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「リバイバル」というより5.60年代ロックに引導を渡したフェスティバルだった

『リバイバル69 伝説のロックフェス』(2022年製作/97分/G/カナダ・フランス合作)監督:ロン・チャップマン 出演:ロビー・クリーガー、ジョン・レノン、オノ・ヨーコ、ゲディ・リー、シェップ・ゴードン、クラウス・フォアマン、ダニー・セラフィン、チャック・ベリー、ボ・ディドリー

新旧ロックレジェンドが集結した1969年開催の音楽フェスティバル「トロント・ロックンロール・リバイバル」の真実に迫ったドキュメンタリー。

1969年9月13日、カナダの都市トロントにて、チャック・ベリー、リトル・リチャード、ジーン・ビンセントらロックの創始者たちを集めた音楽フェスティバル「トロント・ロックンロール・リバイバル」が開催された。紆余曲折の末、フェスティバル当日にはジョン・レノン、シカゴ、ドアーズら当時の人気アーティストや無名時代のアリス・クーパーも出演し、新旧ロックスターが圧巻のパフォーマンスを繰り広げた。

映画では関係者たちの証言によって舞台裏が明かされるとともに、未公開のバックステージ風景やコンサート映像を散りばめながら、ロック史を転換させた歴史的瞬間を映し出す。

音楽映画なんだけど『ウッドストック』のようなライブ映画を期待するとちょっと違った。企画から実際のライブまでエピソードを当時の出演者や観客(著名人)にインタビューで語ってもらい、どれだけ凄いライブだったかを音楽よりは言葉で説明するというような映画だった。その経緯が面白いと言えば面白いのだが。

やはり目玉はジョン・レノンの動向で当時はビートルズから離れつつあり、オノ・ヨーコとの関係で、彼女をメジャー路線にデビューさせるべくバンドをオールキャストで組んで、たまたまそのお披露目がビッグ・スターが欲しいというフェスティバルの意図と重なったという裏話的なものがメインとなっている。

そんな中でフェスティバルでは「ロックの復活」というビートルズ以前の50年代のスターを揃え、それと新世代のスターたち、はっきり言ってヨーコ・オノ・バンドはロックの破壊者だったかもしれない。そのぐらいオノ・ヨーコの存在感があるのだが、フェスティバルとしてはジョンレノン付きだから呼んだけどちょっとシラケたという感じだったと思う。

ラストのドアーズはなんで映像が撮れなかったのだろう。結果的にヨーコ・オノ・バンドのお披露目フェスティバルとなって、それを契機にジョン・レノンはビートルズを解散させるのだった。そういう意味ではロックの一時代(ビートルズ)が終わったフェスティバルとしては貴重なことだったのかもしれない。

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