第一回 勉強報告&経済動向(新生銀行TOBについて)

勉強報告

 今回が初めての報告ということで、簡単に形式を説明しながらの報告とさせていただきますのだ
1.今週やった勉強量(ここでは、月曜日から日曜日にかけてやった勉強の内容を報告させていただきますのだ)
2019年大原短答式直対答練第1回~第3回(財務会計論、管理会計論)
大原 COMPASS Ⅲ~Vレク問題集(財務会計論)
大原 COMPASS Ⅱレク問題集(管理会計論)
TAC 一問一答1番~520番(企業法)

2.今週の良かった点と反省点(今週一週間でやったところの気づき、反省点と次週にどう生かすかをここに書いていきますのだ)
・管理会計論の「基準」の覚えにまだ問題があるということが判明
 →「基準」の改めての読み込み直し、Ⅲレク・一問一答を用いての総復習
・監査論を学習することができなかった
 →次週は上級テキスト付録の読み込みを中心とした理解、論文式問題を用
    いた判断練習を行う
・財務会計論のCF(特に外貨周り)についてのミスが多い
 →今一度のテキスト読み込み&徹底的な反復演習
・管理会計論におけるミスの減少
 →引き続きの演習の強化、足し忘れ&引き忘れなどの今一度の確認をする
・財務会計論の連結における未実現利益・税効果会計の計算強化完成
 →忘却防止のための演習を少なくとも一週間に一度行い知識強化をする

新生銀行TOBについて

 9月上旬にSBIホールディングスが突如発表した新生銀行株に対してのTOBは、未だに市場に大きな影響を与えているのだ。そこでどのような状況に今、新生銀行が立たされているのか、子会社化がなされた場合どのような影響があるのかなどを、アライさんなりに考えてみたのだ。


1.今回のTOBはどのような内容なのだ?
 そもそも今回はSBIの意に沿わない新生銀行の経営体制に対して主導権を握り、SBIのサービスとの相乗効果を狙ったものだと考えられているのだ。加えてかつてよりSBIの北尾社長は「第四のメガバンク構想」を掲げており、この実現に向けた布石として第一に新生銀行の買収を行おうとしていると思われるのだ。
 以前よりSBIホールディングスは新生銀行株を22%余り保有している状態だったけど、これを48%あまりまで引き上げるのが今回の狙いなのだ。もし50%以上の株式を握った場合、親会社は子会社の銀行の経営が悪化したときに金融庁長官から「救済しろ」と命令されればこれに従わなければならないという規制があるのだ。加えて親会社の業務規制があるため、これを回避するために過半数は取らず、取締役の送り込みによって実質基準による子会社化を狙っているのだ。

2.そもそも子会社とはどのような状態で成立するのだ?
 子会社は親会社となる会社が子会社となる会社の株式を親会社単独、もしくは関連する人物(代表取締役の家族や取締役個人名義)や団体(すでに子会社となっている会社)を合わせて50%以上保有しているときになるのだ。
 また、仮に50%に達していなかったとしても、子会社となるであろう企業に親会社の人間が取締役として入り込んでいるなど、実質的に親会社の影響を強く受けているとされるときも子会社として認定されるのだ(かつてダイエーやそごうなどはこれによって巨額の負債を計上しない状態であったためにこの「実質基準」が作られた)。

3.SBIによる子会社化の影響について知りたいのだ
ー子会社になることによってどのようなことが考えられるのだ?
 以前より新生銀行はマネックス証券との取引を重視しており、SBIとの取引をおろそかにしてきたのだ。こういったことに対してSBIは反発していたことから、今後はSBIホールディングス傘下のSBI証券との取引重視姿勢への転換、住信SBIネット銀行のノウハウを用いての店舗数削減&インターネットバンク重視姿勢を打ち出す可能性は否定できないのだ。
 また、2021年6月における株主総会においては工藤代表取締役社長含めた複数の取締役選任案に対してSBI側代理人は反対票を投じているのだ。こうしたことから、SBIの子会社となった場合、SBIに都合の良い取締役の選任や工藤代表取締役社長の退陣を迫られることが予測されるのだ。

ー取締役の交代は本当に可能なのだ?
 かねてより、SBIは株主にバンク・オブ・ニューヨーク・メロンやJPモルガンチェースなどの外資系金融機関がいるのだ。そうした外資系金融機関に選ばれるためには効率的かつ現実的な経営を行わなければならないため、SBIの考えていることはかなり外資系金融機関のそれに近いものだと思うのだ。
 このことからSBIが48%の株式を握った場合、残りの非支配株主となっている外資系ファンドの中から賛同するところは出てくると思われるのだ。これによって、株主総会における普通決議(会社法第309条1項)を経てのSBI側取締役の選任は現実的であり、このまま手をこまねく状態が続けば、新生銀行はSBIの子会社としての条件を満たすことはほぼ確実だといえるのだ。

4.新生銀行側の対応策はどうなっているのだ?
 一応今のところは新生銀行は実質SBI側以外に新株予約権を与えるという方向で動いているのだ。そのうえで以下のことを考えてみるのだ。
ーSBIだけに対して新株予約権を与えないということは株主平等原則に反するのではないのだ?
 確かに会社法第247条では、株主が不利益を受ける恐れがある場合に新株予約権の発行を取りやめることを請求することができるとしているのだ。今回のこの事例についても、会社法第109条1項で定める株主平等原則を理由にSBI側が反発すると思われるのだ。
 しかしブルドックソース事件(最高裁平成19年8月7日第二小法廷判例)では、最終的に会社利益の帰属主体である株主自身による判断がされるべきところ、株主総会の手続きが適性を欠くものであること(急に明日開催しますとか抜かした株主通知を発したとか、そこら辺の定食屋でやったやつを株主総会としたとか)、判断の前提とされた事実が実際には存在しなかった、虚偽であったなどの判断の正当性を失われるような重大な瑕疵が存在しない限り、総会による株主の判断が尊重されるべきであるという見解を示しているのだ。
 このことから臨時株主総会を開いてのSBI側を狙い撃ちにしたポイズン・ピル条項付き新株予約権発行は認められるものと考えられるのだ。

ー新株予約権の行使に伴う株式はどのような形で交付されるのだ?
 現在新生銀行は4,875万9,832株の自己株式を保有している状態であり、この自己株式を渡すことによって新株予約権分の株式をSBI以外の株主に流すことが現実的なのではないかとアライさんは考えているのだ。本当に新規に株式発行を行い、新株予約権者に引き渡すことも想定されるものの、自己株式の価値の希薄化などの危険性があるため、自己株式を交付することが最適な道なのではないのかと思っているのだ。

ーポイズン・ピル以外の新生銀行側の対抗策はあり得るのだ?
 ないとは言い切れないものの、かなり難しいと思われるのだ。新生銀行は9月17日にSBI側に対してTOBの期間を10月25日から12月8日に延長することを要請したものの、SBI側はこれを時間稼ぎとして拒否したのだ。新生銀行側としてはホワイトナイト、白馬に乗った騎士がお姫様を助けるがごとく、友好的な企業(ソニー系列?)に株式保有比率を上げてもらうという戦略を立てようと考えていたのだろうけど、SBIがこのTOBの期間延長を一蹴したことによってこの戦略は破綻したと考えていいのだ。
 焦土作戦についても、実質的に日本政府の代理人となる株主が反対すると思われ、さらに日本国内におけるこの方法は特別背任罪(会社法第960条、懲役10年または1,000万円以下の罰金もしくは併科)に問われる可能性があるために現実的ではないのだ。
 また、上記のポイズン・ピル条項付新株予約権発行を見越して裁判所への仮処分決定申立の検討をSBI側が検討していることから、いち早く新生銀行はこのポイズン・ピルに頼るしか道はないと思われるのだ。

5.今後の展開について少し聞いてみたいのだ
ーSBIの買収が成功した場合はどうなるのだ?
 地銀の再編が加速するものとみられるのだ。
 現在地方銀行は、地方都市の人口減少などによってその環境がジリ貧的に悪化している状態なのだ。横浜銀行や北洋銀行などの巨大な一定の基盤を持つ銀行や、関西みらい銀行などの都市銀行がバックについている例を除いてこの傾向はかなり長期的に続くものと思われるのだ。
 そこでSBIのような証券会社系のファンドによる買収や、複数行の合併による広域地方銀行の誕生、さらに法改正によって利便性とサービスの多様化を図り、都市銀行と変わらないサービスの提供を行うことができるようにするという動きは大きくなると思われるのだ。
 ただ、これによって外資系金融機関(HSBCやシティバンクなど?)も参入できるようになるため、そういった面での利益追求による弊害が発生する可能性も否定はできないのだ。

ーSBIの買収が失敗した場合はどうなるのだ?
 新生銀行はさらなる変革を迫られることになるとみられるのだ。
 新生銀行は日本長期信用銀行における公的資金注入を経験しており、ほかの旧政府系金融機関と違っていまだにその巨額の公的資金を返済することが叶っていないのだ。そのため、企業価値の向上をこれからも日本政府やそのほか外資系ファンドから迫られることになると予想されるのだ。
 信販会社のアプラス、消費者金融のレイク、リース事業の昭和リースなどの子会社と連携してどこまでサービスを広げることができるか、また今までにも通帳の廃止などの手続き簡素化による利便性向上をしてきたけど、さらなる利便性とサービス向上ができるかなど、企業価値を高める戦略をとり続けなければならないのだ。もし、これができなければウォールストリート・ルール(変な戦略をとると株価が下がり、買収の危機にさらされる。そして買収されるとその経営者は「無能」の烙印を押されて経営から去る)による再度のTOB、そして子会社化の危機は免れないだろうと考えているのだ。

 ここまで読んでくださってありがとうございますなのだ! 次は9月26日に発信するのでお楽しみに待ってくださいなのだ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?