悪の手にかかるともうダメと思ってはいけない

新興宗教の巧みな勧誘で入信し金銭と考える脳をぶん取られている、という観点は、入信をせずに壁の外から彼らを見ているから故の意見かもしれません。

私の周囲にも宗教を信じるものはたくさんいて、それぞれの信仰の元に生活をし、教えに感謝し献金をしている人はたくさんいますが、彼らは納得して行っているわけで、それがたとえ私たちの倫理観から間違った教育をされていると感じても、簡単に抜け出ようとは思いません。

それが信仰の力だし、家族や友達には理解してもらえない自身の悩みへの拠り所であったりするわけです。

しかしこれは、趣味に大枚叩いて家族を顧みずに没頭する者と一緒で、ドーパミンが出る快感や気持ちがスーッとなる瞬間を味わったらそれが生きがいになるのと一緒だと考えれば、人が輪から外れる方法は必ずしも宗教の悪事だけとは言い切れないと思います。

ただ、大方規模運営が多いのにし収入源が一通りである宗教団体では、自動的に信者さんの献金が頼り。お金が絡めば家族は誰一人信じないし家庭不破が起こる。
家族ルールが壊され、子供たちはやりたいことがやれない、家計は火の車なのにお布施だ、と口座からどんどんお金を引き出す、いつも家族には不機嫌不満があり、教祖の素晴らしさを食卓で快活に喋る家族がいたら、やはり皆滅入るでしょうし、これはなんとかせねば、と思うことでしょう。

しかし、

壁の外、つまり家族が誰も悪徳商法にひっかからず、悪徳宗教に入信しておらずただテレビ報道だけの知識だけで新興宗教団体の行いを悪、と呼ぶのは乱暴な気がしますし、もう抜け出せない地獄のような表現は少し誇張しすぎだと思います。

安倍氏襲撃の山上容疑者の母親は、この事件については安倍氏のご家族にお悔やみは申すものの、宗教については語らず、脱会もしないと宣言しています。明らかに、彼女は今回の事件は宗教のせい、自分が入信し献金を積んで子供たちを不幸にしたなどとは考えてもいないのです。

山上容疑者の母親のように心酔し切って教会に身を捧げている人間の他には、教義に疑問を持ち、家族や弁護士の助けで脱会をした人々もいます。

しかし、報道などでは、この人たちが団体に捧げた献金を取り戻した、という事実は一つも流しません。そのために、殊更一旦入信したらもう抜け出せない、脱会しても泣き寝入り、のイメージがついて回ります。

これによって、宗教団体を嫌う人々や山上容疑者がさも旧統一教会の膿を出したと礼賛する人々を生むのです。

しかし、実際山上容疑者がしたことは殺人だけです。母親を改心させることもできず、旧統一教会が崩壊するきっかけすら作れません。

これで何を褒める要素があるというのでしょうか？

同時に、安倍晋三という人は、旧統一教会とズブズブだった、と吹聴している人がいます。果たしてそうなのだろうか？と疑問でした。すると、こういう情報を見つけました。

昭和43年消費者保護基本法という法律が制定されました。平成18年には法改正がなされ、消費者のさらなる保護項目、不当な勧誘による契約の取り消し、不当な契約の規定が追加されました。さらに平成30年にはこの消費者保護という項目に宗教団体からの強制的な献金も加わりました。さらに、消費者基本計画、というものがあり、消費者の保護、権利の尊重そして自立支援という消費者の基本理念を支える法律が存在します。

特に、平成30年の改正では、宗教団体の不当な取り立てには、不当と感じた時から5年、という時効の延長も決まっています。つまり、改心や脱会に時間がかかる宗教団体との訣別の後でも、献金の返金を求めることができ、個人交渉で承伏をしない団体において訴訟を起こすことができ、規定で取り締まることができるわけです。

現在、このような被害についてのホットラインがあるそうです。188、にダイヤルすると相談に乗ってもらえるのだそうです。

この消費者保護法に宗教団体の項を設けたのは、安倍元首相政権時です。もし安倍首相がご近所さんの旧統一教会とズブズブだったら、こんな法律に手を突っ込むはずがありませんよね。

私は、調べもしないのに政府は何もしない、国は助けてもくれない、と愚痴る国民は愚かだと思っています。私の母はそういう人でした。人を邪険にできず挙句騙されるのですが、対処法を調べない、私が調べて実行しようと持ちかけても世間体が、と言って泣き寝入りする人でした。

そのくせ、人は無慈悲だ、国は無能だ、法律は抜けめない人間の味方だ、家族は何も私を助けちゃくれない、と決めつけ私に当たったものです。

そんな通例は私の母だけではなかったのでしょう。安倍氏はこのような、外からは目立たない、マイノリティでも泣いている弱者の手助けをしようと法改正に尽力したのはこの法律ばかりではなさそうです。

もし、お悩みの方、そのご家族がいらっしゃったら、188、教えてあげてください。

なんだか最近は怒り混じり記事ばかりなのに、皆さん読みに来てくださって本当にありがとうございます。

暑いですが、お体にお気をつけて。良い週末を！