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南の海のクムイウタ

まもなく、11才長男が好きなゲームが発売されます。先日、体験版が配信されるとのことで、長男がそわそわしていました。

「もう、明日が楽しみすぎて眠れない!」

言葉通り、電気を消してもベッドで足をバタバタして何度も寝返りをしています。

最近、寝る前にCoccoの『ウナイ』を歌っていたのですが、長男の気をゲームかららせるため、違う歌にしてみました。

落ち着いて静かにしてほしいので、とても小さい声でゆっくり歌います。

「なに、それ?」
「『もくまおう』っていう歌だよ。『ウナイ』と同じ人が、書いた曲」

四半世紀前に、修学旅行で一度だけ沖縄の海を見ました。あまり生きてなくてもいいかなと感じていた10代のころ、1秒で私に生きる力をくれた海です。

海無県うみなしけんで生まれ育ち、首都圏の海しかみたことがありませんでした。ここ数年も海をみる機会がありません。

Coccoを歌うと、四半世紀前のあの1秒が、私の中で再生されます。『もくまおう』の音楽は特に、透き通った海の南の風フェーヌカジを正面から感じます。

何度も何度も歌いたくなります。

小さく小さく歌っているのに、あの1秒がちゃんと再生されます。気持ちよく終わりのロングトーンをCoccoの旋律の通りに揺らしていたら、長男はすっかり眠っていました。

もともと寝付きのいい子なのですが、あの興奮状態からよく落ち着いたなとおもいます。

次は『ポロメリア』にしようかな。
はじめの歌詞は、えーと。



Coccoは沖縄のシンガーソングライター

クムイウタは沖縄の言葉で子守唄のことです
ウナイは、姉妹
もくまおうは、海岸砂地に生える背の高い樹木


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