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大寒波つぶやくうちに熱くなり

昨日も引き籠もりだったのは観たかった映画を上映する映画館が機械トラブルで休館になってしまったのだ。大寒波の影響かな?それで家でごろごろ蒲団を身体に巻いて蓑虫状態だった。

読書は、『新潮 2022年 1月号』。

今朝風呂に入りながら絶望名言のラジオを聞いていたのだが(「落語の絶望名言」ニ回目だった)昨日読んだ阿部和重『Neon Angels On The Road To Ruin』に関連することを言っていたので追記。

【聴き逃し】日曜日放送分を聴く ラジオ深夜便▽絶望名言アンコール 1月23日(月)午前4:05放送 https://www2.nhk.or.jp/radio/pg/sharer.cgi?p=0324_07_3836782

#radiru

落語は落差というのものが笑いを生むというのは、昨日読んだ小説、阿部和重『Neon Angels On The Road To Ruin』と同じ構造だった。ラストも夢オチと言えば言える。イーロン・マスクが開発した電気自動車テスラはハイテクと化石燃料に頼っている日本の自動車産業の凋落の象徴で、ガソリン・スタンドが閉鎖されるために解雇される50前の男が再就職先にしたのが自動車泥棒で、「メルセデス・マイバッハに乗ろう!」という仲間との合言葉と共に夢を描くのだが、失敗する物語。

当然と言えば当然な展開は落語のようなスラップスティック・ストーリー。ディックの小説を彷彿させるラスト。落語でいう落ちなのだが決まっていた。

そういうことで我慢してしまう文化というもの。最近ツイッターのTLでも怒りは怒りとして処理したほうがいいとの意見もあるが、それが叶わないという絶望の文学なのだと思う。

バタフライ・エフェクトが下から起こるような小説はないものだろうか?どうにも出来ないシステム論に絡め取られてしまう構造だった。『電気羊はアンドロイドの夢を見るか』(逆だった。本当は『アンドロイドは電気羊の夢をみるか』です。「胡蝶の夢」みたいだ。また余計なことを言う。)は、製薬会社が影で支配している産業構造。これは今もパンデミックの裏ではあるような。陰謀論と言われてしまうが。

阿部和重の小説は、イーロン・マスクのような者が支配する世界。そのシステム論はディックの小説と変わらない。日本では落語の世界から?だから人情噺のようになってしまうんだよな。阿部和重『Neon Angels On The Road To Ruin』も。英語タイトルだけど、これはランナウェイズのチープなロック。ジャニス・ジョプリンが『チープ・スリル』を歌ったような。その選曲センスもディックと似ている。

だからディックは神学に行くのだが。落語でいうイリュージョン(談志)。最近、それでは駄目なんだと思うのだが行き場がないのかもしれない。

今日の俳句だ。俳句も小さなものが大きなものと連動していくシステムだった。二物衝動でそれを対比させるといいというような。大寒波とクリームシチューとか。それは昨日やったから、大寒波とつぶやきかな。

大寒波つぶやくうちに熱くなり


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