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子供たちの「死のゲーム」を止められるのは誰なのか?

『ガザ 素顔の日常』監督ガリー・キーン/アンドリュー・マコーネル 出演マナル・カラファウィ/アフマド・アル=アクラー

解説/あらすじ
ガザ地区と聞いたら「世界で最も危険な場所」「紛争地」など戦争のイメージを思い浮かべるのではないだろうか?そんなあなたはこの映画で全く違うガザの一面を発見することだろう。穏やかで美しい地中海に面しているガザの気候は温暖で、花やイチゴの名産地。若者たちはサーフィンに興じ、ビーチには老若男女が訪れる。海辺のカフェの飛び切りハイテンションな店主に朝会えば、間違いなく誰もが幸せな一日を過ごせるはずだ。他にも妻が3人、子どもが40人いる漁師のおじいちゃんなどが登場する。こんな個性豊かなガザの人々にきっと魅了されるに違いない。しかし現実は過酷だ。陸も海も空も自由が奪われたガザは「天井のない監獄」と呼ばれ、住民の約7割が難民で貧困にあえいでいる。それでも日常を力強く生きようとする人々がいる。19歳で現実逃避するためにチェロを奏でるカルマは海外留学して国際法や政治学を学びたいと考えている。14歳のアフマドの夢は大きな漁船の船長になり兄弟たちと一緒に漁に出ることだ。「欲しいのは平和と普通の生活」。ガザの人々は普通の暮らしを今日も夢見ている。

子供たちが海水浴を楽しむように、壁の向こう側へ石を投げる遊戯のような闘争。相手は武装装備したイスラエル兵であり、あきらかに力の差は歴然なのだ。なのになぜ子供たちが生命の危険を晒してまでこの「死のゲーム」に参加するのだろう。子供たちを止めることは出来ないのか?

不均衡な戦争。それは戦争と呼ぶにはあまりにも愚かな行為に思える。石だけしか持たない若者に完全武装して銃やロケットミサイルで応酬する。彼らが力(武力)で制したことがあったのか。ますますガザの住民は反発し、不幸の連鎖は続く。それはガザの人々にとってもだがイスラエルにとってもいいことなどあり得ない。

そのイスラエルに近年非常に近づいているのが日本の政府だ。イスラエルの無人兵器(何のために無人なのか、兵士たちも嫌がっている)の共同開発やら武器輸入やら。それでイスラエルの戦争が無くなるわけではないのだ。莫迦な人間が金儲けのために人を殺しているしか思えない。

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