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右肩上がりの秘密 ーー Losing My Virginity を読む②

イギリスのヴァージン・グループ(Virgin Group)は、同じくイギリスのリチャード・ブランソン卿(Sir Richard Branson)が率いる多国籍企業体です。はじめは学生むけの情報誌、それから中古レコードショップ、レコード会社など次々と手がけ、そのいずれも大成功、やがて航空業界にも進出、果ては宇宙ビジネス旅行も扱っています。どっかで聞いたような話だけど、千葉愛あふれる宇宙観光したあの実業家さんではないです。リチャード・ブランソン、御年73歳。

彼が自伝"Losing My Virginity"を出したのは、ヴァージン・メガストアという超大型CDショップが世界各地で飛ぶ鳥落とす勢いだった1998年。東京にもありましたよ、ヴァージンメガ。もっとも、あの頃はヴァージンに限らず、あっちこっちにCD屋さんがあったんですが。

私は学生時代を池袋で過ごしましたので、池袋の各CDショップ(HMV、タワレコ、WAVEなど)の思い出が多くありますが、やっぱり中でもヴァージンはでかくてきれいでよく覚えてます。丸井の地下にあって、クラブみたいな雰囲気でね。カフェもくっついてまして、フジテレビで深夜にやってたBEAT UKを流してくれてたから、食べるのもそこそこにずっと画面見上げちゃって。買うものなくても寄ってみて、それでもじゅうぶん楽しめるお店でした。

当時はエコとかSDGsとかまだ全然だったので、お店で買い物をすると、普通にビニールの袋に入れてもらえたんですが、当然それぞれのショップで袋は違いますから、多いときはヴァージンだけじゃなくHMVとWAVEの袋も下げて家路に着いたもんです。人によってはディスクユニオンも持ってたりね、カオスですわ。

で、そのビニール袋(今でいうショッパーとかショ袋ですか)、もちろんそれぞれのブランドの名前やロゴが入ってるわけですけれども、ヴァージンのロゴって、ご覧になったことありますか? お若い世代は、ご存じないでしょうね、たぶん。

こんな感じ。これがもう、至るところで使われてたんです。ヴァージン・グループというのは非常に手広く商売してましたから。このロゴ、メガストアの店頭だとか、ヴァージン・コーラなんかは特にかっこよく、今でいうと映えてましたね。

このロゴのデザイン、斜めになってますよね? しかも下線が引かれてる。なんじゃこりゃ。これにはちょっとしたワケがある。


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