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第1回 川野操作さん(メンタルコーチ)『愛するということ(エーリッヒ・フロム)』

街ですれちがったあの人、自分とまったく違う仕事をしているあの人、バーや喫茶店で隣に座ったこの人…みんなはどんな本を読み、どんな本に影響されているのだろう?そんな単純な興味から始まった本企画。

市井に生きる、さまざまな人におすすめ本を紹介してもらいます。

今回、本を紹介してくれるのは?


記念すべき第1回目は、BeYourself 合同会社代表社員の川野操作(かわのあやなり)さんです。人の問題に悩んだことがきっかけでアドラー心理学やコーチングを学び起業、現在はメンタルコーチとして、コーチング塾の主催や自立型組織作りのコンサルティングをされています。その一方で、里山再生も実践されているというバイタリティの持ち主。

毎日必ず読書の時間を作る川野さんは、根っからの紙派
川野さんにとって本とは、時空を超えて過去の素晴らしい人たちと対話ができる「最高の友達」なのだそう。確かに本(特に昔の本)はその当時の時代背景や物の考え方の常識が現代と違うことを知れたり、「昔からこの手の悩みはあったんだな」と思わせてくれたりします。本を通して”あらゆる時代の人と対話する”という考え方が、コーチングで様々な人との対話を生業とされている川野さんらしくて面白いですね。


川野さんのベストセレクション

人生で一番最初に触れた本、またはハマった本

十五少年漂流記(ジューヌ・ヴェルヌ著)

19世紀フランスの小説家、ジューヌ・ヴェルヌによって書かれた冒険小説の金字塔。当時イギリスの植民地であったニュージーランドを舞台に、8歳~14歳の少年たち15人が孤島に漂着し2年間サバイバルする物語です。

川野さんの人生を変えた一冊

愛するということ(エーリッヒ・フロム著)

20世紀の精神分析学者フロムの考える愛について。愛は技術であり、学ぶことができるとするフロムは、本書において現実社会の中でより幸福に生きるための最高の技術が愛だと語っています。

川野さんが最初に本書に触れたのは20代の頃。
「20代当時、どういうタイミングで読んだのかは覚えていませんが、当時はそれほど心に響きませんでした。その後、コーチになって多くの人間関係の問題に触れ、また自分の生き方を深く見つめるようになってから、再び手に取りました」(川野さん)
本書を読む中で、愛についての考え方が根本から変わったそうです。愛について、これからの生き方について、自分のあり方から考えるようになったきっかけの1冊ということで、人生を変えた一冊に挙げられています。

墓場まで持っていきたい!宝物の3冊

荘子(荘子 著)

言わずと知れた中国・戦国時代の大思想家、荘子(荘周)。彼の思想を、彼と弟子達によってまとめたのが書籍『荘子』。2000年以上前の思想でありながら、現在も読み継がれる本書は、まさに時空を超えた対話というにふさわしい一冊。
「『あるがままを受け入れる』という、究極の生き方のための教科書」(川野さん)

愛する:ティク・ナット・ハンの本物の愛を育むレッスン(ティク・ナット・ハン 著)

ベトナム出身の禅僧でマインドフルネスの普及に努めるティク・ナット・ハン。『気づきの奇跡』を筆頭に著書多数。本書では自分と世界の愛し方についてわかりやすく解説されている。
「すべてを肯定されて、傷んだ心を癒してくれる一冊です」(川野さん)

武将列伝(海音寺潮五郎)

古代から幕末までの名だたる武将の生きざまを列伝形式でシリーズ化した本作。
「人生を燃やし尽くした武将たちの生きざまに、勇気がもらえます」(川野さん)

本棚:オリジナル本棚をカスタマイズ

そんな川野さんの本棚は、オリジナル仕様のカスタマイズ本棚で、みのむし家具さんの特注品。仕事部屋の幅3.8m、高さ2.4mの壁一面、床から天井までみっしりと作り付けていて一覧性が抜群。下2段はA4判の少し大きめサイズの本、上の6段は新書や文庫本などが入るように細かな調整がされているのも、オリジナル本棚ならではの工夫です。

「今の自分のテーマを見える化しておきたい」という意図があるため、今自分が関心のある領域の書籍だけを本棚には入れるように心がけているそうです。

本棚に入りきらず、二度と手に取らないと判断した本は、子供たちに将来処分の負担を残さないためにも捨てているとのこと。

今の自分に必要なテーマだけを取捨選択してデトックスしているため、本棚がぎゅうぎゅうになってどこに何があるのかわからなくなることがなさそうです。

みのむし家具さんのFacebookより

下2段は背表紙が見やすいように少し傾斜を付けた棚板にしているというこだわりよう。本への愛がひしひしと伝わってきますね!

取材:井谷麻矢可(出版社アプレミディ)


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