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知識を知恵に

わたしにもかつて産後の生活を送っていた過去があります。

遠い過去のことでもあるし、忙しい日々だったので細かいところの記憶はありません。

とにかく目の前のことを追っていた自分の姿が思いだされます。

助産師の私は、抱っこの仕方や授乳の仕方、オムツの当て方、沐浴など基本的な育児技術はありました。

それらの技術が家族の誰よりも上手にできました。

また、産後の心身や赤ちゃんの成長や発達についての知識もありました。

だから、考えれば大抵のことは理解できていました。

ここまで読んでみると、最強じゃあないかと思うでしょう。しかしそうではなかった。

技術や知識は、あるに越したことはないです。しかし、それだけでは役にはたたないのです。

誰にでも当てはまる知識や技術ではなく、今、目の前にいる子どもを育てるための知識や技術が必要だったのです。

知識を知恵に変えていくのは、次のようなことではないでしょうか。


①必要な知識を得て、体験してみる。

②体験の中から気づきを得る。

③気づいたことについてよく考えてみる。

④新しく考えたことを試行錯誤しながらやってみる。

⑤うまくいったこと、いかなかったことの理由を考え、再チャレンジ。

⑥①または②に戻り、繰り返す。

こうしたサイクルを続けていくことが、知識を知恵にに変えていきます。

今のネット社会、情報にあふれています。見ただけ、調べただけ、聞いただけ、ググっただけで分かったつもりになってしまいます。

知識を知恵に変えてくれるのは、行動です。

あの頃のわたしに伝えたい。そして、今のわたしにも。


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