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今日の科学 8月27日 化学者の下村脩が生まれた日

1928年8月27日は、化学者の下村脩が生まれた日。
彼はオワンクラゲから、「緑色蛍光たんぱく質(GFP)」を発見し、単離に成功しました。GFPは単に緑色に発光するだけでなく、GFP遺伝子を他の生物に組みこめば、特定のタンパク質を光らせることができるもので、生命科学分野の研究を大きく進めるきっかけをつくりました。

下村がGFPの研究を進めたのは、基礎科学的な興味からです。このときは特に応用などは考えていない状態でした。GFPが注目を集めたのは、下村の発見から10年以上経ってからです。アメリカのマーティン・チャルフィーがGFP遺伝子を他の生物に組みこみ、細胞内で特定のタンパク質だけを緑色に光らせることに成功しました。これで生物が生きた状態で特定のタンパク質が働く様子が観察できるようになったのです。

さらに、ロジャー・チェンがGFP遺伝子を改変して、黄色や赤色の蛍光を発する変異型GFPをつくりました。タンパク質ごとに光る色を変えることで、同じ細胞の中で働く複数のタンパク質を詳しく観察することができるようになりました。これらの功績によって、2008年に下村、チャルフィー、チャンの3人へノーベル化学賞が贈られました。

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