人生は物語なんかじゃない。



池袋でシェアハウスをしている

シェアハウスというとなんだか今時でカッコ良くて、一方でなんだか浮ついてて怪しいようなイメージが勝手について回るのだということに暮らし始めて気づいた。

しかし現実には他者が想像するようなドラマはない。

楽しい時もあれば苦しい時もある。
みんなでいる時もあれば一人でいる時もある。
その中で寝て起きて食べて寝て起きるを途方もなく繰り返す。
暮らしってそういうものだ。
決して面白いもんなんかじゃない。
自分の人生をドラマチックに仕立てようなんてのは自分のことをさながら映画の主人公だと思い込んでいる痛いヤツだ。
ヒーロー症候群。
認知の歪みもいいところである。

誰の人生も、当たり前の日々を、死というどうにもこうにも抗い難いゴールに向かって、積み重ねていくだけだ。

人生は物語なんかじゃない。






だがしかし他人の芝は青く見えてしまうのである。
自分の隣をすれ違うあの子は、最高の人生の主人公を演じているように、見えるのである。

誰の人生も平等に死への虚しいカウントダウンに過ぎないのに。

負けじと自分も素敵な人生を演出する。
ていねいな暮らしだとかいうトレンドワードに乗っかって。






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