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新井の映画感想「ファンタスティックプラネット」

はじめに

怖い宇宙人。あるいは半魚人?
「ファンタスティックプラネット」のサムネイルを見たときの感想だ。
ヒレのような耳をつけた青い人形の生物の無機質な顔。
視聴後に調べたところ、カルト的人気を誇る超名作であったのだが、観るまではそうとは知らず、なんだかその不気味さに惹かれた。
加入しているU-NEXTで見られると気付き、およそ70分を一気に視聴した。

あらすじ

惑星イガムでは青い巨人、ドラーグ族が文明を持ち、星を支配していた。小さな人間(のように見える)オム族(以下、わかりやすくするために人間とする)は原始的な生活をしており、ドラーグ族からすれば小動物のような扱いで、子供たちが指で弾いて殺してしまったり、ペットとするような存在だった。
ある日、母を失った人間の赤子を、ドラーグ族の子どもティバが拾う。赤子はテールと名付けられ、育てられる。ペットとしての扱いであり、自由はなく、妙な服を着せられ、時に他のペット扱いの人間と戯れに殺し合いをさせられることもある。
それでもティバはテールを大切にしており、自分がヘッドホンで脳内に直接情報を送る勉強をするときはテールも一緒に学習させていた。

ドラーグ族の1年は人間にとっての15年に相当する。ティバが子どものまま日々学習しているうちに、テールはどんどん知識を蓄えていった。
そして青年と呼べる見た目になったテールは学習装置を持って逃げ出した。

テールは外の世界の野生の人間たちと出会う。原始人のような狩中心の生活をしていた彼らだったが、テールの持ち込んだ学習装置で知恵をつける。
ドラーグ族以外にも巨大な生き物はおり、それらからは逃げるしかなかった人間たちは知恵と武器を手にする。
人間の台頭に危機感を持ったドラーグ族が人間狩りを始めるが、テールを中心に一部のオム族がドラーグ族に叛旗を翻し、最後には自由を手にする。

感想

サブスクサービスで勧められたものだから、私はこの作品を観る前、観ている間、てっきり海外の新作アニメ映画だと思い込んでいた。
だからこそ、先の読める、よくあるストーリーだと思ってしまった。例えば『進撃の巨人』『GANTZ』など、大きな敵に征服される人間は他にも題材とされる。
ドラーグ族が人間はかつて文明を持っていた、と説明するくだりがあり、地球を征服した侵略者だったのか?『猿の惑星』に似ているなぁと思っていた。
巨人、奇妙な生物、植物の表現や絵のタッチも変わってはいるが、どこかで見たことのあるような雰囲気。

パクリか?何なのだこの映画は。

そう思って、調べてみると1973年(日本では1985年)公開の歴史的名作ではないか。
なるほど、どこかで見たことのあるストーリーや生物たちは、パクリとは真逆、この作品が他に与えた影響だったのだ。
しかし50年近く古い作品を違和感なく見られてしまうのだから、名作というものは恐れ入る。

SF好き、アニメ好き、名作を押さえたいという人にはオススメしたい映画だ。

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レペゼン群馬、新井将司。世界一になる日まで走り続けます。支えてくださる皆さんに感謝。