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#ネタバレ 映画「薔薇とチューリップ」

「薔薇とチューリップ」 
2018年作品 日本
安心して楽しめます
2019/5/5 10:05 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

「11PM」は知っていても、「2PM」は知りませんし(失礼)、どんな内容かも知らずに、映画館に飛びこみました。

吸引力になったのは、タスキをかけ、さくら色の着物を着てほほえむ谷村美月さんに、「ほっとするもの」を感じたせいでしょうか。

日韓合作みたいな感じもする作品です(実際は違うみたい)。内容は、良くも悪くもTVの90分ドラマみたいでしたが、良い気分で劇場を後に出来ました。ジュノさんは二役で熱演していましたよ。

「令和」最初の一本になりました。

★★★

追記 ( 家と子どもたち ) 
2019/5/5 10:15 by さくらんぼ

日本側のヒロインは、旅館の娘・かおり(谷村美月さん)です。すでに両親とも亡くなり、仲居頭から後継ぎになるよう望まれましたが、花屋になるのを目指していたかおりからは、きっぱりと断られました。

( このとき、後ろで話を聞いていた仲居たちが、涙をこぼすシーンが少し泣けます。いかに自分たちが旅館を続けたくとも、後継ぎ娘がNOと言ったら…これが奉公人の悲哀ですね。)

そんな、こんなで、物事が落ち着くまでの間だけ、しかたなくアルバイト的に女将をやらされるかおりでした。そこに辛抱はあっても、屈折はありません。かおりにかぎらず、女将に恋する老人客など、日本側の登場人物は、欲望に忠実な動きをしているように思います。

一方、韓国の画家・ネロ(ジュノさん)は、親が出世を急かすばかりに、無名の日本人画家の盗作をしてしまったせいで屈折しています。ジュノさんが(欲望に忠実な)韓国人留学生デウォンとの二役をやっているのは、その「屈折」を、つまり内面の分裂を表現するためでしょう。そして映画のラスト、ネロは盗作した事を公にして、素直な自分の画風で再出発を図るのです。かおりも旅館を継ぎ、たくさん花を飾ることで、花屋への夢も燃焼(統合)することができそうです。

この映画「薔薇とチューリップ 」は、夢をあきらめ、家の言いなりになる子どもの開放を描いていたのでしょう。

しかし、もう一歩踏み込むと、(本当は日本文化が大好きなのに)反日教育で屈折している韓国の若者たちへ向けた、これは一種のメッセージだったのかもしれません。

「薔薇とチューリップ」。薔薇は「太極旗」、チューリップは「日章旗」を表していたのかもしれません。チラシの写真。バラを持って屈折しているネロと、チューリップを持って微笑むデウォンがいます。そして、薔薇を指さし微笑む(欲望に忠実な)ヒロインも。

追記Ⅱ ( 腹を割って話す ) 
2019/5/5 10:22 by さくらんぼ

そして、その舞台となるのが温泉宿です。ご承知のとおり、温泉は心身のサナトリウムとしても機能していますね。温泉大好きなデウォンが、浴室の掃除に来たヒロインから、すっ裸を見られてしまうエピソード、あるいはネロとデウォンが湯船で語りあうシーンは、「裸のつき合い」の記号になっていたのでしょう。

追記Ⅲ ( 日韓友好 ) 
2019/5/6 9:04 by さくらんぼ

>…かおりも旅館を継ぎ、たくさん花を飾ることで、花屋への夢も燃焼(統合)することができそうです。(追記より)

この大団円は、「韓国の方は韓国文化を継いだうえで、たくさん日本文化も好きになって下さい。そして、そんな自分を肯定してください。そうすれば、日韓友好にもつながりますよ」とも言っているのでしょう。

追記Ⅳ 2024.5.12 ( 薔薇とチューリップは微妙に時期が違う )

最近、自分で花の写真を撮るようになって分かりましたが、薔薇とチューリップは咲く時期が微妙に違い、チューリップが盛りを過ぎてから、薔薇の季節になるようで、しかも、薔薇は春と秋の2回咲くようです。この辺りは映画の内容に関係があるのでしょうか。

又、咲く時期のせいか、撮影枚数が少ないせいか、薔薇とチューリップが一枚に入った写真を私は撮影していませんので、薔薇だけのものを使いました。


( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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