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金斗雲押しつぶされるわれ悟空

どんより重たい雲がのしかかっているような日。今日も起きるのが遅かった。深夜起きているのだが、無為の生活という。それでも生きていかねばならないのである。

坂本龍一が自身の葬儀のために「最後のプレイリスト」というのを作ったという記事を読んで自分も真似したくなった。

これはヤバかった。葬送曲というのはダウナー系の眠りを誘う音楽なのだ。そんなものを作るのはまさに「禁じられた遊び」みたいなものだ。

プレイリスト『祈り』 https://music.amazon.co.jp/user-playlists/e79523dbbed048d7b58a09af93d70621jajp?ref=dm_sh_b545-e853-2543-27b4-668b8

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「シシリアン」はジョン・ゾーンのが良かったのだが見つからず、他にマーラー『巨人』第三楽章のクレズマーバンドのものがあったのだが、見つからなかった。

引きこもりだと色々妄想を考えるのである。その歌人が藤原定家ではないかと思っている。

定家と同時に後鳥羽院も読んでいたが、こっちは馴染めず。

定家の本歌取りは短歌の創作としては、どんな入門書よりもいいと思うのだが。それを実作してみて初めて短歌の楽しさがわかった。

定家は歌人としてではなく文学者として『源氏物語』の研究者でもあり、その物語を後世に伝えた者でもある。そして自身も物語作家として物語を書いていた(それは失敗作であったようだが)。さらに日々の日常の記録として『明月記』を記していた。「明月記』の今日的意味については堀田善衛に詳しい。

Netflixで『推しの子』を観る。ハマらないぞと思いながらハマってしまう。虚構世界のアイドルという実像を語りながらアニメにするというメタフィクション的な作品だと思う。業界物語的な。
アニメとして作り方が上手いのは絶えず次回作に期待を持たせる手法だ。それは今のアニメに始まったことではなく昔からある手法なのだが。いいところで終わるというパターン。そんな中毒性を思いながら『鬼滅の刃』も見てしまう。もうこれは『ドラゴンボール』とか『NARUTO』のパターンだってわかっているのに。

そんなことで大江健三郎が読めない。『同時代ゲーム』は複雑すぎるのだ。「五十年戦争」が日本国家による反乱だとわかるのだが、そのきっかけが「木から降りた人」が日本兵によって虐殺される。彼は老人で芸能の原初みたいなはみ出し者だが村に娯楽を与える存在だった(狂言劇的な)。その彼が日本軍に虐殺されて、村人が怒り内戦になった。そして部隊は全滅するのだが、生き残った司令官は部下たちの死が犬死にならないように、南方の戦争に送り出すという秘密裏の作戦を敢行する。それはゴーゴリ『死せる魂』というべきもので、実際に日本政府は軍隊を把握できずにいるから、司令官の架空の軍隊の行動によって死者たちがその地で没すれば遺族年金やらが家族に届くということなのだろう。さらに村人は政府を騙すために二人で一人を登録するということをしていた。それはこの村が絶えず二人組のペアとして、例えば双子の兄妹がこの物語の中心であるが、役割としては一つの役割にすぎない。しかし、それが発覚すると司令官(大尉と呼んでいる)は片方の村人を虐殺に処して戸籍の整合性を計る。こんな鬱展開の話だった。

頭痛がする。今日は外に出なければ。今日の一句。

金斗雲押しつぶされる悟空なり

金斗雲押しつぶされるわれ悟空

季語を入れるなら

金斗雲卯月曇のわれ悟空

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