#ネタバレ 映画「THE INFORMER/三秒間の死角」
「THE INFORMER/三秒間の死角」
2019年作品
長編サスペンス小説を一冊読んだような
2019/12/9 17:22 by さくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)
緊迫感もあり、丁寧に描いていますが、映画の2/3は、ほの暗く地味な展開でした。
このまま終わってしまうのかなぁ…。
そう思った頃に、少しアクション映画の様相を見せました。
観終わってから振り返ると、潜入捜査・裏切り・逮捕されて(おっかない)刑務所へ・脱獄アクションと、いろんなお話が詰まっていました。それらが観客に媚びてはおらず、地味に、自然に展開していくのです。
小説をほとんど読まない私が言うのもなんですが、長編サスペンス小説を、一冊読んだような後味でした。
主役はケビン・コスナーを思わせるような小ざっぱりした良い男で、そんなに悪くない作品です。
★★★★
追記 ( 物事は両面から見てみる )
2019/12/12 9:27 by さくらんぼ
小説家の中には、若い頃、色々な仕事を経験した人もいるようです。それが「芸の肥やし」みたいになっている。
そういう意味からいえば、主人公・ピートは、服役囚でありながらFBIの情報屋になっているので、両者の視点で物事を見ることができるのです。
それに対し、映画の中の警察・FBIは、プロとは言え、そのあたりの修行が足りません。
この「物事を両面から見えるのか、片面だけなのか、それが結果を分ける」が、映画の描いていることのような気がします。
追記Ⅱ ( 「仕事が人をつくる」 )
2019/12/12 9:52 by さくらんぼ
情報屋であるピートは、潜入捜査をしている警官をすぐに見破りました。
「異郷なのに同じ匂いがした」からでしょう。
「仕事が人をつくる」とか申しますが、それは真実だと思います。
場合によっては20~30メーター離れた、駅のホームに立つ見知らぬ他人様でも、「あの人、もしかしたら…」と思うことがあります。
その匂いに触れると、古巣に帰った時のようにホッとするのです。
そして、時にソウルメイトのように惹かれあいます。
逆に言えば、少数派の仕事についている人は、孤独を抱えて生きているという事でもあります。特に、リタイアした後には。
追記Ⅲ ( 象徴的なエピソード )
2019/12/12 10:08 by さくらんぼ
>この「物事を両面から見えるのか、片面だけなのか、それが結果を分ける」が、映画の描いていることのような気がします。(追記より)
予告編などには、ピートが警官を見破る緊迫したシーンがUPされています。
それから、婦人警官がピートに言った「必ず助け出す」みたいな言葉を、彼女は後に録音機で聞いて、約束を破った自分の、裏切り行為を悟るシーンがあります。
そして、クライマックスには、脱獄しようとするピートが、気を失っている刑務官と服を取り換え、狙撃手に刑務官を撃たせるシーンがありました。
狙撃手は(ライフルスコープは象徴的ですね)片目でしか見ていないけれど、両方の目で見ているピートは、刑務官を殺めることに一筋の涙を流すのです。
追記Ⅳ ( 「EU離脱問題」の心象風景 )
2019/12/13 7:54 by さくらんぼ
映画「THE INFORMER/三秒間の死角」は、もしかしたら、EU離脱問題で進退が極まっている(反対・賛成派が拮抗している、どちらに転んでもデメリットがある)、そんなイギリス人の心象風景を描いていたのかもしれませんね。
追記Ⅴ 2022.11.30 ( お借りした画像は )
キーワード「小説」でご縁がありました。春には、あんなカフェで、ケーキとコーヒーを前にして、ぼんやりとしていたいですね。少し上下しました。ありがとうございました。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)
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