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#10 毒親との関わり方 ~終わりの前に起きた奇跡~

神様に、必死に真剣に「出会いと青春の思い出をください」と願いを伝えたあの日から2週間。

その日私は、クラスの仲の良い男子と二人で、課題を製作する教室で作業をしていました。とはいっても、ほとんどしゃべってるんですが。笑

そこに、私のPHSが鳴りました。メールです。見ると、

「ナメックセイジン」というメッセージ。

はあ?何だこれ?

何せテレビが縛られてる家の女ですから(くわしくは4話目)、何のことやら分かりようもありません。

で、隣にいたクラスの男子に「ナメックセイジンって何?」と届いたメールを見せると、ひっくり返らんばかりに爆笑して、

「「オラゴクウ」って返してみなよ!」と言うのです。笑

良く分からないまま、こりゃ面白いネタになりそうだと、「オラゴクウ」と返信すると、

「マチガエタ?ダレデスカ?」

っていうような感じのメールが。

そうして何回かやりとりしてるうちに、私は思ったのです。「これはチャンスだ」と。どんだけ切羽詰まってんだ、って話ですが。笑

そこから何回かメールのやりとりをするうち、少なくともキモいオヤジではなく、お互い高校生だということが分かったので、まあお互い遊び半分で「電話してみようか」という話になります。

ここまでずっとお読みいただいている方にはお分かりのことと思いますが、当然、「家の中で男と電話をする」ことなど、許されるはずもありません。自分の部屋もありませんから、部屋にこもることもできません。

そこで、両親が寝静まったのを確認してから、抜き足差し足、極力音を立てないようベランダまで出て、いつ感づかれるかとドキドキしながら夜中に電話していました。

最初の電話で、彼が横浜に住む高校1年生(16歳)なこと、かなり不良寄りなことなどが分かり、当時は時代もあり不良は許容範囲、というかむしろどちらかといえば好きなくらいだったので、そこからは俄然話がはずむようになりました。

それからほぼ毎晩のように、当たり前のように電話。

ある日、何か気配を感じるなと思い、夜中のベランダで振り向いたら、鬼の形相をした父親が仁王立ちしていたので、「友達が死にたいっていうから緊急で相談聞いてたの!」と、とっさにごまかしたことなんかもありました。笑

そんな毎日が2週間ほど続いたある日、ついに彼から「みなとみらいでデートしない?」と誘われます。

「ついにキタアアアアーーー!私の青春スタートーーーー!」と思った反面、若干の心配もありました。

そりゃそうです。同じ高校生で好みの年下で、ダサい系ではなく不良なこと、好きなファッションなどの話からおおまかなことは想像できるものの、さすがに顔のことを聞くのは気が引けますから、肝心な「顔」が分からないのです。

中身はもちろん悪くなさそうだから会うわけだけど、自分のことを棚に挙げて言えば、顔はすっごいブサイクかもしれないわけです。当時は写真を送る術などありませんでしたから、そればかりはもう、会ってみなきゃ分からないのです。今考えると恐ろしいですね。笑

でも、私には時間がありません。たまたま間違いメールが来た相手が、好みの年齢とスタイルで、近場の会える範囲にいる。それだけでとんでもない奇跡なわけです。神様が私の祈りに答えてくれたであろうこのチャンスを逃すわけにはいきません。

そしてついに、みなとみらいでの初デートの日がやってきました。

続きは次回。

お読みいただきありがとうございました。

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