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Netflix「イカゲーム」に見るポストコロナ禍におけるグローカル戦略

Netflix史上最大のヒット作となった『イカゲーム』

この「イカゲーム」のすごいところは、韓国語によるドラマ、つまり英語ではないということ。

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https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN130U40T11C21A0000000/ より
非英語ドラマで1位は初。(3位の「Lupin/ルパン」はフランス語、7位の「ペーパー・ハウス」はスペイン語)。

グローバルというと英語が必須のように語られがちであるが、コンテンツという意味だとそれが必要条件ではなくなっているのが、とても興味深い。

グローバルからグローカルへ

グローバル(global)とローカル(local)をかけ合わせた造語である「グローカル」。

「国境を越えた地球規模の視野と、草の根の地域の視点で、さまざまな問題を捉えていこうとする考え方。グローカリズム」(大辞林より)という文脈で語られることが多いのだが、それが"日本"という中で語られるものではなく、"世界"を舞台にして語られるものではないか。

新世代ダンサーyurinasia(ユリナジア)は、彼女は福岡県・水巻町にある公民館を借りて、夫でダンサーのayumuguguと共にダンススクー「jABBKLAB」を運営。

「自分たちがいいと思うものを発信していれば、誰かが見つけてくれる」

いままでは「東京」に進出して、そこでレコード会社などのメディアの人に見つけてもらい、デビューする、といった漫画『NANA』的なサクセストーリーが鉄板であったが、

地元で家族大切にしながら頑張ってても
九州レペゼン出来てっていうのは 福岡でもできるんよ

と地元でYouTubeで発信して、東京をもちろん世界から仕事がくるようになったというのが、藤井風でありyurinasia(ユリナジア)の新しさだった。

地元=韓国の映画スタジオでは10年前には、これほどヒットするとは思われず、今回Netflixが2140万ドル(約24億円)の制作費(推定)で、世界的大ヒットとなった。

誰かが見つけてくれる、の誰がNetflixだったというわけである。

通勤時間は勤務時間か?

テレワークで「通勤時間」のない生活を経験することで、「通勤」への考え方にも変化が生じていると推察されます。

ポストコロナ禍において、通勤時間をどう捉えるのか、それぞれが考え始めていると思いました。通勤時間があったから、その合間に資格の勉強をして、キャリアアップしよう、のような企画を私も、雑誌編集時代に何度も作りました。

通勤電車の往復1時間から2時間というのは、何の時間なのか? 仕事をするわけでなく、仕事をする場所に向かう時間。

「東京」にいなければデビューできない、そんな芸能界デビューにも似た雰囲気があります。同じように「グローバル」で活躍するためには「英語」ができなければならない、も同様のこと。

それぞれが、スタート地点に立つために必要だったもののように思えます。大切なのは「中身」であり、いままで必要条件とされていた「オフィス」「東京」「英語」というものが、デジタル技術などの進歩により、「それほど重要ではないのでは」と、コロナ禍を経て顕在化されたのではないかと。

「手段」と「目的」、そして伝えたいことはなにか?

ポストコロナ禍におけるグローカル戦略といっても特別のことはないと思う。いままで「手段」ばかりが多く語られていたのを「目的」についてきちんと考え、それを愚直かつ戦略的に伝えるか。

「イカゲーム」の内容が、日本でいくつの作られてきたデスゲームのパクリのように語られている文章を見かける。あくまで"デスゲーム"という作品の形態は「手段」でしかない。

「英語」はあくまでも内容を伝える「手段」でしかないということが、「イカゲーム」の世界的大ヒットでもわかるとおもいます。

これからは、何を伝えたいのか、といった「目的」、そしてそれがきちんと伝わるのか、がより重要になるのではないかと。

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yurinasia(ユリナジア)を知っていますか?

https://note.com/arai0903/n/n08963435ef8b



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