スペインのガストロノミアは日本が発祥??
こんにちは、Mariaです!
今日は、地元のレストランで美味しかった料理を写真とともにご紹介します!
● 空前のクッキングブーム
結婚してきた頃、テレビで「Master Chef」という番組が始まりました。勝ち抜き料理合戦で、予選を勝ち抜いた職業様々な素人さん方がテーマに沿った料理を作って採点される、というルールでした。
それともう一つは、料理家さんが一人の素人さんを招きその人のためにだけ料理を作ってレシピを教え、その後、その人が自宅で同じ料理を作り家族に食べてもらう、という番組もありました。
中でも、私が毎日楽しみにしていたのは、
親子参加型料理合戦番組で、テーマの料理を、子供(と言ってもみんな成人した大人が多かったです)が料理をし、親がキッチンスタジオの外でその作り方を口述で伝える、というルール。
これが無茶苦茶面白いのは、子供たちが料理経験が薄く、野菜の名前さえ知らないぐらいの状態で、スペイン定番の煮込み料理だとかオーブン料理を作るのです。番組のタイトルが
おまえんちよりうちの母ちゃんの料理の方がうまいんだかんな!
みたいなw。
作り方の工程でもうありえないような失敗もあり、司会者の有名料理家もお腹かけて笑う場面も。
そして、それをジャッジするのがプロの料理評論家でした。コワモテの女性で、まあクスリともせず、冷静に感想を述べるのです。
そんな料理三昧な対決番組がわんさかあり、よほどスペイン人は料理が好きなのかと思ったら1年ほどでどの番組も姿を消し、今はMaster Chef だけ。
どうやら自分で作って楽しむブームは去ったようです。。。
● 食いしん坊の国が結合
当時カタルーニャに住んでおりまして、カタルーニャには何人かガストロノミアの天才が存在しておりました。
中でも、エル・ブジという料理店は、スペインガストロノミア(美食・伝統文化としての食の意) のさきがけ、と言われておりました。
エル・ブジは、日本の懐石料理を応用し通常の「前菜・メイン・デザート」に皿数を増やし、一品毎を懐石のように小さくまとめました。
腕に自信のあるシェフたちはこぞってエル・ブジに続き、食材の特徴を活かして実験的な調理法を編み出したり、ディナーに20皿近くのコースを出すレストランも出現しました。
このブームは日本料理発祥だとエル・ブジの料理長、アドリア氏がアナウンスすると、セレブたちは都市部の有名日本料理店にも通うようになり、日本食は寿司だけでなく、ヘルシーで目にも美味しい食の芸術、と評判になりました。
● 田舎町でも味わえるガストロノミア
ここからは、私が最近相棒といったお店2軒の、中でも気に入った料理をランダムにご紹介します。
・冷製スープ
これはサルモレホ、といいます。夏野菜を混ぜるガスパチョと比べると、トマトとニンニク、パン、オイル、酢、塩とシンプルな材料を攪拌して、茹で卵とハモンをトッピングする冷製スープです。
これは最近頂いたアーモンドミルクをベースにして、マスタードとオイル、ハモンとバジルの葉をトッピングした冷製スープです。
じつはスペインではお味噌汁のような、温かい汁物を頻繁に食べる習慣がないんです。でも食欲がない夏は冷製スープで栄養補給をします。
・前菜編
これは定番パスタ料理「カネロネス」です。鶏肉をミンチにしたものをラザーニャのような平たいパスタで巻いてベシャメルソースをかけてオーブンで焼きます。
この日は、甘くないビターチョコレートをかけてました。カネロネス大好きな相棒が食べてうーむ、と唸った一皿でした。
前菜にはメインより軽めの一皿を選べます。ランチでは限定5、6皿からひとつ選びます。
周囲を見ているとコースメニューを選んだテーブルでは個々オーダーしたものを食べています。食いしん坊の私たち夫婦は別々のものを選んでシェアします。
パタタブラバス、という揚げジャガイモに辛いチリソースとマヨネーズをかけたバル定番ピンチョスがあります。これがビールに合うんです!
スペイン人ってじつは猫舌で、辛すぎなもの好きじゃないんですが、夏はパタタブラバスとジョッキの生ビール(caña)を頼み、辛!と言いながら冷たいビール飲んでさらに舌が痺れるの繰り返しを楽しんでいますw。
このお店では茹でジャガイモに辛さ控えめのブラバスソースがかかってました。バルではお皿に山高くじゃがいもを盛って無造作ですが、ガストロノミアを目指すお店はこうやってお上品に飾りつけてます
・メイン お肉編
上段は鴨で、下段はビーフ、スペインではステーキというとTボーン辺りを焼くのが多いです。お肉はどれも骨の近くが美味しいw。もうちょこっとお値段プラスでラムなどもあります。
品揃えは日替わりやお店のポリシーがあるので、今日のおすすめを聞くと良いです。
我が家が住む街は山間で、魚はあまり新鮮じゃないんでオーダーは控えてますが、大抵はスズキや鯛、タラなど白身、サーモンや鱒のグリルがあります。
海鮮類はやはり、バスク、ガリシア地方がおすすめです。牡蠣やタコ、ウニなども楽しめますよ。
これは子牛頬肉の煮込みです。これが出てくるともうすぐ寒くなるんだなぁと思います。スペインの冬は煮込み系がメニューに増えてきます。
・デザート
料理が結構ガッツリなので、デザートはレモンシャーベット、という相棒を横目に、私はチョコやチーズ、りんごのケーキを食べます。なぜかというと、必ずケーキにはアイスも付いてお得だからですw。
スペインのレストランのデザートだとなぜかチーズケーキが必ずあります。日本でも流行ったバスクチーズケーキも、あれはもとはレストランのデザートメニューの一皿でした。
● スペインでのコースマナー
日本でバスチーが流行った時、火付け役の料理店には料理を頼まずチーズケーキだけ食べて帰る日本人観光客が増えたそう。
これについてはお店も承諾してるんでしょうけれど、ちょっとそれは反則かな、と個人的に思いました。
バルで料理が出るのは、お酒ばかりを飲んで体を壊す呑んべいたちに何か食べさせる目的があるのでお気に入りをチョイスでいいのですが、レストランは、もともと定食屋さんなので食事をしてこそなのです。
1皿目、2皿目、デザート、とセットでオーダーされるのが通常です。チーズケーキばかり注文が殺到すると、パティシエがいない家族経営のお店では料理人がケーキばかり焼いていることになります。
ケーキが焼ききれず、急かされることで味が落ちたり。以前、チーズケーキひとつでいつまで待たすのか、というクレームの書き込みを見たことがあります。でも、お店側としてはそういう理由があったのです。
また、スペインではコーヒーはデザートの後です。一緒には持ってきてはくれないのでご注意を。
食後には、消化を即す薬膳酒の類を勧められます。これは地域によってはサービスだったり、有料だったりするので、断っても大丈夫です。
この種類のお酒はスーパーでも売っているので、食べすぎた夜寝る前にホテルで一杯、というのもいいかもしれませんね。
私たちがよく行くレストランでは、昨年のクリスマスの週だけ、プレゼント、と言って一杯分を瓶詰めしてくれて持たせてくれました。
レストランは基本予約が必要です。お店のHPからも予約が可能ですので、旅行出発前にしておくと良いですよ。
ぜひ、スペインではバル巡りの他に、レストランでランチもお試しくださいね。
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