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#ネタバレ 映画「家へ帰ろう」

「家へ帰ろう」
2017年作品
日本人として誇らしい気分に
2019/1/9 9:32 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

今でも、杉原千畝さんの恩を忘れず、来日する外国人の方があります。

この映画は、同じように70年ぶりに命の恩人に再会し、自ら作ったスーツを渡そうとする老人の物語です。

ですから、私たちは「杉原千畝さんに逢いにくる人たちの物語」と思って観ても良いのかもしれません。

しみじみとした良い作品でした。

★★★★☆

追記 ( 「旅は道連れ世は情け」 )
2019/1/10 10:11 by さくらんぼ

ナチスに迫害された経験のある主人公・アブラハム(88歳)は、足が不自由であるにもかかわらず、一人、ブエノスアイレスから「ドイツ」を通り、ポーランドへ向かうのです。

その「ドイツ」を拒絶し、「命の恩人」に逢いに行く様子が見どころです。

しかし、ドイツを拒絶すると言っても、陸路ではドイツを通らなければポーランドにいけないのです。

そこに現れた二人の女神。

(マリア様のような)ドイツ人である彼女たちも良い味を出しています。一人は文化人類学者、もう一人はナース。

あまりに都合が良すぎると言う人もいるかもしれませんが、人生は過酷である反面、ときに絶妙なタイミングで助けもあるものです。まるで神様が会わせたごとく。

そして、車イスが必要になった主人公はナースに甘えるのです。「友の家まで連れていって欲しい」と。

主人公の今までの言動から「ワガママ男ではない」という事は分かっています。どうしても、ここは介助者が必要でした。担当ナースなら誰よりもそれを理解しています。彼女は「半ばしかたなく」遠路はるばる、自家用車で連れて行きました。

「車いす」「ワガママ男」というと、映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」を連想しますから、両方の映画を観比べてみるのも一興です。

追記Ⅱ ( 歴史に評価される壁 ) 
2019/1/11 16:21 by さくらんぼ

やはりこの映画でも、「ドイツ」とは「壁」の記号なのでしょう。

追記Ⅲ ( ユダヤ人の「青」 ) 
2019/1/11 17:31 by さくらんぼ

アブラハムは青い帽子を被っているし、スーツケースも青い。さらに友に贈るスーツも青っぽかったような気がします。

少しググったところでは、青はユダヤ人にとって大切な色のようでした。

追記Ⅳ ( 老人施設 ) 
2019/1/11 17:39 by さくらんぼ

ご多分に漏れず、この映画も多くの時間眠ってしまいました。映画のせいではありません。私が悪いのです。

だから、私が書けない沢山の良いエピソードがあるはず。

例えば、前半にあったらしい「アブラハムが老人施設に入れられそうになって、旅に出るエピソード」は、ホロコースト(収容所)のトラウマの記号であったのかもしれません。

そして、彼を支える面々も、二人だけでは無かったようです。


( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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