拝復
― あなたは今、笑っていますか?
お手紙ありがとう。その手紙で今、笑うことができました。
雲の上も大変なの。晴れの日もあれば、雨の日もある。
でも、悪いことばかりじゃない。
虹も架かるし、
あなたの手紙もふわふわと、
この場所まで届いてくれる。
満天の星空も、特等席で見れるの。
……それでも、ふたりで見たあの丘の夜空にはかなわない。
あなたの手、大好きな曲、分け合ったイヤホン、夏の風。
虫の声、揺れる木の葉、あなたのぬくもり。
思い返して、少しだけ泣くこともあるの。
この涙が雨になって、あなたに届いてしまったら……。
あなたはきっと、受け止めてくれるでしょう。
例え私が望んでいなくても。
ねえ、あなたがまた、笑えるように
私、神様にお願いしたの。
夏の風のなかに私を見つけたら、
そっと、名前を呼んでほしい。
それがふたりの合図になるから。
木の下に残されたあなたへ ―
あなたの幸せを願う、私より。
こちらの募集に応募させていただく作品です。
七田苗子様の「拝啓」という作品への返信…という形で執筆させていただきました。
こちらの「夏風」というジユンペイ様の曲も、何度も拝聴いたしました。七田様の手紙のイメージ、そしてこの曲、胸の中にじわりとあたたかく、切ないものが込み上げてきました。
素敵な作品に触れ合えたことを感謝しています。マスク文庫様、関係者様、本当にありがとうございました。
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