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お薬のはなし

去年の5月、初診を受けてから、薬を服用している。
自分に合う薬を探すため、幾度となく薬を変えながら、現在まで片手では収まらない種類を飲んでいる。

睡眠薬、安定剤、抗うつ剤、その他もろもろ。
初めは飲むのが怖かった。
薬が増えれば増えるほど、日常が薬に犯され、自分が自分でなくなる気がした。
寝る、食べるといった基本的な行動ですら薬に頼るようになり、自我同一性が崩壊していく音が聞こえた。

夏休みが終わった頃、抗うつ剤の服用量が大幅に増加した。昼は眠気がひどく、ずっと寝たきり。夜になると焦燥感が抑えられなくなり、家を飛び出したり、川に飛び込んだり。散々な奇行に走ってしまったようだ。最後は倒れて入院してしまった。
記憶は飛んでいてほとんど無いものの、処方薬は人格さえ豹変させてしまうことを思い知った。

しかし、大変なのはここから。
なんと処方量ほぼ最大値の抗うつ剤を、一気にゼロまで減らされた。離脱症状は地獄だった。
インフルやコロナなど比較にならない。激しい頭痛と吐き気、目を開けるだけで刺すような光、僅かな音さえ頭を揺らし、経つことさえままならない。
翌日にはクリニックに連絡し、余っていた抗うつ剤の服用を認めてもらい、離脱症状は何とか治まっていった。
現在はクリニックを変え、また自分に合う薬を一から探している。

薬を飲んで気づいたこと。薬は己を救う道標になるが、当たり前だった日常を崩壊させる要因にもなりうる。

薬とどう向き合って暮らしていくべきか。これからも長い付き合いになりそうだ。

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