見出し画像

百人一読(アリ・スミスから夏の読書編)

ル・クレジオの現代文学で終わっているから現代文学で始めるか?



51 アリ・スミス『秋』

アリ・スミス『秋』を取り上げたのは、昨日図書館で『夏』を借りてきたので、たぶん『秋』から始まっているのだと思った。『冬』を読んで続きは『春』なんだが気分的に夏なんだから『夏』が読みたいと思ったのだ。そうだ、今日は夏の読書ということにしようか?

52  原民喜『夏の花・心願の国』 

八月は戦争月間ということで映画館でも戦争映画特集や原爆の映画上映会なんかがあり、昨日は『風が吹くとき』を観たので思い出しました。

実際に原爆直下だったら、ドアで急遽こしらえたシェルターなんかが役に立つわけないのだがファンタジーはファンタジーとして、実際にリアリズムの小説もあるということだった。


53大岡昇平『野火 』

やっぱりこれは紹介しておきたいのは、映画館で塚本晋也の上映会が毎年あるからだけではなく、それだけのものがこの小説にもあるからだと思います。

54 パヴェーゼ『月と篝火』

パヴェーゼには『美しい夏』という小説もあるのですが、燃焼度で言ったらこっちでしょう。「篝火」とはパルチザンを火炙りにしてしまうファシズムの時代だったのです。それを後に作家が回想するという小説です。その時代が重苦しいというのではなく恋人との語らいもあったという、その刹那感がいいのでした。イタリアのプロテスト・ソングをBGMに。


55 ロレンス・ダレル『アレクサンドリア四重奏 1 ジュスティーヌ』

夏の小説かはうろ覚えなんだけどアレクサンドリアという旅行記のような小説で避暑地気分なのかな。最初に上げた四季の循環というのを四重奏として描いているような(四季ではなく人の名前なんだけど、そっか五木寛之の『四季・奈津子』はこの合せ技だな)小説で、この手の小説は一冊で終わるのではなく、次も読みたくなって最後までよんでしまうというパターンのようです。


56  湯本香樹実『夏の庭 The Friends』

映画を観て読んだのかな?「新潮の100冊2024」にも取り上げられてい。夏休み小説だったと思います。


57 角田光代『八日目の蝉』

角田光代の代表作ですかね。ドラマにも映画にもなってその度に泣かせられるという。小豆島と夏と蝉。完璧「虫追い」の風習とか、カルトの世界とか。


58 江國香織『つめたいよるに』

江國香織にはまったことがあり、たぶん辻仁成と付き合い始めてから駄目になったと思う。なんだろう、初期の頃の初々しさかな。恋愛作家と勘違いする前のノスタルジックな感じとか。


59 コンラッド『闇の奥』

今読んでいるサイード『文化と帝国主義』(これは読みにくい本ですが)で取り上げられたコンラッド。それまでの植民地小説は帝国主義作家のものでも不安とか書くことはなかったのに、そうした人間の奥底に潜む不安が描かれていいということでした。


60 パトリシア・ハイスミス『太陽がいっぱい』

原作は読んだことがないですけど映画はアラン・ドロンの名作ですね。パトリシア・ハイスミスの小説は『贋作』を読んで面白いと思いました。『贋作』より手に入りやすい『太陽がいっぱい』かな。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?