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【詩】巻雲は揺れて

かけた椅子から始まる歌
憎たらしいほど蒼い空

このまま空を飛べたなら
あの巻雲になれたなら

羽を広げた命の音
擦れる砂利の心地良さ

このまま虫になれたなら
仲間と光に混ざれたら
新緑の波に手をかざす
こっちへおいでと声がする

このまま風に吹かれたら
白紙の此の身を満たせたら

深い傷跡を拭うたび
明日の安堵を希う

このまま空を飛べたなら
あの巻雲になれたなら

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