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「値下げしません」がお客様目線ではない理由

円安が原因の物価上昇が止まらない。

その中で、「値下げしません」を掲げる小売店が現れている。

一見「消費者の味方」に見える彼らは、しかしそうではない。
なぜなら、値上げしない企業の従業員もまた消費者であるからだ。

値上げをせずに利益率が下がれば、企業の貯金は食いつぶされてゆき、従業員の待遇改善は遠くなる。
それが各所で起これば、消費者の財布のひもはいつまで経っても緩まず、景気が悪くなり厳しい経営は永続する。

無理な値下げ我慢はせず、適正に値上げして利益を確保するべきだ。
そのうえで、例えば照明を間引くなど、普段以上のコスト意識で価格転嫁をなるべく抑える。そうして従業員も買い手もどちらも得をする状態こそ、本当のお客様目線である。
適度なダイエットは体を軽くしても、無理をすれば体を蝕む。

本当のお客様目線を欠き、ライバルに勝つための過度な競争を続けてしまったからこそ、日本は世界から置き去りになった。

「安い日本」から、「安くない日本」に変わること。
容易くはないけれど、みんなが生きやすくなるこの道へ、今こそ出口に進まなければならない。



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