芥川の不安とは?
『三つのなぜ』芥川龍之介( Kindle版)
芥川晩年の作というより自殺した年の作品である。『ファウスト』の話は第5幕で、それまで林檎(愛)という欲望を知らなかったのに、悪魔によって知ってしまったことから、錬金術のようなまやかしな人生を後悔するというような。シバの女王は奴隷と主人の関係が逆転する。愛の虜になるというような。ロビンソンも結局は堕落の道なのではないか。
人生堕落だったということなのか、「3つのなぜ」なんか普通は考えないで人はやっていくのに芥川龍之介だからその問いの虜になってしまったということなのだろう。
芥川は西欧の文明開化には疑問符の人だったから。それらは西欧からやってきた文学問題であり、西欧化の問題でもあるのかもしれなかった。
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