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ダリの「華麗なるギャッツビー」

『ウェルカム トゥ ダリ』(2022年/イギリス)監督:メアリー・ハロン 出演:ベン・キングズレー、バルバラ・スコヴァ、クリストファー・ブライニー、ルパート・グレイヴス、アレクサンダー・ベイヤー、アンドレア・ペジック withスキ・ウォーターハウス andエズラ・ミラー

奇想天外なダリ・ワールドへようこそ 70年代ニューヨークでの狂騒の日々
1974年、ニューヨークの画廊で働き始めた青年の眼を通して描かれる、サルバドール・ダリとその妻ガラの喧騒の日々。ダリの心には若き日の栄光が去来し、ガラは豪奢な生活を維持するために権謀術数をめぐらす。シュールリアリズムの天才画家の晩年を活写する。

昨日観たロックフェスの映画でアリス・クーパーがダリを尊敬して一緒に写真にも写っていたのだが、そのアリス・クーパーがダリのサロンの一人として出ていた(無論本人じゃなないけど)。そんなことからダリのファンでもないが、アリス・クーパーのパフォーマンスはダリの影響を受けているというので観たくなったのだ。これが、わらしべ映画鑑賞法か?まあ気になったらとりあえず観て見るのがよろしいかと。それで映画的には豊かになれるかも。

アリス・クーパーのロックはパフォーマンス・アート的なのはダリからの影響があったのだ。例えばオノ・ヨーコにしてもそういうパフォーマンス系アーティストがヴィジュアル系として出てくるのはダリの影響とかもあったのかもしれない。

ダリとその妻のガラがNYでサロン的なパーティーをするのはプルーストではないけど「失われた時を求めて」だったのだ。そのバブルな日々はダリの作品を金と交換させ、そのためにけっこう詐欺的なことも行われていた。有名人に群がる蝿のごとき人々なのだが、その中にあってダリと妻の老いに対する恐怖心と狂気的な結びつきがダリを偉大にもしたのだが、その分孤独なダリもいたということだ。絵を書くのが使命のようになってそれは金のため妻のためでもあるのだが、お互いに有名人を侍らせてパーティ狂いの毎日は滑稽劇として描いていたのかもしれない。

そんなダリが地元スペインにもどったときの生き生きとした表情やガラとの出会いの回想シーンは美しく描かれていた。ただガラの役者の背中はそれほど美しくはなかったな。やっぱバレリーナのように肩甲骨が天使の羽根のように出ていなければ肩甲骨フェチの私としてはペケである。

まあ映画はバブル時代のドタバタ喜劇という感じか。そういえば昨日観たドキュメンタリーでもジョン・レノンがコークと言ってコカインでハイになったりしていた。あっちの世界の人はみんなそうなんだろうなと思ってしまう。「華麗なるギャッツビー」だよな。

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