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フィンランドの小学校びっくりカルチャーショック Vol. 1

こんにちは!フィンランドに留学中のあおぞらです🌱

このシリーズではフィンランドの公立小学校でのインターンや複数の学校見学を通して,感じた日本の教育との価値観の違いを紹介していきたいと思います。

日々の生活の中でたくさん感じる文化の違いを,どのくらい続くかわかりませんがゆるく書いていきます。


第1弾は働き方について。

いっとき,『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』といった本がバズりましたね。日本の学校の先生の残業時間と比較して,フィンランドの先生の働き方は素晴らしい!!と持てはやされることもしばしばですが,本当に16時に帰れるのでしょうか?



結論から言うと,授業が終わっていれば,何時でも帰れます。しかし,その後家で仕事をすることもあります。

フィンランドの学校では基本的に先生は授業の時間以外学校にいる必要はありません。(例外的に先生間のプロジェクトミーティングが放課後にあることもあります。)そのため,授業が終わる14時ごろには大体の先生は帰ることができるわけです。
しかし,これは必ずしも14時に終業すると言うわけではありません。もちろん先生の仕事は授業を行うことだけではありません。そのための教材準備やその他学校のプロジェクトの作業など多くの仕事があります。
このような仕事は各先生が自分で時間を見つけて行います。朝方の先生は学校に早めに来て作業するかもしれませんし,子供がいる先生は終業後,子供を迎えに行った後,家で作業をするかもしれません。このように多様な働き方が認められているフィンランドの学校はよりサステナブルと言えるかもしれませんね。

日本の学校では個人情報保護の観点から仕事を家に持って帰れない,と言うことは多いと思います。デジタル化などの助けを得て,働き方が少しづつ改善していくことを願います。

PISAの調査などからフィンランドの先生の満足度が世界的に見てもとても高いことが見て取れます。

しかし,実際の現場の先生はどう感じているのでしょうか。ある先生との会話を紹介します。この先生は中学校に勤めて約20年のベテラン先生です。

私「先生は今の仕事に満足していますか?」

先生「ええ,とても満足しているわ。子供と関わることはとても楽しいし,やりがいも感じる。」

私「そうなんですね。日本では残業が理由で退職してしまう先生方が多いので,フィンランドの先生の働き方はとても羨ましいです。」

先生「でも,フィンランドの先生も残業の問題がないわけではないのよ。他の仕事に比べて,給料に対する仕事の量はとても多い。特に子供のためにできることは,終わりがないからね。教材研究もやろうと思えばいくらだってできるし。私も若い時は,毎日遅くまで教材研究をしていたの。とても大変だった。でも,途中でこれはサステナブルではないと気づいてから,自分の幸せも大切にしようと決めたの。なんでもやりすぎは良くないからね。子供たちにとって,先生が元気そうに見えると言うことは一番大切なことなの。いくら教材研究を頑張っても,先生自身が元気そうに見えなかったら,学校も楽しく無くなってしまうでしょ。」

私「そうですね。私も自分を大切にした働き方がしたいです。」

*この回答は数人の先生に聞いたもので,フィンランド教育全体を代表する意見ではありません。


先生という仕事の特性上,子供のために,と思えばいくらでも頑張れてしまうのはフィンランドでも同じようですね。特にパンデミック後からは教員の労働環境の問題は取り上げられることが多かったようで,労働環境改善のために,教員の労働組合によるストライキが数回起きていました(十数年ぶりのストライキだったようです)。

日本では子供のために何ができるかということがよく考えられると思いますが,フィンランドではそれに加えて教員自身の幸せも同程度に大切にされているように思えます。学校の文化として,休養することに対する理解があるのはとても働きやすいですね。

先生自身の幸せが教育に大きなプラスの効果をもたらす,という考え方は賛成ですし,日本にも広まってほしい考え方だなあと思います。


フィンランド留学生活の様子は主にTwitterで投稿しているので,もし良ければ覗いてみてください。

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