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スタジオをインストールする(前篇)ーSTUDIO302にはユーモアが必要だ。

東京アートポイント計画プログラムオフィサーの上地(うえち)です。
先日、アーツカウンシル東京の拠点として活用しているROOM302の一角に「STUDIO302」を開設いたしました!


企画・構想〜完成までの期間は約1ヶ月。この記事では、モノとアイデアがROOM302という「部屋」に持ち込まれ、スピード感をもってスタジオがつくられていく現場における、担当としての気づきや驚きをお伝えしていければと思います。
(*STUDIO302のはじまりについては、以下の記事をぜひご覧ください。)


空間づくりのパートナーは「岩沢兄弟」

今回のスタジオ空間づくりは、岩沢兄弟をパートナーに迎えて企画を進めていきました。岩沢兄弟は、その空間にいる人が触れたくなったり、参加したくなったりする仕掛けを組み込むことが得意なお二人です。過去にはArtpoint Meeting のゲストとしてお招きしたことも。
(*当日の様子は、下記レポートにてご覧いただけます。)


STUDIO302は、「いわゆるスタジオ空間をつくるだけ」ではない依頼でした。例えば、
・気軽に集うことが難しくなった社会状況に呼応して始動した、これからのアートプロジェクトのかたちを試行錯誤していくための緊急対応プロジェクトであり、制作するスピード感が重要
・さまざまな試行錯誤を重ねていくための場として、プロジェクトによって使いかたを開発していくような余白がほしい
・収録、配信について専門的な知識を持っていない人も使えるようにしたい
などなど。

こんな構想を一緒にかたちにしてくれるパートナーとはを考えたとき、兄は空間設計、弟は映像配信技術に明るい空間デザインユニットである岩沢兄弟はまさにぴったりでした。
それは専門性が高いからだけではなく、彼らが手がける空間は、使う人自身が使いかたのアイディアを考えられるような「余白」が残されていたり、空間にあるモノに触れたり動かしたりしやすいように、あえて完成形にしないように場をつくっていくという特徴があったというのも決め手のひとつ。
岩沢兄弟とパートナーを組むからこそ、新しい試みが生まれる場を立ち上げることができるはず。そんな期待を持ちながら、どうつくりこんでいけるのかプランを詰めていきました。


2020年6月15日、施工スタート!

2020年6月15日、STUDIO302の着工日。プロジェクトの構想から、企画・調整を経て、いよいよこの日を迎えました。
空間設計・設営にいわさわひとし(兄)さん・土田誠さん、機材周りの設計・設営にいわさわたかし(弟)さん・池田匠(匠音響)さん、の専門家を交えたチームで動いていきます。
(岩・沢・土・池・田...なんとも豊かな生態が育まれそうな座組みです。)

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単管を組み上げるチーム。その一方で..

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収録・配信を行うための機材チェック。

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池田さんは、オリジナルのマイク台座を設計中!


ユーモアをたずさえる

STUDIO302の空間づくりが進んでいくなか、たかしさん(弟)から一言。
「なんか悪ふざけが足りない」。

岩沢兄弟がつくるものは、機能的な中にもくすっと笑える要素が散りばめられているのが魅力のひとつ。これまで私が関わったプロジェクトでいうと、例えば、岩沢兄弟がプログラムディレクターとして関わっている東京アートポイント計画「HAPPY TURN/神津島」での「達磨スピーカー」。


そのモノがもつ特性やイメージをうまくいかしながらも、予想外な機能や使いかたにアップデートしてコミュニケーションを生み出します。
思わずくすっと笑ってしまい、ついあちこち触ってみたくなる空間は、その場の空気を和やかにすることもあれば、初めましての方とのコミュニケーションの糸口も生まれやすくなるように思います。

「悪ふざけが足りない」。
その一言を起点にして生まれたのは、この「トルゾーくん」です。

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トルソーの頭部分がカメラになっているのが分かりますか? このカメラ「MEVO」は小型でありながらも4Kでの撮影が可能で、YouTubeへのライブ配信はもちろん、Wi-fiでiPadと接続して映像ズームやスイッチングを手元で操作できるという優れもの。
カメラとトルソーが組み合わさっただけなのに、ふっと笑ってしまうような感じがありませんか? 色んなポーズができるので、現場に合わせて楽しめるのも面白さのひとつです。一気にトルゾーくんへの愛着が湧きます。

数週間後の暮らしがどうなっているのかも予測がつかない社会状況において、アートプロジェクトはどのようにさまざまな人や価値観との出会いをつくっていけるか。STUDIO302という場を活かして、アートプロジェクトの新たな展開や情報発信の企画構想など、これまでとは違った手法を積極的に試みていきたくなる実験室のような場を目指して、完成までもう少し。

後篇では、STUDIO302完成までのようすをお伝えします。


▼空間づくりのようすはタイムラプスでご覧いただけます。
少し長めにはなりますが、部屋の一角にスタジオ空間が立ち上がっていくようすをご覧いただけます。(いわさわひとしさんの背中がいい感じです)
ぜひお楽しみください!



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東京アートポイント計画プログラムオフィサー。「小金井アートフル・アクション!」「HAPPY TURN/神津島」「移動する中心|GAYA」「Tokyo Art Research Lab」を担当。ときどき、インハウスデザイン担当。チョコレートの所持率高め。