より一人一人が自分の声を聞ける社会へ
「300人のらんたん守募集中!」
らんたん亭概要
らんたん亭は足立区梅田にひっそりと佇む古民家風アートコミュニティーセンターです。
アートコミュニティーセンター??ってなりますよね。運営している私たちもらんたん亭を一言で言い表すのがとっても難しく試行錯誤の結果ここに辿り着きました。
らんたん亭でやっていることは「子供食堂」「居酒屋」「ワークショップ」「展示」等々多分野に横断的に事業を行っているため説明が難しいのです。
なんでそんないろいろやってるの?
きっと全文読んでいく内にそれらが全て繋がっていて必要なことだと気づくかと思います。
とても複雑がゆえに、すごく長くて硬くて読みにくい部分もあるかもしれませんが、ご容赦ください。
9月11日までクラファンに取り組んでいます!
もしよければらんたん亭のマンスリーサポーターにご参加をお願いします!
なんでらんたん亭を作ったの?(代表中島の体験談)
①学生時代の経験(作家活動と悩み多き友人たち)
自身の心に耳を澄ませる作家活動
中学生を卒業した頃、私はおじいちゃんからカメラを譲り受け、写真を始めました。
写真をはじめた当初は楽しくてなんでもカメラに納めていましたが、しばらくすると「何を撮りたいのか」「何を伝えたいのか」などを、深く考えるようになりました。初めて「自分とはなんなのか」「自分にとって写真とはなんなのか」と自分に問いかけ、悩む日々。その模索の中で、作品を撮り続けました。
そうして「自分とは何か」「何を感じどうしていきたいのか」と自分自身と向き合う中で、自分の心に飛び込んでくる光、風、音が以前より鮮明に捉えられるようになっていくことに気づきました。それは自身の体の変化、心の機微に鋭敏に反応し、世界を素の自分の心で捉え直す中で自身の感性の精度が上がっていったのだと思います。
悩み多き友人たち
写真を撮る一方、私はなぜか友人の相談を受けることが多く、その中には様々な心の病に苦しむ人もいました。そういった友人たちとの対話の中で、彼ら・彼女ら?なりのルールが、(彼ら・彼女ら)を縛りつけ苦しめていることがわかりました。そのルールは彼ら・彼女らの厳しい家庭環境などで生き抜くために必要だから身につけた力です。ただその枠の捉え方が、自分自身に合ってないと自分の心の声が聞こえなくなり、「しなければならない」「であるべきだ」という感情が先行し、なかば強制的に体を動かし、ある日、体も心も思うように動かなくなってしまいます。
体調を崩していった彼らは皆、何かしらの表現をかつてしていたことがありました。絵を描いたり、歌を歌ったり、詩を書いたり、そうやって自分の心の声を聞いて表現していたのが、いつの間にか社会や役割の中で忘れ去られ、体調をくずしていきました。
表現をしていた彼らが、「しなければならない」「であるべきだ」という社会や家庭からの圧力にある意味で順応し、適合すると、自分自身の声を聞き表現し、行動するという活動をやめてしまう。そうすると、いずれどこかで体や心を病んでしまうのではないか、と感じました。
そんな彼らと、写真活動で感性を磨きながら、心のありようのまま、多くの人と一対一の対話を行ってきました。対話で心掛けたことは、自分の心から出た言葉をなるべく丁寧に伝えること、自分から心を開いていくこと、相手の心の一番奥底を見つめることでした。
表面上の見繕った人間同士の対話ではなく、お互いが素の心で語らい、一言一言が自分の再発見であり、相手の「心」から初めて言葉にされた声が真っ直ぐに心に届く体験でした。
それは、相手と本当に心の奥底で繋がる、心に爽やかな風が吹き抜けるような幸せを感じる経験でした。
②生きていくだけでたまるモヤモヤとその対処法
心の声に基づき行動する中でさらに開く心
人との本当の繋がりへ
写真の作家活動で、作品と向き合うことで感じた「自分と向き合い、他者(他者の作品)と繋がる」感覚は、対話の中で感じた「自分と向き合い、他者と心通わせる」感覚と似たものがありました。
「自分と向き合うこと」「他者と繋がること」という点で、対話と芸術は似ている。両方とも「自分自身を知り、人と心通わせる力」があり、物事の本質を探求する手段として、とても似ていると感じます。
悩みながらも探求し、そのあり様を言葉にしたり、表現することで、他者と心を通わせることができる感覚があります。
家庭、会社などの組織に属すると「自分と向き合うこと」ができなくなってくることがあります。
「One for all, All for one」 「1人はみんなのために、みんなは1つの目的のために」とあるように、社会で働く時に、協調性、チームワークは大切です。しかし会社や組織の「1つの目的のために」、自分自身の声を持つことが不必要であると感じたり、外界からの圧力によって押し殺さなければいけないことが、多くはないでしょうか。
「自分と向き合うこと」ができていても、それを言葉にしたり、実行したり、表現する癖がないと自分の声は、どんどん殺されていきます。
だからこそ、「意識的に自分自身の心と向き合い、人と繋がること」が生きる上で必要なのではないか?と中島は考えました。
③らんたん亭の結成
「自分と向き合い、人とつながる対話の広場」
①②の体験から様々な環境により自分を殺してしまっている人たちがどうしていったら自分の心を蘇生し、自分に嘘をつかず生き抜いていけるかを考えました。それには、対話・表現を通して「自分と向き合うこと」「人と繋がること」が一つの道筋になると考えています。
「自分と向き合う事」
孤独な探索であり、新たな自分の一面を知る怖さもあるかと思います。
しかし、心の声に耳を傾け生活する事で普段の生活に些細な違和感を感じたり、自然の雄大さや暖かさを真っ直ぐに感じたり、感性も高めることもできます。
「人と繋がること」
対話や作品を通して心の深いところで繋がる事は、カタルシス:「場に共感し、人、もの、作品に共感することで感じる心の浄化作用」の効果が得られ、心の安定、安心に繋がると考えられます。また相手の価値観を目の当たりにする事で自身の視野は広がります。
例えば、長く一つのコミュニティ(社会・家庭)に所属することで、自分と向き合ったり、ありのままの自分でいることが難しくなってしまう場合があると思います。
近年その重要性が見つめ直されているサードプレイスは、1932年にアメリカの社会学者レイ・オルデンバーグが最初に提唱したと言われており、家庭や職場などとは違う、居心地がよくリラックスできる場所やコミュニティのことを指します。
義務的に向かう場所ではなく、自発的に向かい、ありのままの自分で過ごせる場所や、人々に触れることで、自分を取り戻したり、人生に対する視野と選択肢を広げることができます。
らんたん亭は「自分と向き合うこと」「人と繋がること」が対話や芸術によって起こる場所を作ろうとの思いで「自分と向き合い、人と繋がる、対話の広場」をスローガンに掲げました。
「居場所」と「きっかけ」
らんたん亭は、自分を知り、人とつながる場所をつくる場作りの実践において、「居場所」と「きっかけ」という場を提供しています。
「居場所」
らんたん亭が実践する居場所の役割は2つあると考えています。
①生きにくい環境から逃げる心の憩いの場
心の声が聞こえない、窮屈で苦しい、このままだと生きていく意味が見出せないなど、苦しい環境の中からまずは逃げ出し少し休むことが必要だと考えています。環境から距離を置くことでまずは安心してゆっくり休むことができます。
②人と繋がり仲間を見つける場
様々な理由で集った人々と時間を共にする中で語り合い、支え合う仲間と出会うきっかけになるかもしれません。
「きっかけ」
心に余裕ができてくると自分のこと、周りのことが気になっていきます。
自分を再度見つめ直す力も少しずつ湧いてきます。
そんな時に表現や新たな価値観に触れる機会を「表現の場」「寺子屋」として用意しています。
①表現の場
自分と向き合うといっても過去を詮索するだけでなく新たな自分を発見することもとても重要です。展示や演技などを鑑賞する行為を通して自分の心が反応し語りかけてきます。それを受け止め感じる中でそれは鑑賞者自身も一緒になって何かを作り出している行為と同じように表現することにつながります。
らんたん亭は、ただ鑑賞するだけでなく古民家のような空間、実家のような雰囲気の力も相まって鑑賞者同士、作家との語らいが頻繁に起きています。同じものを鑑賞し感動したという気持ちが人を結びつけ繋げています。
②寺子屋
創作を自分でしてみることもとても大切です。心に溜まった言葉にできない想いを声にし、詩にし、形にする行為は自分ではまだ認識できていなかった感覚が視覚化でき作品として残ります。作品は人の目に触れ他人に新たな気持ちを想起させてくれます。時に塞ぎ込んでいた心の言葉は作品という媒体を通して多くの人の心に届き感動を呼び起こします。それは孤立した個人と社会を繋ぐ接点にもなり得ます。
その結果どうなるの?
「自分と向き合い、人と繋がる、対話の広場」をスローガンに掲げ、設立から今日まで、多くの中高生以上の方々に、らんたん亭なりの「居場所」と「きっかけ」を体験してもらいました。
2022年に改定された学校学習指導要領では、以下のように述べられています。
「探究の見方・考え方を働かせ,横断的・総合的な学習を行うことを通して,自己の在り方生き方を考えながら,よりよく課題を発見し解決していくための資質・能力を次のとおり育成することを目指す。」(高等学校学習指導要領の改訂より)
らんたん亭の芸術と対話を通した「より深い学び」は、一昨年に指導要領に新たに組み込まれた「探求」に近いものがあると感じています。それはいわゆる社会のありとあらゆる問題にさまざまな角度から立ち向かうことができるリベラルアーツの学びです。答えのない問いに、妥協せず探求した経験は、彼らがこれからの社会を生き抜くための力作りの土台になるはずです。
近代の目まぐるしくあらゆる価値が変化しつづけてゆく社会にあって、「自分とは何なのか」「自身はどう感じるのか」「人間にとってどうなのか」と問い続け行動する中で、変化の激しい社会による価値転倒に振り回されない確固たる価値観や知恵を身につけ、荒れ狂う社会の中でも動じずに行動できるのではないでしょうか。
そしてそれは、らんたん亭の目指す社会像、「社会のための人間」から「人間のための社会」への大きな転換の力になると確信しています。
らんたん亭の独自性
①中高生からハタチまでが来れる食堂
現在足立区の子供食堂は少なくとも26団体あります。
その対象は様々で、親子で来れる「親子食堂」や、地域の拠点として開いている食堂もあります。
全国こども食堂支援センター・むすびえによると、子ども食堂は全国で5000箇所となり、全国に2万校ある小学校数の4分の1、中学校数の2分の1に達しました。そのうち、0歳から100歳まで参加できるこども食堂が約80%、年間の延べ利用人数は760万人です。しばしば「食べられない子が行くところ」と誤解されていますが、ほとんどのこども食堂は、多世代が交流する地域の居場所として機能しております。
地域の居場所となりつつある子ども食堂に参加している子供は、小学生、中学生がほとんどと言われています。小中学生時代に、生活困窮や家庭内の問題を抱える家庭にアウトリーチできている一方で、中高生になってくると子供たちが食堂などに行きずらくなってしまう場合が多いのが現状です。
その理由として、思春期の彼らが、「親子で食べること」や「地域の人に自分が食べていることを見られてしまうこと」が、恥ずかしくなってしまうということがあるようです。実際に多くの子ども食堂運営者から、「小学生の時にはよく来てくれていたけど、中高生になるときてくれなくなった」という話もよく聞きます。
しかし、中高生になったからといって彼らの家庭環境が大きく変わることは稀で、家庭内の問題を持ちながら生きることは変わりません。
中高進学で学校環境の変化に対応できなかった子供達は学校でも家庭でも孤独な状態に陥ってしまう可能性があります。
なので、らんたん亭は年齢を絞ることで、中高生が臆することなく訪れやすい場作りに取り組んでいます。
また、らんたん亭のような、「中高生〜20歳対象」の食堂も、全国的にみてもかなり希少だと言えます。
②芸術や探求などの体験格差への取り組み
中高生が様々な体験活動をし将来への選択肢を広げるきっかけとして学校では学べないような専門性のあるワークショップの実施や、多種多様な作家による展示や舞台などの文化体験ができる企画を不定期で行っております。
現在集まっている子供達は、不思議なことに皆アーティストの卵たちで、歌い手、絵師、パティシエ、俳優と皆の将来がとても楽しみなメンバーばかりです。
心に溜まった言葉にできない想いを声にし、詩にし、形にする行為が、リベラルアーツ的な学びとして「自身と向き合い、探求する姿勢」を育てられると考えています。
③週に2-3回の「中高CAFE」の実施(居場所としての機能)
らんたん亭は中高生を対象とした子供食堂「中高生cafe」を行っています。週に2-3回の実施し、100円でお腹いっぱいご飯を食べることができ、それぞれの時間を過ごしています。
らんたん亭に繋がった子供達は他の団体からの紹介や、SNS経由、友達が友達を呼んできたりと、様々です。
多くの子供食堂が月に一回程度なのに対し、らんたん亭では、週に2-3回、月9回の実施をしています。なぜなら、食事支援、孤食支援だけでなく「居場所」を作ることに重要性を感じているからです。頻繁に子供達と交流を重ねる中でリラックスできるようになり、学校や年齢が異なる仲間やスタッフとの関係も密になります。そのなかで万が一苦しい時があった際はスタッフと相談できる、逃げてこられる場所として機能しはじめています。
いままでの実績について
2022年6月より中高生cafeの実施を開始し、早2年が経ちました。
中高生cafeの様子をテレビ東京「全力イノベーターズ」という番組にて特集していただいたのでそちらもよろしければご覧ください。
2024年4月からは、中高生cafeの開催日の拡充を行い、それまで月1度開催だった「中高生CAFE」を週に2-3回の開催を行うようになりました。子供達は自然に仲良くなり、一緒に作品を作り始めたり、「自分はほんとはこういうことが好きなんだ」とか、「実はこういうトラブルに巻き込まれていて・・・」というような、密なコミュニケーションが生まれ、彼らの日常の中にある「居場所」として機能しはじめています。子供から深刻な相談を受けた時は、先輩団体の方々に相談しながら様々な彼らの相談や要望に全力で耳を傾け、行動してきました。
深刻なケースであればあるほど、信頼関係がなければ伝えることができません。週2-3回への拡充し、みんなが安心できる日常的な「居場所」として開放したことは、非常に重要でした。
表現の場、寺子屋も様々な形で実施をし、子供達へ提供してきました。
ご寄付頂いたアップライトピアノ、アコースティックギターを使って練習する子たちもおり、自分自身と向き合いながら創作活動に励む姿が、日常的に見られる環境となっています。
来たばかりのころは、人とあまりコミュニケーションをとらず、自分の気持ちを言い出せなかった子も、らんたん亭に関わっていく中で、生き生きと自分の好きなことに取り組み始める子も出てきました。
らんたん亭が子供達の居場所として、気づきと探求のきっかけとして機能し始めていると、実感しています。
達成後のビジョン
らんたん亭は賃貸なので毎月の家賃、光熱費、インターネット等の必要経費に加えて、イベント講師の謝金、食材費等々…。維持って想像以上に難しくて今までは皆様からのご寄付や、レンタルスペース代では運営費の30%にも満たず、足りない分は、らんたん亭中島代表が負担(毎月約8〜10万)することで、何とか運営してこれました。
しかし、これでは代表の中島が倒れれば、らんたん亭を継続できないという大きなリスクを、らんたん亭は背負ってしまっている状態です。
長期的な目線から見ると、持続可能ならんたん亭の運営には皆様の応援が必要なのです。
ご寄付頂いたお金は、らんたん亭の子供食堂の食費だけでなく、維持費としても利用させて頂きたいと考えています!家賃、食事代、イベント講師費用、人件費など、、、。
ゆくゆくは、ボランティアで手伝ってくださっている方々にも少しづつお支払い出来たらと思っています。
2024年9月11日のらんたん亭3周年までに300名の方に500円継続寄付をして頂く事を目標にしていきます!総額月15万円!
らんたん亭は持続可能になり、中高生cafeの開催数が増え(理想は常時開放!)、より多くの「きっかけ」としてのイベントを開催することができるようになります!たくさんの子どもにらんたん亭の「居場所」と「きっかけ」を届けることができます!
また検討段階ではありますが、来年度はNPO法人化、子供達が家に帰りにくいケースの際に安く泊まることのできるゲストハウス兼簡易シェルターを作りたいと思っています。それにはらんたん亭の財政基盤の安定化が不可欠となります。
らんたん亭の目指す社会と、価値創造について
「社会のための人間」から「人間のための社会」へ
全ての子供が、歳をとるまで幸せに生き抜いて欲しい。
らんたん亭は、以上のことから「芸術と対話」「人との繋がり」というアプローチを通して、子供が大人になって、歳をとっていくまでの幸せな人生の土台を作っていきたいと考えています。
「芸術や対話のようなお金にならないスキルを身につけても意味がないのでは?」と思う人もいると思います。それも、正しい意見だと思います。
しかし、社会には「こうすれば必ず幸せになる」という公式は存在しません。さらに、終身雇用がくずれ、不安定で変化の目まぐるしい現代社会において、本当に「学校でできる勉強」、「今はお金になるスキル」だけが「幸せな人生」の最適解なのでしょうか。
変化の激しい現代社会で、「これが正しい」「これが常識」と断言できるものは、もはやなくなってしまいました。
そもそも「幸せな人生」だと感じられる人とはどんな人なのでしょうか。
多様な幸せが溢れる社会を見つめながら、らんたん亭として一つの答えを導き出しました。
それは「どんな状況でも自身の内発性を元に社会と調和しつつ自己実現ができる人間」ではないかという仮定です。
しかし、どんな状況でも自身の内発性を持って自己実現するというのは現代社会ではかなり難しいことだと思います。なぜなら自分の心とは相反することを強要する環境がほとんどだからです。その中にあって自己実現させるには物事を多角的に捉え知恵を絞るしかありません。一朝一夕で実現できることではないですが、そんな世界を実現できたらとロマンを抱き生き抜く人が増えることが、「社会のための人間」から「人間のための社会」への転換に繋がる一歩だと捉えています。
ここまで長文を読んでくださりありがとうございました。
9月11日までクラファンに取り組んでいます!
もしよければらんたん亭のマンスリーサポーターにご参加をお願いします!
今後も子供達と共にらんたん亭をより良い場所にしていけるよう邁進して参ります!
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