ハタチノコロ はじめてのオセアニア(5)キングスキャニオン~エアーズロック

11/24 zzz・・・うーーん、5時前にアラームの音で目を覚ます。キャンプから戻るまで、バックパックをYHのラゲッジルームに預けておく。小さなリュックに1泊分に必要最小限のものを持って出かける。ブリスベンでベリンダにもらったワインもバスタオルの間にくるんで割れないように持って行く。スッピン&朝食抜きでとりあえず迎えに来たバスに乗る。既に3人ほど乗っている。YH以外のホテルで待っている参加者を拾いながら進む。車の中で1Dayコンタクトを入れようとしたが目にフィットしてくれない。表裏逆なのかな?ま、そのうちなじんでくるかな?てことで、エアーズロックへ向かうツアーはスタートした。まずはキングスキャニオンへ。バスは21人乗りで、運転手兼ガイドを務めるのはジョイという名のキュートなオーストラリア人女性。名前の通り明るく楽しい性格で、よくジョークでみんなを笑わせていた。赤土と岩ゴツゴツの大地の1本道を時速130キロの大胆な運転でかっ飛ばす。めちゃくちゃクール!音楽ガンガンかけながらドライブ。楽しいけど何せ5時起きだから眠くてしょうがない。景色もしばらく変わりそうにないし、少し眠った。しかし、起きてもまだ景色が変わらないw 赤土と低木。たまに車とすれ違うだけ。このあたりの砂漠地帯に生い茂っているのがデザートオークという低木である。オーストラリアの内陸に入ってから地面に這いつくばった草のようなものをよく見かけるけど、これはスピニフェックスというイネ科の植物らしい。最初はただ雑草のようにパラパラと生えているが、成長するとそれが繋がってドーナツ状になるという面白い生態を持っている。実物は見ていないけど、このスピニフェックスに寄生しているスピニフェックスアントというアリは、スピニフェックスの葉に砂粒をくっつけて移動用のトンネルを作るらしい・・何か虫オタクのようになってるが(動物奇想天外でやりそうなネタw)あと1つだけw よくお土産屋に売ってるポストカードに載っているハニーアントというアリ。このアリはおなかに金魚のらんちゅうのほっぺの袋みたいな水ぶくれがある。この中に何かの蜜が入っているからハニーアントという名前がついたことは容易に想像できるが、一体何の蜜なのか?それはマルガというアカシアの仲間の植物の樹液だった。枝にたくさんの茶色いコブができているのは、マルガの樹液を吸う他のアリが出した蜜が固まったもの。そしてなんとその蜜をハニーアントが舐めるという。何だかハニーアントはおいしいところを独り占めしてるみたいw しかしこのアリたちにも天敵がいる。モロクトカゲ(Thorny Devil)である。名前のとおり体がトゲトゲしていて口が鋭い。なるほど、外見がすごく怖そうw おっとヤバい、オタクトークはそろそろやめておこうw

5:30にピックアップされてから何も食べていない。途中のパーキングエリアで朝食。といっても、わずか15分の間に食べ物を買ったり、トイレに行ったりしなくてはならず、時間的にとても厳しい。そこで私はソーセージパイ、パウンドケーキ、アイスコーヒーを買った。海外でアイスコーヒーのチルドパックを見つけることは滅多になかったので、ちょっと感動。木のベンチとテーブルがある休憩所で食べようと思ったら、まあなんとハエの多いことw ウワサには聞いていたが、口を開けるなんて到底できないくらいハンパない。パンに近づくハエを追い払って、口に入らないように気を使い、ハエに気を取られていると髪が乱れ、その間にまたハエがパンに近づく→ハエを追う→髪が乱れる・・そんなことをしているうちにパンは半分くらいしか食べられなかった。パウンドケーキにいたっては、覆われていたラップを剥がす間もなく終わった。バスに戻り、残りのパイを食べた(最初からバスの中で食べればよかったじゃんw)窓の外を見るとやっぱり赤土と低木。でもラクダが風景の中に登場!これには結構驚き。キャメルファームに行くツアーというのもあるらしい。一度ラクダのコブに乗る体験もしてみたいものだ。バスの中は大いに盛り上がってきた。ここで自己紹介が始まる。いつこがめちゃくちゃビビってる。なぜってハローとサンキューしか言えないから。さてどうする?そこで私は考えた。自分の名前くらいは自分で言いなさいと。いつこが自分で話せたほうがいいけど、それには準備時間が足りない。あとは私がしゃべるからそれで勘弁してもらおう。前から順番にマイクが回ってくる。ドキドキ!みんなほとんどアメリカ、イギリス、カナダかオーストラリアの人なので、当たり前のようにスムーズにしゃべる。そんな中、私たちの他にもう1人日本人がいることを知る。彼女は今ワーホリでオーストラリアに滞在している。以前は美容師をしていたがキャリアに行き詰まり、このままでいいのかな?と感じて辞めて渡豪したらしい。名前はあやちゃん。私たちは早速打ち解けた。

キングスキャニオンに到着した。まだ9:30。ここはオーストラリア版グランドキャニオンみたいな所。大きな割れ目の間を小川が流れ、そこに滝ができている。ここを1.5時間くらいハイキングする。この暑さ(35℃くらい)では帽子と日焼け止めは必須。車のウィンドウを頼りに顔に日焼け止めを塗りまくる。まだらになっていないか心配だけど、そんなことは言ってられない。みんなが動き出したのでついて行かなくちゃ!バスには備え付けの水タンクがあるから、日射病や熱射病を避けるために、そこからペットボトルに水を補給して出かける。ペットボトルは1.5ℓの容量なので、それを持ち歩くのは結構重労働だ。私は普段からあまり水を飲まないタイプだが、いつこは大量の水が欠かせないらしい。遅れを取らないようにほぼ駆け足状態で登山者用の急な階段をどんどん登る。要所要所でジョイのガイドが入るけど、オージーって訛りがあったり早口だったりするので、ほとんど何を言ってるのかわからなかった。少なくとも集合場所と時間だけは聞き逃さないようにしよう。私がUTAH JAZZのキャップを被っていたら、リバプール出身の夫婦に「グランドキャニオンに行ったことがあるの?」と聞かれた。ユタといえばグランドキャニオンだからだと思うけど、それは全く関係なかったw 「ううん、これ日本で買ったのよ。」と言ったら、「あっ、そーなの?」ってw 彼女はチェルシーと言って、背が低くて目がクリクリしてかわいかった。旦那の方もとてもクールないでたち。肩に太陽のタトゥーが入っていて、もう片方の腕の周りにも一周入っていた。筋肉質でガタイがよく、髪形もイケてる坊主だった。チェルシーも背中にドラゴンのタトゥーが入っていて、とてもお似合いのカップル。1番上まで上がって大きな峡谷にたどり着き、座ってひと休み。崖っぷちに寝そべって峡谷の下を覗き込む。ひええええええ~~~、高い!!へっぴり腰で写真を撮った。ここから崖の下のハイキングコースに戻るため、急な木の階段をひたすら下りた。

ハイキングを終え、そろそろおなかがすいてきた。ここでキャンプ場に車を止めてお昼にする。ジョイが大きなコンテナに入った食材を持ってきた。みんなで手分けして食材や食器を分ける。どうやらサンドイッチを作るらしい。外人はサンドイッチ好きだねw コーン、ハム、チーズ、ツナ、キュウリ、レタスなどを順番に挟みながら移動していく。客観的に見ると結構笑える光景だw こういう時、日本人の感覚だとお客を先に並ばせて、みんなに行き渡ったら最後にガイドが食べるという感じだけど、ここでは違った。ジョイが真っ先にサンドイッチを作って一番に座って食べ始めた。私は最初何とも思っていなかったけど、いつこがそれに気づいた。どっちがいいとも悪いとも言えないけど、そういえばそうだなw 自分の食べ物のことくらいガイドがいちいち面倒を見なくてもいい気もするけど、万一足りなくて全員に行き渡らなかったら?なんて、日本人なら考えるのかも。こういうタイプのツアーが初めてのいつこはちょっと興奮気味。言葉は話せないけど、みんなとコミュニケーションをとろうと必死に頑張っていた。私はいつこのこういうところが大好き。みんなに話しかけるというか笑いかける姿がかわいい。食べたらもちろん後片付けもみんなでする。お皿を洗ったり、ゴミをまとめたり、それぞれが効率よく動く。韓国出身の男の子とロンドン出身のクレイグは率先して「僕がやるよ!」と言って始めた。食器洗いと食器拭きは女性の仕事みたいな常識は覆される。クレイグ!やってくれるのはいいけどちょっと待って!!あ・・泡ついてるよ!まだすすいでないじゃん!!って言う前に韓国の子が布巾で拭いているしw これだから欧米人式は困るww 泡は拭くものじゃない!私にやらせて!!と思ったけど、終わっちゃった。郷に入ったら郷に従えという言葉がわりと好きな性格のこの私でも、泡はちょっと無理w こんな食器で食べたら寿命が縮まりそうだw 一段落したジョイが「泳ぎたい人は泳いでもいいわ!」と言った。確か水着を持ってくれば泳げるとガイドには書いてあったけど・・峡谷の間の川とか滝をイメージしていたらとんでもない!ジョイが言ってるのは誰も掃除してなさそうな小さなきったないプールw ジョイが先頭切って入っていった。リバプールの夫妻、スイス人のガブリエラ、他にも何人か入った。そしてプールから上がってきたガブを見てびっくり!毛・・毛が・・しかも下の・・みんな処理しないのかなあ?もちろんワキも立派に蓄えてらっしゃる。そういえばあのテニスのマルチナ・ヒンギスもそうだった。スイス人てあれが普通なのかしら?束の間の水浴びを終え、エアーズロックのサンセットを見に行く。

車に乗って少し経つと雲行きが怪しくなって、ぽつぽつ雨が降り出した。こんな天気で大丈夫?エアーズロックのキャンプ場に泊まるのに、雨じゃテントも心配だ。車内で明日のサンライズとクライミングに備えての説明を受けた。ぎゃーーーー、稲妻!!!でもこんなシーンも貴重かも。よくエアーズロックの頭上がサンダーストームになっているお土産のハガキも売っているけど、これを間近で見れたわけだから。我々の心配をよそに、車を止める頃には雨が止んだ。ちょっぴり紫色に光るエアーズロックのサンセット。光の当たり具合、天候、季節によって様々に色を変えるエアーズロック、これまた良い。遠くにロックを入れて写真を撮った。外はもう暗い。雨が降ったせいもあるけど、少しひんやりしている。オーストラリアの内陸部は早朝や夜間と昼間の温度差が激しいのだ。この後はキャンプ場で夕食の支度になる。今日の夕飯はバーベキュー。でっかいオージービーフを鉄板で焼くのはあのリバプールのいかつい旦那。それに野菜、ウィンナー、ごはん(ピラフのようなもの)、そしてちゃんとベジタリアン用に海老バーガーのパティみたいなのもある。いつこはフライ返しで焼きたかったみたいで、旦那ともう1人のニュージーランド人に必死にアピールしていた。いつこが必死なのを見て、フライ返しを譲ってくれたようだ。私も調理シーンを写真に撮りたい!と思い、でっかい肉を指差してびっくりした目をして撮ったら大爆笑されたw テーブルの準備をしながらみんなでおしゃべり。寒すぎてもうおしゃれ度外視で、ウィンドブレーカー、スパッツ、その上にブルーと白の縞々の靴下の上に被せて履いていた。や、ヤバイw 寒いからよ、こんな格好してるのは!いつもこんなじゃないのよ!とみんなに言ったら笑っていたw 焼けたごはんをでっかい銀のボウルに入れて出す。何だか給食みたい。肉も山盛りでボウルのなかに入っているからコワいw さて、いただきます!瓶に入った黒い怪しげな液体をピラフみたいなごはんにかけまくるNZくん(肉を焼いていた彼)。実はそれは醤油で、「NO! Too much!」と言ったけど、「Too much?」と言ってどぼどぼかけている。おいおいしょっぱすぎるだろw 簡単なものばかりなのにおいしいのはやっぱりキャンプの面白いところ。みんなおなかがすいているから食べるのが早い!w 食べた後は明日のサンライズの作戦会議。なんと、3時起きである!マジか?もうソッコー寝ないと置いていかれる・・もしかしたら一生に一度のチャンスかもしれないし、そのためならがんばるよ!テントで寝袋を借りた。けっこうゴツい。しかもクサイw 汗臭いとかじゃなく、小学校の綱引きの綱みたいな埃っぽいニオイ。虫も入ってくるだろうし、このくらいゴツいのがちょうどいいのかも。寝床をセットしてシャワーに向かう。ぬかるんでるのでせっかく足がキレイになってもまた汚れそう・・まいっかw 戻るときはやはり一瞬にして泥だらけ。もー、こうなったらどうでもいいやw しかしもっと大変なのは、みな同じようなテントで自分のテントがわからないこと。こりゃやべーぞ!何度も同じところを回った末、やっと見つけた。早く寝ないといけないのに迷ってる場合じゃないよーw リュックに付けているミニ懐中電灯がこういうときに役立つ。長い一日だった~~。オヤスミナサイ☆


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