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Audible 2 / Art History

英語で流暢に美術の話がしたいなぁ、と思ってこれを聴きはじめた。シャドーイングとセットで。
そもそも日本語でも美術の話をスムーズにできるのかと訊かれたらまぁそうでもないし、むしろ会話そのものが別にうまくないけれど。
しょうがない。一人で本ばかり読んでたからだ。ならば一人で本を聴いて解消しよう。本を相手にコミュ力をアップしよう。
雄弁な美術史の語りをインストールだ。

さておき最近聴いたAudibleで一番良かった。
Art Historyとあるけれども、美術の歴史の話ではなく「美術史」とは何か、美術はどのように語られ歴史家されてきたかというメタ的な美術史学についてのイントロダクション。
A Very Short Introductionとは言え、それこそ美術史がある程度頭に入ってないと分かりにくい話も多い。Very Shortゆえに解説というよりは、視点の提示という内容。
ヴァザーリに始まり、ゴンブリッチやグリーンバーグに至るまで、「美術」そして「美術史」がどのように語られてきたか、美術批評の方法論について触れながら、「美術を語ること」の歴史が示されていく。
この歴史にはフェミニズム的視線が不足しており、またポストコロニアリズム的観点からの、文化人類学的なアートヒストリーの再編成が求められる、というのが前半。
ベラスケスのでかい絵も、離れてみると人物画だけれども1m以内に近づくと絵の具の凹凸でしかなく、絵画イメージはあくまでも鑑賞者が主観的に想起しているに過ぎない、という話を例示しつつ、俯瞰した多角的な視線と多重のヒストリーが編まれることが必要、とのこと。

美術を語ることによって形成される社会的インパクトの存在、それによって文化史観が出来上がり、「国家」という概念が形成される。その中心軸としての美術館。
あるいは、バルムガウデンが打ち立てた「美学」というパースペクティブをスタートとして、哲学史上では芸術はどのように語られてきたかを簡潔に提示しつつ、鑑賞者と作品の関係性に迫る、という話で後半は盛り上がっていく。
議論も明確で聴きやすい。

・・・と思っているけれど、全部英語で聞いてるだけだから勘違いもあるかもしれない。電子書籍で入手して答え合わせをする。ちゃんと読んで細かいところも頭に入れるべき内容だった。

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