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生活インフラとしてのインターネット。

 仕事で疲れて帰ってきてお気に入りのYouTubeチャンネルを見る、AmazonPrimeで毎週更新されるオリジナル番組を楽しみにしているなど、少し前にネット動画がテレビに代替されるようになってから、住まいに固定回線があるというのは必須になったように思います。電気・水道・ガスのように止まると生活が止まるというほどではないかもしれませんが、ストレスは大きいはずですし、スマホで見ようとしても通信量が心配です。
 そこで、アクア技研アパートメントでは「インターネットは生活インフラである」として、なるべく安定的にネットが利用できるよう対策をとっています。今回は、その対策の紹介をしたいと思います。


対策1:厚めの回線

 まず、2021年3月の導入の際に各社から提案を受けたのですが、その提案よりも厚い回線導入をすることとしました。理由としては、将来的にネット利用量が増えていくことは間違いないと考えられたためです。
 各社の提案では、おおむね16世帯に1Gbpsの回線を1本引いて共有するというものでした。1Gbpsとは最大値なので仮に300Mbps(=0.3Gbps)出るとして世帯数の16で割ると、1世帯18.75Mbpsです。動画を高画質で見るには5〜10Mbpsで十分と言われているので、速度としては十分です。しかし、今後1世帯で使う動画視聴の端末数が増えていけば十分であるとは思えませんでした。
 そこで、16世帯に1Gbps1本ではなく、2本引くことにしました。結果として、以下のような構成となりました。クラーロは新築時から導入されている別会社のネット環境なので、ここでは割愛します。

ところが、速度遅延発生...

 厚めの回線で意気揚々とアクア技研アパートメントインターネットサービス(?)を提供開始したのですが、その後速度遅延トラブルが発生してしまいます。日中は居室内からの測定で100Mbps以上の速度が出ているのですが、夜になると1Mbps程度に落ち込んでしまう。動画は低画質になったり途中で止まったりで、提供したいと思っていた環境が全く提供できていませんでした。
 この時の原因はNTT回線にありました。NTT回線を一度解約し再契約したところ、つまり新規で引き直したところ速度は戻りました。

対策2:遠隔での速度測定

 回線遅延は停止と違って少し厄介です。通信が通っているかの確認は遠隔でできるようになっていましたが、遅延は通信自体は通っているので異常として検知されません。ですので、当時は現地で測るしかなかったのですが、夜間だと測定に駆けつけられる業者さんがいないとのことで...、結局アクア技研で構成等の仕様を確認し測定をしました。おかげで、構成や仕様には詳しくなりました。
 遅延問題の解決後、遠隔で速度測定をしています。遅延が発生しやすい夜間に、手動測定しかできないので2週間に一度という頻度で行っています。2週間に一度だと頻度としては低いかもしれませんが、遅くなりきる前に遅延傾向は察知できます。また、万が一遅延の問い合わせがあった場合には、遠隔で即座に現状把握ができるのでその後の対応スピードが格段に上がりました。
 また、空室のタイミングでアクア技研で夜間に居室内から速度測定をしています。参考として最近の測定結果を掲載します。2024年4月7日(日)20時頃に測定した結果です。

対策3:回線・機器の半二重化

 しかし、速度遅延問題が解決しても、また別のトラブルが起きました。ある時には共用部設備のルータの故障によるネット停止、またある時にはNTT回線のトラブルによるネット停止です。共用部のONU/ルータ/ハブはいわゆる電子機器なので、一定の頻度で故障が起きるのは想定されました。しかし、NTT側のトラブルが結構多い...。
 そこで、回線や機器の半二重化を対策として施すことにしました。具体的には、例えば下の図のようにラシェスタB系統でトラブルが発生した場合でも、正常なA系統に切り替えられるようにあらかじめケーブルを渡しておくという対策をしました。これで、業者さんが派遣され次第速やかに通信を復旧できることになります。

 一時的であっても1系統に2系統分を寄せるのは速度面で不安があるかもしれません。しかし、その点は問題ないことをテストによって確認しました。実は先ほど掲載したマデイラB101の測定結果は、片方の系統に寄せて計測した結果です。有線LANで235Mbps、無線WiFIで175Mbps出ているので十分な速度と言えます。
 2系統分を1系統にまとめても十分な速度が出るということは、当初の各社の提案通り、16世帯に1Gbps1回線でも十分であったということになります。300Mbpsを16世帯で割ると18.75Mbpsしか出ないというのは、あくまでも同時接続した場合の数字です。インターネットはみなさんほぼ常時使っていると思いますが、例えば動画視聴にしても常時通信しているわけではなく一定間隔でまとまったパケットを受信して、またまとめて受信してという形式をとっているはずです。つまり、動画は常時流れていても、通信は一定間隔おきに起きているということです。ですので、同時接続性を考慮すれば1系統で十分であったのかもしれません。
 しかしながら、今回このような半二重化の対策をとれたのは2系統を引いていたからであり、結果的に良いインターネット環境を提供することにつながりました。あくまでも結果論ですが...。

 トラブルが起きると入居者のみなさまにご不便がかかりますので、それは避けるべき事ですし起こってほしくないことです。ですが、そのトラブルに確実に対処し再発防止策を講じることで、トラブル前よりも頑強な仕様になっていきます。今後も安定的なネット環境を提供できるよう対応をしていきたいと思います。

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