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“急きょ”中止になってしまった花火大会の花火はどこへ・・・?

「自分たちの手で解体することも」花火師の想い

今年は、台風10号やゲリラ豪雨、南海トラフ地震臨時情報の影響で全国各地の花火大会が相次いで中止となりました。“急きょ”決まった花火大会の中止。準備していた花火は、どうなるの・・・?花火事業者に花火のその後を聞きました。

開催直前 ゲリラ豪雨で濡れてしまった花火

開催を断念せざるを得なかった花火大会の一つ、東京「足立の花火」。開始20分前に荒天のため中止となりました。
花火中止を告げると、会場には大粒の雨が降りはじめ、ほとんどの花火が濡れてしまったといいます。
準備にかかる経費、打ち上げにかかる経費は、全額負担となったそうです。

▼中止・延期になった花火大会(一例)
東京 足立の花火 74万人/1万3000発〈荒天のため(ゲリラ豪雨)〉
秋田 第72回 本荘川まつり花火大会  6万人/3000発〈大雨〉
山形 酒田の花火2024 1万2000人/1万発  〈大雨〉
静岡 焼津海上花火大会 20万人/5000発〈巨大地震注意〉 
神奈川 第38回 宮ヶ瀬ふるさとまつり 1万5000人/75発〈台風7号〉
和歌山 2024 南紀白浜花火フェスタ 7万2000人/2500発〈巨大地震注意〉
宮崎 小林市すき納涼花火大会 1万人/1500発〈巨大地震注意〉
群馬 くろほね夏まつり 3500人/1100発〈台風7号〉
埼玉 小江戸川越花火大会 2万人/6000発〈荒天のため(ゲリラ豪雨)〉
栃木 尊徳夏祭り大花火大会 5万人/1万発〈台風10号〉
高知 第20回しまんと市民祭 しまんと納涼花火 5万人/6000発〈台風10号〉

「巨大地震注意」の花火はリベンジ開催へ 台風では「持ち越す」自治体もあるそうです。

準備されていたのに、打ち上げることができなくなった「花火」はどうなるのでしょうか。
仮に、一度濡れた花火を再利用したとなると、花火が上空で開かず地上に落ちてくる危険があります。せっかく手塩にかけて作った花火ですし、非常にもったいないのですが、安全を最優先に考えると廃棄せざるを得ない状況です。

花火事業者
「花火を作るのはいくつかの工程を経て完成します。すべての工程は手作業になるので、花火への思い入れは少なからず有ります。

思い通りに開いた花火を見たお客様が喜んでいる姿を見られれば、達成感を最大限感じられる、花火師冥利に尽きる瞬間を味わえます。その瞬間のために、日々花火作りに邁進しております。やむなく解体することになった花火の解体作業は非常に危険を伴う作業となるので、余計なことは考えず、目の前にある花火玉を安全に解体できるように心がけながら作業しています。ただ、お客様に喜んでもらえるようにと作った花火が、夜空に咲くことが叶わず、自分の手で解体しなければならないときの心情はお察しいただければ幸いです」私たちが「楽しみにしてたのに!」と残念に思うのは、その時だけかもしれません。しかし、花火大会を運営している方、なにより1年かけて花火を作ってきた花火師さんたちはそれ以上に悔しい思いの中、撤収作業や処分を行っていることを心に留めておきたいです。

花火シーズンはそろそろ終わりを告げますが、ひとつでも多くの花火大会が無事に開催されることを切に願っています。

【公式】The絶景花火 Mt.Fuji 2025 ~世界花火博~ (the-zekkeihanabi.com)

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