ゲームと子どもたち
noteで文化祭が開催されていると聞いて、ずっと気になっていました。企画♯noteで文化祭ゲームコーナーに応募します。
ゲームが好きです。
子どものころ、ドラゴンクエストⅢで、自分の正体がわかったときに体感した、震えるような感動が根底にあります。
子どもたちにゲームを与えたのは、長女が小学生、長男幼稚園のころです。
年が7つ離れた姉弟です。とあるクリスマスに、繊細な姉と社交的な弟が、珍しく同じものに興味を持ちました。
任天堂DSと妖怪ウォッチです。
ゲームにもいろいろな問題があるとは、おもっていたので、それまで親から提供することはなかったし、たまたま長女も要求してきませんでした。
同じ家に居て、食事以外は別の生活をしているこの姉弟が、いっしょに無理なく遊べるかとおもい、ついにデビューの運びとなったのでした。
姉弟の交流が目的だったので、買ったのは1台だけ。まあまあ険悪になりながらも、ふたりはくっついて譲り合って遊びました。
妖怪の編成や攻略など、おしゃべりをすることも増えました。園児だった長男は、これでひらがなの理解が急速に進みました。
スプラトゥーン
ここ何年かスプラトゥーンをしています。9月に新作が出ました。
長女は高校生なので、受験勉強の息抜きに何回かやってみた程度です。小学生の長男はそこそこやっています。負けが続くと嫌になってやめます。
インクの出る武器を使って、陣取り合戦をするゲームです。
このゲーム、最初は、長女が中学生のときにサンタにお願いしました。彼女は短射程武器を持って敵陣に突っ込むだけなので、数ヶ月でペースが落ちて、それほど遊ばなくなりました。
長男はゲームにかなり振り回されました。与えるのが早すぎたとおもいます。やらせるべきではなかったです。
始めたばかりのころは小学校低学年。負けると、コントローラーを投げたりテーブルを叩いたりしたので、コラっと叱ることが多かったです。
遠慮なく大きな声を出すこと、乱暴な動きをすることを叱りました。そんな人とは、怖くていっしょに暮らせないからです。
4人対4人のオンライン対戦ゲームなので、自分ひとりがうまくても勝てないことがあるし、自分に落ち度がないとおもっても負けることがあります。
でも、現実の世界だって、今だって、おもうようになんていきません。志望校に落ちるかもしれない。会社でひどい目に遭うかもしれない。大切な人と会えなくなるかもしれない。
理不尽なんて、普通です。
長男が生まれたのは2011年。あの大震災の年。現実は理不尽です。
理不尽に遭うたびに家の中であばれて、物を壊して、身内を怖がらせていたら、確実に幸福から遠ざかります。
とはいえ、10才にもならない子に、無理をさせました。ゲームを没収するまでもなく、怒って拗ねて自らやらなくなります。
ゲームするたび泣くほど悔しくて、気持ちのまま行動したら怒られて、半年以上、スプラトゥーンに触らない時期もありました。
そのまま永久にやめればいいのに、『1回負けたら別のゲームをする』とか、『1回勝つまで遊ぶ』とか、何やらマイルールを用意して、手を出します。
最近は、少し落ち着いてきた感じがします。11才になりました。
それでもときどき、大声を上げたり、口汚く人を罵ったりするので、折を見て注意しています。
大きな声は怖い。
乱暴な言動も怖い。
だれかと暮らしたいのなら、何があってもそれはやってはいけない。
得意と不得意を知る
スプラトゥーンに、ハイドラントという、極端な性能の武器があります。遠距離からの攻撃が得意で近接戦は苦手です。
長男は、戦場を広く見るこの武器の扱いが上手です。場面の有利と不利を判断して、意外と戦略的な立ち回りをします。
勝つために、いろいろ考えています。
眼の前のことを処理して楽しむだけの私や長女とは、別のゲームをしているようです。
ハイドラントを扱うように、自分のことも得意と不得意をよく知って、立ち位置を選んでね。
ゲームの勝ち筋を考えるその真剣さで、自分の人生のことを考えて大事に生きてほしい。
ブチ切れて泣くことがなくなって、話ができるようになりました。
しかし。
彼の性格とスプラトゥーンは相性が悪かったです。シンプルにアクションゲームとして楽しめない。勝ちへの執着。負けのときの周囲が引くほどの悔しい気持ち。
与えるのも早すぎです。
悪いことをしました。