見出し画像

#ネタバレ 映画「草ぶきの学校」

「草ぶきの学校」
1999年作品
誇り
2011/9/2 13:27 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

水郷地帯の様な所にポツンとある学校ひとつ。周りから隔絶された様なそれは、さながら一つの村の様だ。うらやましいほどの牧歌的やすぎがあふれている。

でも、この設定は学校を舞台に管理社会の縮図を描く事が目的ではなかったのだろうか。

学校では先生は生徒を管理指導する。しかし生徒は生徒で自分の頭でものを考えるので、先生に従ったり、従わなかったり・・だから先生を盲信する生徒などいないはずだ。

ところが大人は違う。上層部に評価され、出世する事を第一に考えている人もいる。学校に偉い人たちが視察に来る。そのとき体操競技が美しく見えない為、個性的な子が外されてしまうエピソードが有った。そして極めつけは、上層部から贈られた表彰状の様な物がついた立派なノートを破いた事で、子に体罰を加えるそれである。

体罰の後、子がノートを破いた真相が話される。そのとき大人は悟ったのだ。教育に権威は必要ないことを。それを求めているのは大人だけであることを。彼は誇りを取り戻した。この映画は学校という管理社会と、国という管理社会をリンクさせていると思う。

だから、我が子の命を賭けて漢方医の権威に会うために出かけたのに、道端で偶然出会った名も無いお茶売りの老人の言葉を信用したくだりは、この映画にはぜひとも必要だったに違いない。

( 2003/5/13 17:48 by さくらんぼ 、リンク切れにより転記 )

追記 ( 「スパイキャッチャーJ3」 ) 
2016/5/26 6:34 by さくらんぼ

1965年に「スパイキャッチャーJ3」というTVドラマがあって、そのなかの主人公(川津祐介さん)が言うセリフ「TULIP J  TULIP J  こちらJ3  定時連絡です」がカッコよかった。



(  最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?