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サウンドオブメタル見た人向けの感想

サウンドオブメタルを見たのでその感想と内容の考察をします。
かなりネタバレです。

あとヒロインを演じたオリヴィエ・クックのインスタが良いから見てほしい。

作品について

先日、吉祥寺の映画館でサウンドオブメタルを見ました。
誰もが指摘しているように素晴らしい映画でした。見てから知ったのですが、本作はなかなか評価されている映画のようで以下のような輝かしい肩書を持っているようです。

✨2021年度アカデミー賞 音響賞・編集賞受賞✨
✨2021年アカデミー賞 作品賞含む主要6部門ノミネート✨
✨世界映画賞163部門ノミネート、82部門受賞、2020年アカデミー賞2部門受賞✨

アマゾンプライムでいつでも見られるようなので、気になる方はぜひ見てみてください。(個人的には字幕版のほうがおすすめです)

この作品の素晴らしさ、特に音響面のこだわりについては多くの人が語っているので重ねて私が語る必要もないでしょう。
なので、ここでは設定についての考察をしてみようと思います。

ルーベンは麻薬依存症ではなくルー依存症

ルーベンは依存症です。
それも麻薬ではなく、ルーに対する依存です。
(下の画像の右がルーベン、左がルー)

ただの恋人ではなく依存症というのには理由があります。
見た人はわかると思いますが、作中でルーベンは4年前に麻薬依存症を克服したと語っています。そして同じく4年前からルーと関係を持ち始めたとも語ります。

これを聞いてまず考えるのは、
「ルーベンはルーと付き合い始めたことで依存症を克服できたのだ」ということではないでしょうか。

ただ、私の考えは少し違っています。
正確にはルーベンは「依存先が麻薬からルーに変わった」のだと思います。
依存症がなくなったのではなく、麻薬以外に依存できる相手を見つけたので麻薬に頼る必要がなくなっただけです。

そう考える理由はもちろんあります。
物語後半、ルーベンが耳のインプラント手術を終えて初めて施設に戻ったときのジョー(下の画像の人)との会話です

ジョー

ここでルーベンはジョーにお金を貸してほしいと頼み込むわけですが、ジョーは「話を聞く限り、依存症がぶり返したように見える」と言って金を貸すのを断ります。

「依存症がぶり返したように見える」
このセリフ、ちょっと違和感がなかったでしょうか。

言われてみれば確かにそんなふうにも見えますが、この作品において依存症の話はほぼ出てきません。
序盤の麻薬依存症の話を思い出して「ああ確かにそんな設定だったな」と思い出した人のほうが多いんじゃないでしょうか。

ではなぜここで依存症の話を持ち出したのか。
私の考えでは、実際にルーベンが依存症を再発していたからです。
もちろん麻薬依存症ではなく、ルー依存症の方です。

思い返せばルーベンは施設の仲間に隠れてインターネットでルーの情報を調べていました。まるで禁止されている酒や煙草を隠れて楽しむように。
このときから既にルーベンの依存症は少しずつぶり返してきていたのです。

ルーベンの今後

ルーベンの今後ですが、2通りのパターンがあり得ると思います。

<パターン①>
ルーベンは麻薬依存症を再発しどん底の人生を送る
<パターン②>
ルーベンはジョーの教えである「静かな時間」を思い出すことで依存症を克服し苦労しながらもなんとか真っ当に生きていく

ポイントはやはり依存症です。
ルーを失ったことでルーベンには依存先がなくなりました。

ルーを失った代わりに麻薬に頼るようになるのがパターン①。残酷ですが、私はこっちのほうが有力ではないかと思います。麻薬に頼ったが最後、金も判断力も失いルーベンの人生は転落していくことでしょう。

ルーを失った喪失感を乗り越えるのがパターン②。ポイントはジョーから教わった「静かな時間」に自分の居場所を見つけられるかどうかです。
ジョー自信もかつてはアルコール依存症でしたが、今では依存症を克服しています。そんな彼が見つけた答えにルーベンもたどり着けるかどうか。

続編は多分出ないので、想像することしかできないのが残念ですね。

ジョーを演じたポール・レイシーについて

最後に、映画とは関係ないですがジョーを演じたポール・レイシーがなかなかにワイルドな人で意外だったので画像を貼っておきます。


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