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『しなければならない』を『したい』に変える

●『しなければならない』で動く職場

私は今、介護施設で働いています。
今までも幾つかの施設で働いてきましたが、
そこでは様々な職員さんやご利用者様との
出会いがありました。

世の中の介護職員のイメージは分かりませんが、
ものすごく勉強したい!
良い(プロの)介護士になりたい!
より良い環境を利用者様に提供したい!
と熱意を持った介護士ばかり…
というわけではありません(残念ながら…)

熱意はあっても勉強は嫌いだからと全くせず、
自分の経験や価値観だけで突っ走ってしまったり。
あの利用者様は我儘だから、
この職場は何を言っても無駄だから、
と諦めてしまう。上からの指示をこなすだけ。
どちらかと言えば『しなければならない』状態で
思考停止してしまっている職員さんが多いように
感じています。

みんな、本当にやる気がないわけではない。
始めは熱意もあったはず。
もったいないなぁ…といつも思っていました。

私は自分に何ができるのか?と考え、
自分の『思考』を変えることから始めました。
今は、人(自分)は変われると本気で思えるようになりました。
それでも、他人は変えられない。
そもそも変えようなんて大それたことは考えていない。
それなら、仕組を変えるしかない。
でもどうやって? そう考えていた時に出会えた本でした。


●行動分析学という考え方を知る

2011年の終わりから読み始めた本に
メリットの法則 行動分析学・実践編 著:奥田健司さんがあります。


一緒に朝会をしていたSさんが教えてくれた本でした。
本の説明には
ダイエット、恋愛、不安…
全ては科学的に説明できるとありました。

人の心も行動も複雑なので
そればかりでもないのでは?
正直、そう思いながら読み始めたのですが、
目から鱗の本でした。

「好子(良いこと)」「嫌子(嫌なこと)」「出現」「消失」
あらゆる行動を四つのキーワードで分析することで
「なぜその行動をとるのか」を「心」ではなく
「行動随伴性」つまり、その人を取り巻く外部の環境に求めるというのが行動分析学です。

これには、私の専門分野でもある
『認知症の症状』への対応や、
いわゆる困った職員さんへの対応
自分自身へのずっとできなかったダイエット(苦笑)
等々にも応用できるのでは?と思いました。

人の問題と思われる行動は、
その人のせいではなく全てはシステムエラーだ。
という自分の考え方にもぴったりと合いました。

●『出来事が起きる理由』の考え方

人は、何かの出来事の結果からその理由を考えます。
その出来事の前に何が起きたかの原因を探ろうとします。
簡単な例を挙げると

トシアキさんは青信号になったから、横断した。 

青信号だから(原因)⇒安全に横断できた(結果)

こんな感じ…
時間軸通りですよね。

間違っていないように思えます。
ポイントは「安全に渡ることができた」という結果です。

この場合、普通に考えると原因は
青信号になったからということになります。
ですが、例えば信号無視した車が突っ込んできたら?
一歩間違えば死んでいたかもしれない。
この出来事を境に、トシアキさんの行動はどうなるでしょう?

青信号でも、すんなり渡れなくなったのです。
慎重に周りを見渡して渡る。
つまり、原因(青信号だから)は同じでも行動が変わったのです。
トシアキさんは、青信号になった時に横断したら、
安全に渡ることができた。
が正解になります。

行動分析学では、行動の原因は、行動より先ではなく、
後に続く結果にある。と考えます。

ややこしいですが、良く考えると納得です。

長くなってしまったので、
「好子(良いいこと)」「嫌子(嫌なこと)」「出現」「消失」
については次回書きます。
しなければならないを、どうやってしたいに変えるのか。
こっちがメインです(笑)


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