見出し画像

#ネタバレ 映画「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」

きまじめ楽隊のぼんやり戦争
2020年作品
「新型ウイルス」と「統制社会」
2021/4/3 9:28 by さくらんぼ (修正あり)

( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。) 

先日、映画「ゾッキ」という「変な映画」を観た勢いもあってか、映画「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」も観てしまいました。

しかし、映画「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」観ると、映画「ゾッキ」は常識的な作品だったと思えてきます。

「ゾッキ」の意味を知りませんが、もしモチーフが「俗気」(ぞくけ)だとすると、俗っぽい私にもなじみがあります。

しかし、映画「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」は、中国の香港弾圧やミャンマーのクーデターなど、戦時体制のような「統制社会」を、ロボットのような演出で描いていたのかもしれません。

そして「新型ウイルス」との戦争社会も。

私には映画「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」の105分は苦しく感じました。まるで悪夢だからです。

75分でも良かったぐらい。喜劇なのにだんだんと苦しくなってきました。

これも誉め言葉のつもりです。

★★★☆

追記 ( 上層部への忖度だけで生きる ) 
2021/4/8 9:54 by さくらんぼ

片桐はいりさん扮するめし屋のおばちゃんが、良い芝居をしています。

息子が出世した兵隊さんらしく、その自慢話も兼ねて、常連客の兵隊さんに良く話しかけます。しかし、微かにでも気に障る返事が来ると、茶碗に入れた飯を、少しずつ、おひつにもどしてしまうのです。逆に、気に入る返事には、飯を増やしてあげます。それが漫才みたいで、おもしろ不気味なのです。

あれは、上層部の顔色をうかがうだけで、自分では考えない下層部の人たちの記号なのでしょう。同様の記号は他のエピソードにも多く見られました。

映画のタイトル「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」の意味は、「ルールに従うことだけを考えているきまじめな国民が、戦争の理由など全く考えずに戦う」という意味なのだと思います。

追記Ⅱ ( トランペットの振動版は唇です ) 
2021/4/8 10:00 by さくらんぼ

>あれは、上層部の顔色をうかがうだけで、自分では考えない下層部の人たちの記号なのでしょう。同様の記号は他のエピソードにも多く見られました。(追記より)

映画のクライマックスには自分の頭で考える人が出てきました。

トランぺッターの彼は、川の向こうの、同じくトランぺッターである敵の女性と、音楽を通して心が通い、恋してしまったのです。

追記Ⅲ ( 核戦争 ) 
2021/4/8 10:08 by さくらんぼ

>トランぺッターの彼は、川の向こうの、同じくトランぺッターである敵の女性と、音楽を通して心が通い、恋してしまったのです。(追記Ⅱより)

しかし、この恋も戦争も、悲惨な結果に終わります。

核兵器のような武器で敵は壊滅状態になり、女性も亡くなってしまったからです。

そして、その前に向こう岸を偵察してきて、敵は鬼ではないと知っていた別の青年は、核兵器をこれ以上使わせないために、残りを自国内で爆発させてしまうのです。

追記Ⅳ 2022.611 ( 2022年、視点は芸術からリアルへ )

しかし、この作品を観た2021年とは違い、ウクライナへのロシア侵略が起こった2022年の今は、戦争という言葉が違った響きを持つようになってしまいました。

もはや、政治家も多くの国民も、戦争は歴史ではなく、さしせまった日本の危機に思えているのではないでしょうか。

そんな現在では、この作品はどのように感じられるのでしょう。

追記Ⅴ 2022.6.11 ( お借りした画像は )

キーワード「ルール」で検索してご縁がありました。ユーモラスな折り紙ですね。少し上下しました。ありがとうございました。



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


#映画感想文

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?