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普通の街の人にも表情がある

『ダゲール街の人々』(1976/ フランス)監督アニエス・ヴァルダ


あらすじ
自身が 50 年以上居を構えていたパリ 14 区、モンパルナスの一角にあるダゲール通り。“銀板写真”を発明した 19 世紀の発明家の名を冠した通りには肉屋、香水屋...、様々な商店が立ち並ぶ。その下町の風景をこよなく愛 したヴァルダが 75 年に完成させたドキュメンタリー作家としての代表作。人間に対する温かな眼差しと冷徹な 観察眼を併せ持ったヴァルダの真骨頂。

1970年代のパリの街角風景。ダゲールは銀板写真を発明した人で、通りにその名前が付いている。そうだパリは作家の名前が付いた通りとか多いのだった。日本もそういう風だといいなと思ったりした。実際にあるのかもしれないけど。

一般人だけど商店街の人だからそれぞれ特徴的な顔や仕草があった。床屋の親父はいつも腰に手を添えてポーズを取っている。パン屋は愛想がいいような。そういえばフランスパンをむき出しのまま持って帰るのが驚きだった。日本だと袋に入れたりするのに。

化粧品屋の老夫婦の店。奥さんが心の病なのか、不思議な感じだった。夕方になると外に出たがるというが主人の旦那のそばで店を見守る。時々店に来た客のコートを引っ張ったり。でもそういう人も自然とその店に溶け込んでいるのが不思議だ。アコーデオンを弾いている楽器屋とか音楽が楽しい。

ただの商店街の人々という風景だが、不思議と魅了されてしまう。それはヴァルダの語り(ナレーション)だろうか?最後は夢について人々が語るのだけど男はみんな仕事の夢でストレスを感じている。女の人の方が夢を見なかったり旅行している夢だったり。後半はマジックショーがあって、映画もそういうことなのかなと。

マジックショーもSFが流行ればそれをネタにマジックをするようで大道芸も大変だ。それぞれ仕事の大変さはあるのだが、優雅に感じるのはプロ意識だろうか?そういうばどこの店も品物があふれているのが印象的だ。スーパーではないけど品揃えが豊富なのか。そういう時代だったのかな。

若い人はあまり写らないがスケートリンクの女性はヴァルダの娘さんかな。出演しているそうなんだが、違うかもしれない。みんな自然なんだが化粧品屋の奥さんの不思議さはなんだろう。気品があるんだよな。

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