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視座を高めるためのトレーニング法

戦略コンサルタントのアップルです。

少し前に「視座が高いとはどういうことか?」と題した記事を書きました。

学生時代や前職では「視座」ということをほとんど意識したことがなかったのですが、戦略コンサルティングの仕事をしてしばらく経ってから視座を高くもつということがとても大事であると感じるようになりました。
そこで上記の記事で、
・視座が高いことは地頭の一つの要素であること
・視座が高いとは具体的にどういうことなのか
・視座が高いと何が良いのか?
といったことをまとめさせていただきました。

上記の記事をご覧いただくとなんとなくは視座を高くもつことの有用性がご理解いただけるのではないかと思いますが、次に気になるのは「では視座を上げるために具体的に何をすればよいのか?」というHowだと思います。

そこで今回のエントリーでは、アップルが普段意識していることも踏まえつつ、視座を上げるための大きく3つの手法をご紹介したいと思います。

1.視座の高い人が書いた本を読む

ビジネス書や経済書はたくさんありますが、著者の視座によってその内容は大きく変わってきます。そうした中であえて視座が高い人の本を読むことが、自身の視座を高めることにつながります。視座が高い人の本は、抽象的だったり難解だったりもしますが、あえてそういう本を手に取って読んでみるということです。

例えば、最近多く著作を出している山口周さん(元戦略コンサルタント)の本は総じて視座が高いように思います。経営共創基盤の冨山さんの本も視座が高くて格調高いものが多いです。あとは経営学者の本もオススメです(ミクロの事象を抽象化・理論化する研究をしているのでアウトプットの視座が高い)。個人的には(これも有名な方ですが)楠木健さんの著作は好きです。

これ以外にも視座が高い著者はたくさんいるでしょう。ポイントはそうした著者・著作をどうやって見つけるかでしょうか。一つのやり方は、ご自身の身の回りで「この人視座が高いな」と思う方が読んでいる本を聞いてみることです。「視座が高い人が読んでいる本は、視座が高い」という傾向があるので、視座が高いと感じる知人・同僚に推薦してもらうのはとても有効です。あとは丸善などの本屋にいって、目次や前書きだけでもざっと濫読することでしょうか。その本のエッセンスや掴みが前書きに書かれるため、視座の高い人が書いた本は前書きを読めばなんとなく「格調が高いな」と感じられるはずです。

2.視座が高い人と積極的に対話する

これが二つ目の方法です。周りにいる視座が高そうな人と積極的にコミュニケーションをとることで、自身の視座を徐々に上げていくというアプローチです。

先述の記事に書いたとおり、一般に組織における役職と視座とは相関します。したがって、社内外問わず、役職上位者(経営者等)と対話することは視座を上げるのに有効でしょう。若い人はそうした役職上位者と対話するのにおっくうかもしれませんが、少し勇気を出して対話してみると色々と新しい視点が得られるものと思います。

アップルのような戦略コンサルタントだと、クライアントの役職上位者から色々と学ぶことが多々あります。こちらがコンサルティングをする立場ではありますが、お客様から勉強させられることもあるのです。特に大企業の経営者は、(個人差はあれど)大組織を差配しているだけあって総じて視座が高く、そうした方々との対話からいろんな気づきや学びが得られます。

3.視座が高い人の立場に立って想像する

最後三つ目はイメージトレーニングです。視座が高い人の立場になり切ったときどんなことを考えるか?と想像してみるアプローチです。

まずは「自分の上司」といった身近なところから想像してみるのが良いでしょう。上司と自分の視座も結構ギャップがあったりします。「自分が今上司の立場だったら、何に一番関心を持つだろうか?」ということを徹底的に想像するだけで視座や一段上がります。実際、戦略ファームを例にとっても、役職によって考える視座は以下のとおり大きく異なります。

アナリスト/コンサルタントの視座
プロジェクトにおいて自身に与えられたパート(モジュール)に対してどうやって答えを出すか?何を調査してどう分析するか?

マネージャーの視座
プロジェクトの全体運営をどうするか?クライアントに対する期待値マネジメントをどうするか?メンバーの育成やモチベートをどうするか?

パートナーの視座
現行のプロジェクトはさておき、次にクライアントが向き合うべきイシューは何だろうか?それをどうやって次のプロジェクトに繋げていくか?ところで、クライアントが属する産業・業界は今後どう変わっていくだろうか?

自分の上司くらいの視座を想像できるようになった後は、さらにその上の上司の上司が考えることを想像してみたり、更には社外の視座が高そうな人(例えばトヨタの社長や総理大臣など)の立場に自分が立った時にどういうことを考えるかを考えてみたりすると、さらに視座を上げる訓練になると思います。


今回は以上です。
みなさまが視座を上げるとっかかりとして参考になれば幸いです!

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