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志望動機とかないあなたへ

多分、この記事を見ている人は、志望動機を書くのに苦戦していたり、そもそもやりたいことが見つけられず企業選び自体に苦戦しているんじゃないかな、と思います。
かくいう私も学生時代は、特にやりたいことのない、とりあえず大学を卒業したら自分で稼いで生きていかなければならないから働こう、という程度にしか働くことにモチベーションがありませんでした。
今、この「採用担当」という仕事をしているのも偶然の連続が重なり、たまたまやりがいを見いだせた業務がこの仕事だったというだけで、今振り返って思い出せるいくつかの分岐点で別の道に進んでいたら、全く違う仕事をして、それにやりがいを見出したり、出せなくて日々消耗したりしていたのかなあ、と思います。

思えば、何かを始めるのにいつも大した理由がない人間でした。
長く続けた習い事も「親に薦められて長く続けてきたから」、最初の就職先に地元でなく東京を選んだのも「都会の方が楽しそうだから」
特に、地元にいたころ精力的に活動していたボランティアグループに入ったのも、「友達が入ってて、高校受験にあたり内申がよくなるって聞いたから」でした。
そんなボランティア(ボーイスカウト的なやつでした)もやるうちに、イベントを企画する楽しさや大勢を相手に司会進行する楽しさに目覚め、元々所属していた友達よりも精力的に活動しました。時には地元を飛び出し、同じようなグループの人たちが開催した交流会にも行きました。
その交流会で、「このグループに入った経緯や今のやりがいを話し合いましょう」というグループワークがあり、ありのまま入った理由を語ったことがあります。「内申がよくなるって聞いて。でも今はそんなこと関係なくのめりこんでます」と。そうしたら、他地域から参加していたそのワークの参加者に「私は内申とかじゃなく、地域に貢献したいと思って入りました」とマウントを取られました。おおう。

それがなんだか悔しくて、地元に戻ってから一層取り組みました。中学を卒業し、高校を卒業し、大学生になっても関わり続けました。

そして就職活動。特にやりたいことを見いだせず、ふらふらと就活をして、とある会社に入社し、新卒採用部門に配属になり、採用の仕事にやりがいを見出して今に至ります。考えてみるとあのボランティアで得たスキル(企画とか、物おじせず人前で話すだとか、いろいろ調整をつけるとか)を活かせている気がします。

そんな経緯で仕事をしているので、"立派な"志望動機が書けないとか、そもそもやりたいことがないという方の気持ちはよくわかりますし、正直、会社の選び方なんて「福利厚生」とか「フィーリング」とか「残業時間の少なさ」とか「家から近い」でも構わないと思っています。


でも志望動機が「家から近いからです」だけだと、採用担当としてやっぱ書類通すわけにいかないんですよ。


「勤務地が家から近い」ということしかこの会社のこと知らないのでは?いざ働いてみたら「なんか思ったのと違った」ってならないかな?そしたら早期退職になってしまわないかな?もし"うっかり"内定を出してしまったら、この方はミスマッチのせいでたった数か月そこらで会社辞めた人として履歴書に傷がついてしまう……、我々だってせっかく採用した人材が3か月で辞めるのは惜しい、こまる、ああ~せめて「~~な仕事をしてみたい」とか書いてくれてれば多少仕事のイメージがついてるだろうことは想像つくけどどうなんだろう?ほかにどんなところに惹かれてうちを選んでくれたのかな~~……
……と、結構頭を悩ませた後、「不合格」のボックスに履歴書を入れることになります。

志望動機が欲しい理由はここなんです。「どれだけうちの会社のことわかってくれてて、働くイメージがついてて、そのうえでうちでやっていけそう!とどの程度思ってくれているのか」、ここをはかりたいのです。

きっかけはなんでもいいんです。些細なことでもいい。本当に何でもいい。ただ、せっかくほんの僅かでも興味を持ったなら、その会社のことをいっぱい調べて、働くイメージをつけてほしい。そうしたらおのずと、志望動機のネタは出てくると思います。