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創る場所を作る

 創作というものは不安と戦わなければならない。

もちろん、創作をする目的は人それぞれであるが、少なくとも私にとって創作は楽しいという成分だけではできていない。

私は、小説を主に色々な文章を書いている。

何かを創り、誰かに見てもらうとき、投稿ボタンを押すとき、賞レースの結果発表のとき……趣味だったとしても、何かしらの緊張を伴っている。

それでも創作を続けているのは「楽しさ」であったり「伝えたい思い」があるからだ。

きっと創作をしている人…ひいては「文章を書く人」は同じような気持ちの人が一定数いるのではないだろうか。

正直なところ、私はまだ本格的に創作をはじめて日が浅い。
それでも、心が折られ筆を折る人を何人も見てきたし、自分も創作をやめようと思ったこともある。

そのなかで、少しずつ自分のなかで芽生えた感情があった。

それは、クリエイターのための場所を作りたいということだった。

情報があるようで、ない


 先日、web小説・小説投稿サイトの総合情報ブログ「Web Novel Labo」という場所を開設した。

なぜ、このようなブログを開設したのか。

ブログ内では「書きたい」「読みたい」「伝えたい」人のための情報を載せていく。と端的に説明しているのだが、今日はせっかくの機会なので裏話も含め話をしようと思う。

まず、小説投稿サイトの分析やweb小説の情報ブログというものは、わざわざ自分が作らなくても山ほどある。

だけど、自分が創作をしているなかで「欲しかった情報」は検索しても見つからないことがほとんどだった。

  • 同じように活動しているweb作家の悩みや、解決方法

  • コンテストの受賞は事前にくるのか、当日なのか

  • 執筆ジャンルによっての活動方法の違い

  • 文字を書くことを仕事にすることができるのか

など

このような気持ちは公に出さないことも多いし、検索しても情報が出てきにくいのは当然である。
なので、自分で色々試行錯誤をするしかなかったし、そのために回り道もたくさんしたと思う。

受賞に関しては人に質問もしにくいので、自分でするしかなかった。はっきり言えばコンテストによって違うので、答えなんてないのである。(なぜかある程度お決まりの約束みたいのがあると思っていた)

それを知っていたら、結果発表の2週間も前からそわそわとメールを確認したり、発表当日にすでに諦めていたりしなくて済んだのに。

そわそわしていると創作にも力が入らない。自分のメンタルがモロに影響するからだ。

そんな回り道で色々な小説投稿サイトを利用した結果、noteである記事を書くことに繋がった。

 これは自分のnoteでは上位にくるほどの反響があった。体験や経験などをメインに書いて、具体的な数値などはほぼ記載していない。
本当に個人的な感想だ。

ところが、今現在Googleで「小説投稿サイト 分析」と検索すると……

検索順位2位に私のnoteが出てくる。
「分析になってないだろ」という声も聞こえてきそうなのだが、いただくコメントには感謝の意を示されるものが多かった。

サイト全体の利用者数やPV、数字から見る情報も大切であるが「実際に体験した感覚や情報」も求められていることがわかる。

私が感じていた悩みも、そのようなことが載っているブログがあったらもう少し早く解決していたのかもしれない。

ただ、私の書いたnoteだけで全ての答えが出るわけではない。

書き手や読み手の特性によって、感覚が変わってくるからだ。
だったら、色々な人の考え方が掲載されている場所があったらいいな、と時々空想するようになった。たくさんの体験談から、自分に合った情報を取捨選択すればいいいのだ。

今思えば、ここから「Web Novel Labo」の構想が動き始めていた。


好きなことで、生きていけるのか?


 私はもともと訪問介護事業所の管理者をしていて、腰椎椎間板ヘルニアの発症とともに退職をした。それが小説を書き始めるターニングポイントだった。
治療期間ではベッド上で過ごすことも多く、創作活動をしていると「これが仕事にならないかな」と妄想したりもしていた。

実際、小説だけで食べていくとなれば何冊も本を出版しなければまず無理だろう。さすがにハードルが高すぎる。

だけど、創作活動を本業ではなくとも副業として生かせることはできないだろうか、と考え始めた。

やはり、そのことに関しても情報は少ない。
そこで私はまた、実践を繰り返すしかなかった。

結果、今は文章に関わる仕事をしている。
フリーランスライターとしてふたつの媒体で連載をさせてもらっているし、単発での仕事も同時にしている。

小説の仕事もあれば、専門的な記事、エッセイの執筆もしている。

「大きな文学賞で受賞してデビューしなければ文字はお金にならない」
そのように考えている人も多いと思うが、実際はそうではない。決して楽ではないが、自分の好きなことがお金になる方法や手段はある。

実際、仕事をし始めたことを公表すると、繋がっている創作仲間から相談や質問が来ることが増えた。

自分と同じように、みんな知りたいのだ。

5名くらいに自分の方法を個別で教えたくらいで、まとめて記事にした方がいいかな?と考え始めていた。


好きなことで、生きていける場所を


Web Novel Labo」の計画案を少しずつメモしていた。

載せる場所は投稿サイトにするか、noteにするか、まだまだ悩んでいたし、漠然としていた。何より、書く労力が多いのが懸念だった。

リアルな情報を得るために

 構想を形に出してみると、意識していなかったものもみえてくる。
例えば、小説投稿サイトでも小説よりもエッセイやコラムの方が読まれていることが多かったりする。
このエッセイは自伝だけではなく「創作への関わり方」を主とするものが多い。このことからも書き手は他の書き手の気持ちを読みたいというのがわかる。合わせて、その気持ちを伝えたい人もいるのだ。

そして、その気持ちは読み物としても優秀なものが多い。

記事には、自分ひとりだけではなく様々な意見を載せる必要がある。

クリエイターが書き続けるために

 創作を続けることは、見返り(と言っていいのかはわからないけれど)があることで不安を軽減することができる。やりがいをまた得る事ができる。

それはPVや読者からもらう感想、賞の良い結果、金銭なども含まれる。

自分に「文章の仕事」について質問がくるのはこのようなことがあるからだろう。しかし、文章の仕事をするにあたっては「実績」がとても大切なのだ。

私は専門的な知識があるのと、もともと在学時にライターの仕事をしていたのもあって比較的スムーズにフリーランスライターになった。

実績があると仕事は受注しやすいし、自分もPRしやすい。

ここで空想と妄想が繋がった。

クリエイターが書く場所を自分が作ればいいんだ。

実際、自分が受けている仕事のなかでもブログの代筆はしているし、そのことも実績に含まれる。

ならば、知りたい情報を書きながら、他のクリエイターにも記事を書いてもらい情報を積み重ねていく。自分が作った媒体に記事を載せることでクリエイターとしての実績にもなる。
もちろん、それは有償依頼をする。

①知りたい情報を知ることができる場所
②クリエイターの悩みに寄り添える場所
③クリエイターが仕事として発表できる場所(実績)
④読み物として優秀な場所

この4つが繋がることで、創作活動に役立つブログができるはず。

と、なると次の問題は資金源になってくる。

クリエイターの場所を作りたいと願っても、クリエイターへの報酬をひたすら自分の貯金から払っていくわけにもいかない。ある程度のサイトを目指すなら、せめてライティング料を賄えるくらいの規模を目指す覚悟は必要。

そのことを踏まえると、投稿サイトなどに情報掲載していくのは選択肢からなくなる。

WordPressでブログを立ち上げ、一定の広告収入を目指すのがいいのでは……と判断した。

Web Novel Laboが目指すサイクル


いつかはこのようなサイクルになるのが理想的だと思っている。
ちなみ、一応言っておくがブログで広告収入を得るのは甘い話ではない。甘い話がそこらへんに落ちているが、皆様信じられませぬよう。
現時点ではブログに関して収入は一切ない。というかまず、11月25日現在、広告を貼ってすらいない。(審査とか必要なんですよ笑)

サーバーやドメイン、有料テーマ、デザインに関わることはお金を払って解決しているので、けっこう大きな金額になっているのは事実。

だけど、自分が作りたい場所のためには仕方ない。自分が悩んでいたときにそっとヒントをくれるような場所が欲しかったのだ。

それに、ユーザーファーストを考えれば、ブログをすぐに収入源にするなんてことはほぼ不可能。
なので、図に関しては…いつ叶うかわからない、遠い目標なのかもしれない。


まあ、もともとあるプラットフォームを利用して書くことは、文章の表現的な意味で限界を感じていた。なので、いい機会だと思って覚悟を決めた。

書いてもらいたいのはもちろん、自分も書きたい気持ちがある。

創る場所を作った

 ホームページなんて遠い昔に魔法のiランドで触ったくらいしかない自分が、四苦八苦しながら開設することができた。


いつかの自分がほしいと思っていた情報をいくつか書いたが、好評いただいていて嬉しい限りだ。

まだまだ小さい場所ではあるけど、応援してくれている方々がいてどうにか走り始めた。

クリエイターが作品を創るために作ったこの場所が、多くの人の役に立てるのを心から願っている。


#もしも叶うなら

心や筆を折る人が、少しでも減ることを祈って。



いただいたサポートは運営メディア「Web Novel Labo」の運営費用として使用させていただきます。noteでの活動含め、クリエイターのためになる行動を継続していきたいと考えていますので、どうぞよろしくお願いいたします。