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今日の科学 6月3日

1924年6月3日は、スウェーデンの神経科学者トルステン・ニルス・ウィーゼルが生まれた日です。彼はカナダ出身のデイビッド・ヒューベルと共に、大脳皮質の後頭葉にある視覚野がつくられるしくみや視覚のしくみの解明に貢献し、1981年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

私たち人間は、周囲の情報を目、耳などの感覚器官から得ています。視覚の感覚器官は目です。目の中に入ってきた光の情報を網膜で電気信号に変えて脳に送ります。ウィーゼルとヒューベルは、サルやネコを使った実験から、大脳皮質の視覚野の情報処理の方法を探りました。

その結果、視覚野では画像を見るように視覚情報をとらえているのではないことがわかってきました。視覚野では、横縞だけ反応する細胞、縦縞だけに反応する細胞、特定の色だけに反応する細胞などのように、細胞ごとに細胞ごとに視覚情報を分解してとらえていたのです。

この研究は弱視、斜視、白内障などの病気の治療に大きく貢献しただけでなく、大脳皮質の情報処理の研究にも大きく貢献しました。その功績により、1981年にウィーゼルとヒューベルへノーベル生理学・医学賞が贈られました。

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