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唯一、心を晴れやかにしてくれる歌がある
ネガティブな私は歌を聞くと、その当時のグレーな感情を思い出すことが多い。
大好きで聞いていた曲も、だ。
たとえばOfficial髭男dismの『Subtitle』。 初めて聞いたのはドラマ『Silent』のエンディングでだった。ワンフレーズ聞いた瞬間に、ブワァーと鳥肌が立ったあの瞬間は今でも覚えている。それから私は、毎晩寝る前に30分ぐらいリピート再生していた。
そのとき私はカナダにいた。ビザの期限が迫っていて、帰りたくない気持ちでいっぱいだった。だから『Subtitle』を聞くと、今でもこの気持ちが蘇り、胸がぎゅうっとなる。
ほかにも、学生時代の歌を聞くと「このときの私はまだ元気だったな」とか「この曲が流行っていたときのクラスは好きじゃなかったな」と思ったりする。
ネガティブに満ち溢れていて、今こうやって書いていても、自分が惨めになってくる(笑)。
でも、そんな私でも唯一、心がパッと晴れる歌がある。
それはSuperflyの『春はグラデーション』
これは私の住んでいる関西のラジオ局『FM802』で、昨年のこの時期によく流れていた。私はちょうどカナダから帰国して働きはじめたところ。
もっとカナダにいたかった。
カナダじゃなくても、海外でもっと過ごしたかった。
今から働く場所はどんなところだろう。
うまくやっていけるかな。
友人の多くは私がカナダにいる間に結婚して、母にもなってる人も多い。
私、これからどうしよう。
そんな気持ちでいっぱいだった。こんな感じでネガティブな感情ばかりを抱いていたにもかかわらず、今年の春、『春はグラデーション』を聞くと心が清々しくなったのだ。
油断しちゃうと泣きそう
同じこと感じてた
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昨日も今日も慣れない
社会人になったとて
ボタン押せば切り替わる そんな機能ないよね
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春は グラデーションで だんだん街も染めていくからさ
それでいい
心は(ほら)今(まだ) つぼみでも
泣いちゃう夜もalright
満開じゃない私たちなら これからさ
焦らず歩いていこう
私の入り混じった感情を肯定してくれている気がした。そして、きっと春はこんな気持ちの人がたくさんいるんだな、とホッとさせてくれた。
今年、この歌を聞いて心が晴れた理由はわからない。相変わらず、私のグラデーションの色味は変わっていない気がするから。でもきっと、その色味を受け入れて、この1年自分なりに前を向いて進んできたと思えたからだろう。
一色にする必要なんてない。
ポジティブな色が少なめでもいい。
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