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私が開業した本当の理由

私は30歳で開業しました。
前職は5年間正社員として勤めていました。
なぜ、そんな私が前の会社を辞めて開業したか。

なんか崇高な理由とか、高い志があって、とか、「こんなことをしたいんだ!!!」っていうめちゃくちゃアツイ気持ちからとか、
はたまた「会社員なんてやってられッカァ」みたいな反抗心とか、「フリーで気ままにやっていきたいんだ♪」みたいな夢をみていたとか、
どれも私には当てはまりません。

一言でいえば「人生に絶望したから」

色々あって人生に絶望していました。
もう死のうと本気で思っていた。
そんな時、ある人のひとことで、「開業してみよう」となりました。

前の職場はとてつもなく良い会社だった

よく仕事を辞めるきっかけとして、会社がブラックだったとか、人間関係が辛かったとか、そういう理由があったりすると思います。

しかし私の前の職場はどホワイトといっていいぐらい超ホワイトで、上司もとても尊敬できる良い人で、こんなに良い会社はないと思ってました。

上司にも恵まれ、色々あって長らく休職していた時期にも何も言わずに見守ってくれたし、何かあったら助けてくれるし、有給はどんどん使ってっていうし、飲みに連れてってくれるし、自分の仕事終わってれば多少早めに帰ってもいいっていってくれるし、こんなに良い職場ないと思ってました。

もともと持病を抱えてギリギリのところでやっていた

私は18~19歳の頃からある持病を抱えていて、思うように動けない日が半分以上というかほとんど、ってかんじでわりと「生きてるだけで死にそう」な状態です。
出勤するだけで地獄。
これうまく伝わらないと思うんですけど、本当に起き上がることすらめちゃくちゃ頑張らないとできないっていう地獄な状態なんです。

そんな自分の状況があったせいで、正直前の会社は「生きていくためにいかに短時間でそれなりに稼げるか」を重要視して選んでいた。
元々はもう少し別分野の仕事をしたかったけれど、自分の体のことを考えるとこれしか選択肢がないと思っていた

ある時メンタルが崩壊した

ただ色々あって、体調を崩したり、患者さんの対応で辛いことが続いたりして、正直体調的にもメンタル的にもやられてしまった。
そんな中「この仕事をあと何十年も続けられるんだろうか」と考えていました。
50歳60歳になっても、その先も、年金なんかどうせほとんどもらえないんだろうし、この仕事をずっと先まで続けられるんだろうか。
それでも生きていくためには稼がなきゃいけないので、どうにか踏ん張っていましたが…
メンタルがやられていたある時、突然仕事中(施術中)に涙が止まらなくなってしまって、「あ、これもう無理だ」って思いました。

でもその時に思ったのは、

「こんなにいい会社他にないのに、ここでの仕事が無理になったらもう他ではやっていけないだろう」
「同じ資格を使っても、これ以上長時間や身体的負担のある仕事は無理だし、そうなるともう生きていくほど稼げないし=生きていけない=死ぬしかないな」

と思ってどんどん追い込まれていきました。(思考が狭い

もともと体調的にもかなりきつい中どうにかやっていた状態だったので、「ここでやっていけないんならもう他に生きていく手段はない」と思っていました。

患者さんのことを「患者さん」としてみれなくなってしまった

これは本当に言いづらいんですが。

もともと自分は共感性が高かったりするのもあってか、施術をするとエネルギーがごっそりもってかれるタイプなんです。
めっちゃひっぱられる。

そして、体と心がやられた結果、患者さんのことをきちんと「患者さん」としてみれなくなっていきました。
1日の件数的に限界だったのもあると思います。
言葉を選ばずにいえば「人」としてではなく「もの」として接してしまっているような状態。
これは許されることではないと思うし、気持ち的にも相当辛かったです。

なんのためにこの仕事をしているのか
自分にみられている患者さんは幸せなのか

色々と考えるようになり、このままじゃダメだと思いました。
きちんと「人として」接することができるように、まずは自分のメンタルを回復させて、自分が対応できるキャパの中で対応すべきだと思うようになりました。


「開業できるんでしょ?すればいいじゃん」といわれた

すごく軽く聞こえますが(笑)
もう死ぬしかないって、本当に思い悩んでいる時に話した人に
「開業できる資格持ってるんでしょ?それなら開業すればいいじゃん」といわれました。
なぜかその時まで「自分は開業できる」ということが頭からすっかり抜けていて(笑)、「あ、そっか」と思ったのを覚えています。

例えば自宅開業なら、動かなくて済む

もし自宅で開業したなら、起きたら5秒で仕事ができる。
めちゃくちゃ体調悪い中苦しみながら出勤しなくても、とりあえずは患者さんの方から来てもらえる
そうか、それなら施術時間以外体は休んでいられるし、どうにかなるかもしれない。
そう思って、それならどうにかできるかな…と思い、「死なないために」開業することにしました。

死ぬまでの猶予としての開業

とりあえずやってみて、ダメならその時死ねばいいから、それまで少しやってみよう。
という気持ちでやってみることにしました。

そんなかんじなので、「高い志」とか「叶えたい目標」みたいなものがあったわけじゃなかったんです。
そこがなんか申し訳なくて、あまり周りの人には本当の理由は言えませんでした。

ある時「夢」を見た

寝ている時に見る方の夢です。
まだ開業するなんて1ミリも思ってなかったとき。
自分の好きなものをたくさん置いて、自分の好きな空間で、"自分の治療院"で働いている夢でした。
その夢を見た時は、「別に開業なんてするわけじゃないし関係ないか」と思っていましたが、いざ開業すると決めた時にふとその夢を思い出して、あの時に見た部屋みたいにしたいな、と漠然と思ったのを覚えています。

思い立ったが吉日!

私はわりと思い立ったらすぐに動かないと気が済まないタイプで、「開業しよう」と決めたらすぐにコンセプトや内容などを考え、物件探しを始めました。
上司にもわりとすぐに報告し、「退職したいです」「ていうか退職できないんなら休職するしかないですもう持たん」「この会社は全然超好きなんですけど個人的にちょっともうマジで無理」みたいな話をした記憶があります。(さすがにここまでのノリではないけど結構腹割って話せる上司でした

実はこの少し前に、一度身体とメンタルが限界になったので「2週間くらい休ませてください」って申告してちょっと休みをもらった時期がありました。
ちょうど連休があったタイミングかなにかだったし、患者さんにはそこまで不思議がられずに他の同僚がフォローしてくれたりでどうにかまた復帰できたんですが、もしかしたら上司もそのあたりで「コイツそろそろやばい」って感じていたのかもしれない。

それで了承してもらえて、「実は開業を考えている」って言ったら、最初は状況も状況だったし「本当に大丈夫?」みたいな反応もありましたが、色々と相談に乗ってくれたりアドバイスもくれました。

でもそんな状況での開業だったので、ごくごく一部の同僚にしか開業のことは伝えていませんでした。
なんか恥ずかしくて。バカにされるんじゃないかと怖くて。
一部の先輩には「辞めたらどうすんの…?大丈夫…?次きまってるの?」ってめっちゃ心配されました。

構想から3か月で引っ越し、5か月で開業

6月に「開業しよう」と決意して退職を伝え、8月には後任にあたってくれる方さんが入社して全部の患者さんを引き継ぎ、9月に有給消化に入り引っ越し。
10月に開業届を提出、実際のオープンは予定より少し押して11月上旬となりました。
正直ここまで超特急でやるのもあんまりないとは思いますが(笑

オープンするまでに何度か心が折れかけましたが、そのたびに「今やらなかったらもう絶対一生やらないだろう」と思ってどうにかオープンまでたどり着きました。

困ったら相談できる人ができるという安心感

辞めるときに開業の件を伝えなかった方々が内心どう思ってるかはわからないですが(笑)、今でも忘年会とかに声をかけてもらえたり、元上司や元同僚とは時々飲みに行ったり連絡とったりもしていて、本当に人に恵まれたなと改めて感じています。
自分よりも少し前に遠方で開業した先輩がいて、その方にもいろんな相談をさせてもらったり、情報交換させてもらったりととても助けていただいています。

自分はたまたまこういう相談できる人が周りにいてくれてありがたいんですが、中には「職場には辞めるギリギリまで言えないから職場の人には相談できない」とか「そもそも開業経験者が周りにいない」とか、あまり相談できる人が近くにいない方もいるのではないかと思います。
ただでさえ個人での開業ってめっちゃ心細いし不安だらけだし大変だと思います。

自分はたくさん周りの方に助けてもらったので、今度はこれからやる方や、困ったことがある方がいたら、気軽に相談に乗れる存在になれたらいいなと思っています。

なので、何か困ったことがある方はいつでもご相談くださいね!
できる範囲にはなりますが、ご協力できることがあれば嬉しいと思っています。

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