引用してたけど入社1年目の教科書という本では
原則② 50点で構わないから早く出せ
もちろん、100点を目指すのは素晴らしいことです。でもそのために1ヵ月をかけるのであれば、1週間で50点のものを出したほうがいい。50点の仕事に赤ペンを入れてもらい、アップグレードしていけばいいのです。
なんて事が書いてある。
(個人的にはこの本はいわゆる"ブラックっぽい"部分が強くて合わない人も多いと思ってるのであんまりおすすめはしてない。)
この手の、50点で良いからさっさと終わらせる、事には結構大きなメリットがいくつもあるので今日はそのあたりの話。ざっくり、下記のようなメリットがあります。
1.時間節約
2.時間あたりのコスパが良い
3.途中でレビューを入れることで仕事の質が上がる
4.早く出す事自体に付加価値がある
5.打席数が増えるので成長に繋がりやすい
ということでこのあたりを深堀りしていこうと思います。
①時間が節約できる
まず、新人の多くが勘違いしているのがこれ。ある程度年次を重ねてもここから抜け出せない人もいるのだけど。
基本的に、特に知的生産においては、仕事の質っていうのは時間をかけたからと言って上がるわけではない。むしろ時間をかければかけるほど逓減していく事が多い。どこかで質の限界が来て、あとはちまちま細かいパワポの色とかフォントくらいしか直せるものがなくなってきちゃう。そうなったらあとは時間かけるだけ無駄ですね。
そもそも時間と質はあまり関係がない、っていう事もよく言われている。
質の高いアウトプットを出す上で大切なのは、労働時間を短縮して、効率化を図ることだけではありません。むしろ、質の高い、「意味のある仕事」に取り組むことなんです。
そもそも意味ある仕事じゃなかったら、時間かけても意味のある仕事にはならないんですよね。100点満点の仕事をしてるつもりでも、実はどう頑張っても30点しかとれない仕事だったりする。
そういう仕事をこねくり回すことに意味はないので、ある程度質の限界、天井が見えてきたところでスパッとやめるだけで、次の仕事をする時間が生まれる。
とくに上の記事で小迫さんも言ってるけど、最初のうちは今やってる仕事の天井がわからないのでいつまでもこねくり回しちゃったりするので、ある程度時間を決めてスパッとやめるだけで時間が節約できるのです。
天井の低い仕事に長時間残業で取り掛かる、などは無駄の極みなので、スパッと切り上げる、という事をまずは覚えましょう。
②時間あたりのコスパが良い
さて、①で節約した時間を休憩にあてるでも良いですが、ここでもう一本別の仕事をすることにします。そうするとどうなるかというと、同じ時間で50点の仕事が2本生み出せるんですね。
2時間かけて60点の仕事をするくらいなら、1時間で50点の仕事を2本こなしたほうが生産性がぐっと高まる。これがスケールする際には重要。
基本的に仕事というのは長期戦で、天井無しの加算方式なのでとにかく本数をこなしたほうが基本的には信頼、成果は蓄積されていきます。
粗製乱造みたいな、そもそもこの状態でアウトプット出したら点数付くどころかマイナスだよ、っていうレベルはあるんだけど。マイナスにならない限りは、点数取れるレベルになったらどんどんアウトプットしていくほうが基本的には価値が高まります。
油断すると人が死ぬような仕事だったりするとマイナスになることが余裕であるんで、そこだけはご注意。
③途中でレビューを入れる事で仕事の質は上がる
それでも、80点を目指すべき大事な仕事というのは当然あります。そもそもなかなかマイナス状態から抜け出せない仕事とかもあるでしょう。
そういう仕事に対して有効なのが、他者の視点を入れること。他者の視点を入れることで、自分に気づかなかった視点、知恵が相乗され、一気に価値をブーストする効果があります。
特に人間、"ブレインストーミング"に代表されるように、一つのアイデアを複数人で敲くことで新しい視点やアイデア、うっかり忘れていた事項などが出てくるものです。
アウトプットを早く出せば出すほど、レビューを早めれば早めるほど、高い点数にまで達するまでの時間が短縮されます。
とは言っても中々レビューを言い出すタイミングというのは難しいもので、いつまでもこねくり回してしまう。ので、仕事に取り掛かる前にレビュータイミングを決め、レビュー時点までに最高のものを出す、というスタンスで仕事をするのがおすすめです。
こんなツイートもこないだ見かけた
④早く出すこと自体に付加価値がある
私が今までにもらったフィードバックの中で最も印象的なものに、「途中でもいいのでアウトプットを共有して欲しい、その方が安心できるから」というものがあります。
基本的に、早く出すこと自体はそれ自体に価値が付くケースが多いです。チームで一つのアウトプットを出すときなどは特にそうで、自分の仕事が誰かのボトルネックになっていることは思っている以上に多いものです。
結構、忙しくなるほどに「お願いされた仕事を忘れちゃう」事って多かったりするので、お願いする側も結構不安だったりするんですよね。早く途中段階でも良いのでアウトプットすることによって、仲間を安心させる効果があり信頼に繋がります。
他にも、アウトプットのイメージが見える事で周りが続きの仕事を早く着手できたり、全体の方向性を検討できたりなど、結構メリットは多いんですよね。
私は元がクライアント向き合いの分析屋で、大抵の分析業務を営業とかコンサルみたいなビジネス職の人と一緒に仕事することが多かったのだけれど。基本的には分析職ってどうしてもデータを弄る分、物理的に時間がかかっちゃうんですよね。なので、一つグラフが出るたびに共有する、みたいなことをしてました。
当時は社内にSlackもないし、内製SNSはビジネス職にあんまり浸透していないという状況だったので結構やりにくかった思い出。今だったらSlackも普及してて大分やりやすくなってるだろうなあ。
ということで話が横道に逸れましたが、早く出すことはそれ自体が周りにとって価値を生み出す、ということはありますし、逆に言うと遅くなればなるほど、他のスケジュールに影響があるのもまた然り。遅くなると仕事の価値自体が下がっていく。
品質に比べてスピード感というのは結構コントロールが効きやすいポイントだったりすはてなブログに投稿しました #はてなブログるので、あまり変にこだわりすぎずにまずはできるとこまでやって早く出す、ということをすると周囲の信頼をかなり得やすくなるでしょう。
⑤打席数が増えるので成長につながりやすい
打席数を増やせ、というのもよく語られる話。②時間あたりのコスパの話に加えて、シンプルに同じ時間で2本のしごとをする、というのは、成長のチャンスが2回訪れる、という意味でもある。
基本的に、一つのしごとを追求することによる学習効果を否定するものではないが、学習効率という意味でも2本の仕事をこなすほうが基本的には高い。仕事をこなす事が仕事の質につながる、という話は前回の記事でも書いたとおり。
仕事の数をこなす、というのは打席数を増やす、ということでもある。丁寧な素振りを1回する、というのはたまに数をこなしたあとで自らのフォームを見直すときなんかに価値が最大化されるんだけど、そうじゃない状態で丁寧にやっても何が駄目なのかを理解できる状態にならないんですよね。
ということで、まずは打席数が増えるのがとても大事で、打席数が増えれば嫌でも型が身についていくので、身についていくと同時に冒頭のカーブが急になっていく。カーブが急になると同じ点数をより短い時間で出せるようになるので更に打席数が増えていく・・・という好循環が生まれるわけですね。
逆に、1打席に時間をかけすぎるクセがついちゃうと、いつまで経っても打席数が増えない、という状況になっていくので、まずは打席数を増やす、質はあと、というのは意識すると、後々の効率がどんどんあがっていく、という効果が出てきます。
まとめ
ということで、もう一度冒頭に言った事を繰り返すと多少雑でもいいから早くアウトプットすることには
1.時間節約
2.時間あたりのコスパが良い
3.途中でレビューを入れることで仕事の質が上がる
4.早く出す事自体に付加価値がある
5.打席数が増えるので成長に繋がりやすい
みたいなメリットがあります。目の前の質も上がりやすいし、成長速度も上がるということでメリットばっかりなんですよね。
今日書きたかったことはそんな感じです。
また何かあればこちらに。
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