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エンジニアのやりがいはどこから来るのか?その答えを僕は「誰かの課題解決」と答えたい|アペルザCTO 上保晃司

※本記事は、2019年12月17日に、wantedlyにて公開したものを、一部編集した上で転載したものです。

今日はアペルザのエンジニアチームについて紹介したいと思います。

エンジニアチームは、採用も絶賛進行中です。募集中のポジションはこちらから閲覧できます。

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様々なメンバーがいる個性豊かなエンジニアチーム。今回はCTOを務めるKoji Johoにインタビューを実施して、これまでの経歴や、いまアペルザのエンジニアチームが目指していることについて話を聞かせてもらいました!

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エンジニアになったのは、そこしか働く先がなかったから

ーまずは上保さんの幼少時代から、これまでのキャリアについて詳しく教えてください!

親から聞いた話ですが…幼稚園に迎えにいくと毎回一番最後に出てくるような子供だったみたいです。のんびりした性格だったんでしょうかね。小学校のとき、叔父から貸してもらったコモドールというパソコンで初めてプログラミングに出会いました。当時はベーシックという言語が主流で、その言語でクラスメイトが登場するお手製のゲームを作ったりしました。簡単なテキストゲームですけど、きっと創るのが楽しかったんですよね。

その後の学生時代は、プログラミングとは離れて、ずっと音楽にのめり込んでいました。大学もほとんど音楽漬けでした。作曲したり…演奏したり…とにかく夢中でやっていました。そんな熱中具合だったので周りが就職活動をする時期になっても働くことに興味が沸かず、就職活動もしませんでした。公務員試験は受けたんですけど、中途半端な興味で勉強もしていないので受かるわけもなく…そのまま大学を卒業しちゃったんです。就職せずに。

結果的にニートになって、毎日何もすることがない状態になってやっと「これは働かないと」と思い始めて、本気で就職活動を始めました。働くことに前向きになったら、就職活動も面白くなって。でも当時って第二新卒みたいな言葉や認識も広まってなかったんですよね。だから就職できる先はほとんどないような状態でした。

未経験×中途で入社できる先は当時ITの企業くらいで、必然的に領域が決まった感じですね。でも僕の場合、音楽を本気でやっている期間に曲作りのツールとしてMacも使っていたので、逆に都合がよかったです。自分ができることをレジメにして就活をしたら無事に就職できる先が見つかり、大手印刷会社の子会社で、受託で様々な企業のサイトを制作している会社に入社しました。

こうして話してみるとエンジニアとしてのキャリアのスタートは偶然の重なった結果だったなぁと思います。

エンジニアとしてのキャリア

就職した会社では初日から上司に嫌われて暴言を吐かれるようなちょっとした(?)アクシデントもありましたが、エンジニアとしてのキャリアは順調にスタートしました。
印象に残っている出来事は大手化粧品会社のサイトを作るプロジェクトですね。
取り扱いのある商品を掲載するサイトなのですが、そのサイト内で商品を検索できるようになっていて。その中で検索の仕組みを改善して、検索しやすくなるようにしたんです。そしたら、大学生の女の子から「すごく検索しやすいサイトでした」という感想を投書でもらえて……エンジニアの仕事で人に喜んでもらえるんだって、すごく嬉しかったことを覚えてます。

その後、会社の先輩からの誘いで、当時「楽天市場」をやっていた楽天に転職します。2000年10月のことです。当時は開発が20名程度しかいなかった時期ですね。
いくつかサービスをリリースしましたが、出社して昼と夜は一緒に食事をして、深夜まで働く。皆、年齢が近かったこともあって体育会の部活のような働き方をしていました。でも当時は三木谷さんの「日本を元気にしたい」という思想に共感するメンバーで会社を作っている実感があって、不思議と疲労感は感じませんでした。
週に一度「FRIDAY PARTY」という行事があって、そこでは部署関係なく皆で一緒に飲み食いをして過ごすんですけど、ここでのコミュニケーションがものすごく濃くて、今でも印象に残ってます。「ECコンサルタント」という営業とCSを兼務したような役割のメンバーがいるんですが、彼らが外で聞いてくる顧客のリアルな声を聞かせてもらいながら、「あれがよかった。お客さんにすごく喜んでもらえた」「ここが全然ダメだ。話にならん!」とか言って皆でプロダクトについて議論しました。楽しかったなぁ。

1社目でお客さんに喜んでもらえた体験もあって、僕はずっと検索に興味がありました。なので楽天で一定の経験を積んだあとには検索を極めていきたい気持ちが沸いてきました。そんな折に友人からの誘いもあってノルウェーに本社を置くファストサーチ&トランスファに転職します。この時は世界中の優秀なエンジニアと一緒に様々なネット大手企業の検索に関わることができて、望んだ方向にスキルを磨いていくことができたと思います。

その後、組織自体の問題もあって、会社がマイクロソフトに買収され、事業方針の変化もあったりしたので、転職を考え退職しました。

3度めの転職でも、以前の知り合いが自分の会社に誘ってくれて、結局 楽天に戻る形になりました。2回めの入社ですね。ここでは検索のプラットフォームを一新するプロジェクト立ち上げからスタートし、その後も検索の精度改善のチームに異動しました。役割は多少変わったりもしましたが一貫して検索に関わってきた感じです。

以前に(しかも長く)在籍していた会社なのだから、さぞ居心地が良いだろうなぁー。と思われそうですが、1度目の入社の時と比べると会社は大きく変化していたというのが実際で……。世界中で利用される巨大なサービスに成長した楽天は、関係するステークホルダーも増え、自分の思い描いていたベクトルとは少し違う方向を向いているのだと2年目ぐらいに気付きました。2000年の頃の思いを現在の客観的事実で補正しながら前に進むことは、自分には苦しくて少し難しいことだったんです。

また、当時社内には本当に優秀な仲間が多くいましたが、逆に彼らの能力の高さに頼ってしまうようにはなりたくなかった。そう考えるうちに「自分の腕一本で力試しをしてみよう。自分の専門にしている検索で裁量のある仕事ができるところに行こう」と決意が固まり、4度目の転職活動をします。

思い返せば、最後の転職活動にして初めて主体的に会社を探してみることをやった気がします。同時期に転職活動をしていた隣の席の同僚と情報交換をしながら(笑)興味を持った会社には行って積極的に話を聞くようにしていました。いくつかポジションを提示してもらった会社もあり、順調な転職活動でしたが、その最中にアペルザを見つけました。当時、浜松町にあったオフィスに行き面談をしたのですが、そのときに聞いた事業の社会的な意義が一番、僕の心に響きました。

アペルザの事業が世の中に広まった先には日本の製造業が元気を取り戻していく。
自分たちの仕事が日本を元気にする。

という部分ですね。

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浜松町時代のオフィス。仕事中の代表がいます。


課題解決のための技術選定。そこに責任を持つのがCTO


ーCTOの仕事と目指している組織の姿について教えてください。

僕が目指しているのはリーダーシップを取るのではなく、皆の成長を下から支えるCTOです。

CTOという肩書はあれど、例えば技術要素の選定において僕に権限やパワーはありません。技術採用までのプロセスには全員に関わってもらって議論して、納得感を持って決める形にしています。全員で決め、責任は僕が持つ。という形ですね。

加えて大切にしているのは、僕たちの仕事や作るプロダクトが、誰の、どんな課題を解決できるのかを見失わないようにすることです。「流行っている技術だから使いたい」「面白い技術をサービスに入れ込みたい」こういった動機から始める開発が飛躍的な改善を生むこともあるのですが……僕の経験上、技術ファーストだと、サービスにうまくフィットしないことが多いです。まず解決したい課題があって、それに対してのアプローチとして技術が必要になる。という順番が正しいと考えています。そのプロセスを楽しみながらサービスも我々も成長していけるのが、良いですね。

各メンバーが成長を実感し、やりがいを持って働ける環境創りも自分のミッションです。具体的には、定期的な勉強会の中で知識を得たり、好奇心をもってもらえることを見つける手助けをしています。

ユーザーの課題を解決することが自分の喜びや成長につながっている


僕のこれまでのキャリアを振り返ると、自分たちが作ったサービスを使って、喜んでくれたり報われる人がいることが大きなモチベーションになっていると思います。

プログラミングの知識や技術のスペシャリティを突き詰めていきたい気持ちももちろんありますが、それは誰かの困りごとの解決や喜びのために発揮したいという考えなんです。いまある課題に対して、プロダクトで解決策を提示していく。そのために自分たちの持っている技術を使っていく。という、「課題解決を起点とした考え」とでも言うのでしょうか。

これはエンジニアにとってのやりがいにも繋がってると思うんですよね。いま自分がやっている作業が、サービスのどの部分につながっていて、その結果、社会やユーザーにどのような価値を提供できているのか。これを自分が語れるくらいに理解できていると、その人にとって作業は作業ではなく、意味のある仕事になっていきます。
誰かの課題を解決をしたり、喜ばせることは、サービス開発という視点でみても非常に良い経験になるし、新たな知識を学ぶ原動力にもなる。結果的に本人のスキルアップにもつながっていくと思います。また、難易度の高い課題であればあるほど簡単には解決できないですから、そこにチャレンジするということは成長環境に身を置くことと同義になるんじゃないかと思います。

アペルザのサービスがある未来

僕は製造業の出身ではありませんが、初めてアペルザに話を聞きにいったときに製造業の商流や課題感について聞き、独特の慣習に驚いた記憶があります。一例ですが、未だに取引のやりとりが紙やファックスで行われていたり、郵送でカタログの請求を行っていたり。その中で変わろうともがいているプレイヤーはたくさんいますが、効率化・IT化のやり方がわからず進められない……というのが今の製造業の現状だと捉えています。

大きな製造業の効率化・IT化を一気に進めることは難しいでしょう。でも困っている人達の課題を、丁寧に一つずつ解決していくことで、いずれ不透明感や複雑さが取り払われていくと思っています。そして、スムーズに情報やプロセスが流れるようになったときには、巨大な製造業を変えるものすごい改革を起こすことができるんじゃないかなぁと。

さきほども話したように僕たちが目指すのは、製造業の人たちの課題解決です。

言葉にするとちょっと青臭いんですけど…たとえば「製造業で働く人」といっても、町工場で働くおじさん、商社で働く事務さん、毎日外回りしている営業さん、あらゆる属性の人達がいますよね。アペルザのサービスによって、その人たち全員に幸せになってほしいと思っています。
平和論者とかそういうんじゃなく、頑張っている人が正当に報われるフェアな社会を創りたいという意味です。

口でいうよりずっと難しいことと理解していますが、アペルザが流通やコミュニケーションのインフラになることで、製造業の不透明感や複雑さが取り払われていき、そんなフェアな社会が実現できるといいなと考えています。

その先はグローバルに向けてサービスを展開していくことになります。これまで感じていた課題が解決することで、日本の製造業の可能性がグローバルにひらかれていく。そして、ここでもまた僕らはいろいろな課題を解決していくのだろうと予想しています。

決して楽な道のりではありませんが、それを面白がりながら共に成長していける人たちと一緒に、良いサービスを作っていきたいですね。

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アペルザでは幅広いポジションで積極的に採用活動を行っています。